スレオニン(英語表記)threonine

翻訳|threonine

漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典の解説

スレオニン【threonine】

必須アミノ酸のひとつ。動物の成長因子の探求過程で必須アミノ酸のうち最後に発見されたもの。卵、七面鳥、スキムミルク、ゼラチンなど、主に動物性たんぱく質に多く含まれる。食事から摂り入れたたんぱく質を使う際に必要とされ、成長促進作用があるほか、肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝の予防、新陳代謝の促進、胃炎の改善などの作用をもつ。不足すると、食欲不振、貧血、成長不良などの症状を招く。◇トレオニンともいう。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スレオニン
すれおにん
threonine

トレオニンともいい、α(アルファ)-アミノ酸の一つ。略号はThrまたはT。分子内に2個の不斉炭素原子をもつので四つの立体異性体(L、D、L-アロ、D-アロ)がある。天然にあるのはL型である。1935年ローズWilliam Cumming Rose(1887―1985)らによりフィブリンの酸加水分解物から単離された。L-スレオニンはタンパク質を構成するアミノ酸の一つで、全卵タンパク質の5.3%、乳タンパク質の4%を占める。またカゼインなどのタンパク質中にリン酸エステルの形でも存在する。スレオニンとN-アセチル-D-ガラクトサミンの間のO-グリコシド結合は糖鎖(グルコースやガラクトースなどの糖が鎖状に連なった物質)がタンパク質に結合する様式の一つである。スレオニンのヒドロキシ基のリン酸化はタンパク質のリン酸化の様式の一つである。酵母、細菌では、アスパラギン酸からホモセリンを経るか、グリシンにスレオニンアルドラーゼが働いて合成され、代謝されて、グリシン、α-ケトブチル酸、2-アミノアセト酢酸などになる。分子量119.12。水によく溶け、アルコール、エーテルには溶けない。[降旗千恵]

栄養

栄養上、必須(ひっす)アミノ酸の一種である。動物性タンパク質には不足しないが、植物性タンパク質には含量が少なく、不足しやすいアミノ酸である。穀類のタンパク質中のスレオニンは、生理的利用率が低いとされている。4種の光学異性体のうちでL-スレオニンのみが栄養に役だつ。[宮崎基嘉]
『必須アミノ酸研究会編『アミノ酸シリーズ第2集 スレオニン』(1959・世界保健通信社) ▽田村真理・矢倉英隆・武田誠郎・宮本英七編『プロテインホスファターゼの構造と機能』(2000・共立出版)』

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