正式名称は残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約。英語の頭文字からPOPs条約とも呼ばれる。環境中で分解されずに長く残留する「難分解性」、生物への「毒性」と「蓄積性」、「長距離移動性」の特徴がある化学物質を規制する。締約国会議では対象物質の特性を踏まえ、製造や使用などを禁止する「付属書A」や、制限を課す「付属書B」などに加えるかどうかを議論する。PFHxSは付属書Aの対象。これまでにPCBなど30種類以上が条約の規制対象となった。
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正式名称は「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約Stockholm Convention on Persistent Organic Pollutants」。POPs(ポップス)(Persistent Organic Pollutants=残留性有機汚染物質)条約ともよばれる。2001年5月にストックホルムで採択された。その対象物質は、付属書A(製造・使用・輸出入が禁止されるもの)、付属書B(製造・使用・輸出入が制限されるもの)および付属書C(放出を削減すべきもの)に掲げられており、それらの環境上適正な管理も定められている。
付属書Aには、アルドリン、クロルデン、ディルドリン、エンドリン、ヘプタクロル、ヘキサクロロベンゼン(HCB)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、マイレックス、トキサフェン、テトラブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモビフェニル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ヘプタブロモジフェニルエーテル、ペンタクロロベンゼン、クロルデコン、リンデン、エンドスルファン、α-ヘキサクロロシクロヘキサン、β-ヘキサクロロシクロヘキサン、ペンタクロロベンゼンが掲げられている。付属書Bには、DDT、PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)とその塩、PFOSF(パーフルオロオクタンスルホン酸フルオリド)、そして、付属書Cには、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、ヘキサクロロベンゼン(HCB)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ペンタクロロベンゼンが掲げられている。重複掲載されている物質もある。
これらのうち、DDTについては、付属書Bに掲げ、特定目的について適用除外を定めることで合意された。具体的には、伝染病の媒介昆虫などの駆除目的の場合に限られること、製造および使用に関する報告が義務づけられること、削減計画の策定と実施に努めることなどが定められている。
またPCBについては、付属書Aに掲げ、暫定的に目標年次を明記することで合意された。具体的には、使用停止は2025年に、また、処分および管理の期限は2028年とされた。一方で、PCDDとPCDFについては、削減を継続的に行い、可能であれば廃絶することを目ざすと定められている。これら以外の物質を追加する際の科学的基準およびその手続、POPs廃棄物の安全管理、国家計画の策定、技術移転の促進、研究開発の奨励などについても定められている。
開発途上諸国に対する資金および技術支援のための機構については、暫定的に地球環境ファシリティ(GEF=Global Environment Facility)が中心的役割を担う。なお、意見対立の大きかった予防原則については、「環境と開発に関するリオ宣言」を引用する形で目的規定に含められた。
日本においては、これらの対象物質について化学物質審査規制法および農薬取締法によって対応が図られている。
[磯崎博司]
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