コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ストレステスト すとれすてすと stress test

6件 の用語解説(ストレステストの意味・用語解説を検索)

知恵蔵2015の解説

ストレステスト

過剰な負荷をかけることで弱点や瑕疵(かし)を調べる手法の一つ。金融機関の経営などが、健全で安定した状態であるかどうかについて確認するもので、健全性検査ともいう。金融市場における不測の事態に備え、危険性を予測し、回避策やポートフォリオの損失額を予測する検査である。
ストレステストは元来、コンピューターシステムなどについての負荷検査や、金融市場のリスク管理手法のことを言う。2009年に米国金融当局が実施した、大手金融機関の資産の健全性を調べる検査を「ストレステスト」と称したことから、金融機関の経営の健全性検査についての用語として一般化した。基本的な方法は、通常では考えられない大幅な通貨相場の変動や経済成長マイナスなどを想定し、銀行の自己資本比率の低下などが想定される範囲に収まるかどうかを判断する。客観的な審査によって、市場の不安感を解消することが検査の基本目的である。しかしながら、ストレステストの結果が不合格の場合には、むしろ信用不安を煽(あお)りかねない。また、一般に検査の判断基準は事前には公開されない。これらにより、結果の意図的操作が行われている可能性が否定できないとの見方もある。
10年7月にCEBS(欧州銀行監視委員会)が行ったストレステストでは、欧州の金融機関91行のうち資金不足に陥るのは7行、それ以外はすべて健全であるとした。不合格の7行は、当該国の金融当局の監督下で公的資金注入による再建などがすでに進められている「当然にも不合格」と認められる金融機関のみであった。また、ギリシャ国債などについての損失率が少なめに見積もられているなど、審査基準が甘すぎるとの指摘もあった。さらに、CEBSの査定に対して、米国金融大手のシティグループが独自に行った試算では91行のうち、24行が不合格であるとの結果も報告されている。ストレステストを信頼性のある手法としていくにあたって、負荷の妥当性や標準化、客観性など、多くの課題が今後に残されている。

(金谷俊秀  ライター / 2010年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ストレステスト

不況が続いても、耐えられる経営体力が金融機関にあるかどうかを調べる特別検査のこと。資産でみて欧州連合(EU)27カ国の金融機関の大半を占める91行が対象。損失が出た場合に補える資本があるかどうかをはっきりさせて、低下した信用を回復するねらいがある。

(2010-07-24 朝日新聞 朝刊 1総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

ストレス‐テスト(stress test)

ある製品・材料・構造物・システムなどが、滅多に起こらない事態で生じる大きな負荷にどの程度耐え、安全性にどの程度の余裕があるかを調べる試験。耐久試験。耐力試験。安全性評価。
金融市場で、通常では考えられないほどの大幅な価格変動などを想定し、その回避策やポートフォリオの損失額を予測しておくこと。
コンピューターのハードウエアソフトウエアに対して行う機能テストの一。大量のデータを処理させるなどの高い負荷をかけ、正常に機能するかどうかを調べる。一般にサーバーなどの高い信頼性を必要とするシステムに用いられる。負荷テスト

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

ストレステスト

ストレスとは負荷を意味する。システムに通常以上の負荷をかけて正常に動作するか,隠れたリスクはないかなどを調べる手法のこと。金融,建築,コンピューター,医学などさまざまな分野で用いられるが,この言葉は一般的となったのは,福島第一原発事故を受けて日本やEU内で独自に原子力発電所のストレステストを行うこととしたためである。
→関連項目伊方原発枝野幸男大飯原発

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

IT用語がわかる辞典の解説

ストレステスト【stress test】

負荷テスト。⇒負荷テスト

出典|講談社
(C)Kodansha 2011.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ストレステスト
すとれすてすと
stress test

天災や大事故など、組織や企業、設備・システムなどに大きな負荷(ストレス)がかかる状況を想定し、安全性や耐久性を維持できるかどうか点検するリスク管理手法。耐久性調査、耐性評価などともよばれる。もともと電気・機械製品の品質管理に使われた用語であるが、金融や原子力発電所などの分野で広く使われるようになった。
(1)電気・機械分野のストレステスト 電気・機械製品や同部品に、利用時の想定(定規格)以上の温度、圧力、湿度、電圧、電流、周波数、振動、速度、重量などの負荷をかけ、正常にきちんと利用できるかどうかを調べる手法。IT分野ではソフトウエアやハードウエアに、想定より多いデータ量、接続先、通信量などの負荷を一度にかけ、システムが安定的に動作するかどうかを調べる。
(2)金融のストレステスト 2008年のリーマン・ショック後、金融システム危機に耐えられる健全資産を銀行などの金融機関が保有しているかどうかを調べる手法として一般に使われるようになった。10年、20年に一度の金融システム不安が生じた際、株式、債券、為替相場がどの程度変動するかを予測し、損失額や資本不足額を試算し、金融危機に備えるねらいがある。金融機関の資本増強を促すと当時に、資産の透明性を高める効果もある。
(3)原子力発電所のストレステスト 2011年(平成23)の福島第一原子力発電所事故後、天災やテロ攻撃、飛行機墜落事故などに対し原発がどこまで耐えられるかを調べる手法として広く使われている。原発が事故などを起こす限界までの「余裕度」を調べ、弱点を明らかにし、補強につなげるねらいがある。安全基準を上回る過酷な状況をコンピュータ・シミュレーションでつくりだし、建屋(たてや)や機器の耐久性を調べる。机上計算によって評価するので、テストのために原子炉を止める必要はない。福島第一原発の事故後、ヨーロッパ連合(EU)がストレステストの実施を決め、国際原子力機関(IAEA)閣僚会合も原発を保有するすべての国が実施するよう決定した。日本では定期点検中の原発に簡易版ストレステストを実施し、合格を原発再稼働の前提条件の一つとしている。さらにその後、本格的ストレステストを全原発に実施し、必要に応じて停止命令を出すという2段階方式をとっている。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ストレステストの関連キーワード負荷分散ブラウザークラッシャー後足で砂をかける瑕疵鎌をかける粉をかける世話を掛ける手を掛ける面倒を掛ける運動負荷テスト

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

ストレステストの関連情報