出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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スチルベン
スチルベン
stilbene
1,2-diphenylethene.C14H12(180.25).シス形およびトランス形の2種類の異性体がある.熱力学的にはトランス形のほうがシス形よりも安定である.トランス形に紫外線を照射するとシス形に変化する.いろいろな製法があるが,ベンゾインをクレメンゼン法で還元し,同時に脱水すればトランス形が得られる.また,α-フェニルケイ皮酸を脱炭酸すればスチルベンが得られるが,脱炭酸の方法によりピペリジン中で加熱すればトランス形が,キノリン中で銅触媒を使って行えばシス形が得られる.このほか,ベンズアルデヒドの低原子価チタンを用いた還元的二量化によってトランス形が,ジフェニルアセチレンの接触水素化によってシス形が得られる.
トランス形は結晶.融点124 ℃,沸点306~307 ℃.エタノール,ベンゼン,エーテルなどに可溶.シス形は液体.凝固点6 ℃,沸点135 ℃(1.3 kPa).
1.6188.スチルベン骨格を有する化合物は,医薬品,染料に多く,また,天然にも存在する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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スチルベン
すちるべん
stilbene
芳香族炭化水素の一つ。化学式C6H5CH=CHC6H5 分子量180.3。1,2-ジフェニルエチレン、トルイレンともいう。シス(Z)体(融点5~6℃、沸点は水銀柱13ミリメートルで145℃)、トランス(E)体(融点124.5~124.8℃、沸点は306~307℃)の2種類の異性体が存在し、前者は不安定形でイソスチルベンともよばれる。トランス体はベンゾインのクレメンゼン還元(亜鉛と塩酸)で合成される。シス体はα(アルファ)-フェニルケイ皮酸のクロム酸‐銅による脱炭酸で生成する。スチルベンのシス‐トランス異性化はオレフィン化合物の幾何異性体間の異性化の代表例である(図)。熱的変換法によれば安定なトランス体が生成するが、光照射による変換法を用いれば不安定なシス体が9倍も多く生成する。光増感反応によってもシス体が得られるが、生成比は増感剤の種類により異なる。スチルベンの二重結合には臭素、水素が容易に付加する。光照射すると閉環をおこし、フェナントレンを与える反応もある。スチルベン染料とは、スチルベンを部分構造として含む染料をいう。
[向井利夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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スチルベン
stilbene
C6H5CH=CHC6H5 で表わされる化合物。 (1) トランス形 無色結晶,融点 124℃。 (2) シス形 イソスチルベンともいう。融点5~6℃。スチルベンの誘導体のなかには,繊維製品のケイ光増白剤として利用されるものや発情作用,抗かび作用,抗マラリア作用などを示すものがある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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