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セルデン Selden, John

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

セルデン
Selden, John

[生]1584.12.15. サルビントン
[没]1654.11.30. ロンドン
イギリスの法学者,政治家,歴史家。 1612年に弁護士となり,活発な著作活動を行い,23年下院議員となる。彼は自由主義の立場から国民の権利の拡大に力を入れ,バーミング公の弾劾,権利請願の起草に参加した。また,グロチウスの自由海論に反駁するために『閉鎖海論』 Mare clausum (1635) を著わし,海洋は領有が可能であり,イギリス国王は同国を囲む海洋の領有者であると主張した。主著『名誉の称号』 Titles of Honour (14) ,"Table Talk" (89) 。

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世界大百科事典 第2版の解説

セルデン【John Selden】

1584‐1654
イギリスの法律家,政治家,法制史家。著述を通して下院の反国王側に貢献していたが,1623年以後下院議員としてその学識を生かし,権利請願の作成に加わるなどピューリタン革命期の反国王側の指導者の一人として活躍。しかしチャールズ1世処刑後は隠退十分の一税を宗教上の制度でないとした《十分の一税の歴史》(1617),グロティウスの《海洋自由論》への反論である《閉鎖海論》(1636),《卓上閑話》(1689)などの著作がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

セルデン
せるでん
John Selden
(1584―1654)

17世紀前半に活躍したイギリスの法律家、政治家、また法・政治学者。彼の思想には、エラスムス、フッカー、グロティウスなどの人文主義者たちの影響がみられ、彼自身、1630年代のイギリスにおけるもっとも開明的な知識人の集まりであったグレート・チュー・サークルの主要メンバーであった。1612年弁護士となり、1623年下院議員、1628年の「権利請願」の起草に参加。1640年には、クロムウェルと同じくオックスフォード大学を代表して長期議会に入り、宗教の自由を主張。1649年チャールズ1世の処刑をめぐり独立派・平等派(レベラーズ)と対立、政界を引退。『名誉の称号』(1614)、『イギリスにおけるユダヤ人論』(1617)、『十分の一税の歴史』(1618)、『閉鎖海論』(1635)、『ヘブライ人の法律からみた万民法と自然法』全7巻(1640)、『卓上閑話』(1689)など著書多数、ホッブズ、フィルマーなどにも影響を与えている。『十分の一税の歴史』では神権説を否定、主著『閉鎖海論』は、グロティウスの『自由海論』(1609)やオランダのイギリス海岸における漁業権の主張に反論したもの。
 グロティウスが、海洋はいかなる国の排他的支配にも服さず、いかなる国の船舶も自由に航行できると主張したのに対し、セルデンは、陸地と同じく海洋も、長い年月の経過のなかで特定国の排他的支配に服しうることを、歴史的事実や資料・聖書などを根拠にして論証している。この論争は、当時の興隆しつつあった資本主義諸国家間の貿易や産業の状況を知るうえで好個の材料といえ、また今日の200海里漁業専管水域をめぐる問題を考えるうえでも興味深い。[田中 浩]

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世界大百科事典内のセルデンの言及

【海洋法】より

…一方,この時期になると,イギリスは自国の沖合で操業するオランダ漁船を閉め出すために,一転して,自国に近接する海域の領有を唱え始めた。このイギリスの立場を正当化するために,セルデンJohn Selden(1584‐1654)は35年に《閉鎖海論Mare clausum》を著して,自然法および慣行に基づき海の領有が許されることを説き,ここにいわゆる海洋権論争が展開された。 その後,第一級の海洋国家に成長したイギリスがその態度を改めたことや,航海技術の進歩や国際貿易の進展などが原因となって,海洋自由の観念が一般に認められるに至った。…

【海洋法】より

…一方,この時期になると,イギリスは自国の沖合で操業するオランダ漁船を閉め出すために,一転して,自国に近接する海域の領有を唱え始めた。このイギリスの立場を正当化するために,セルデンJohn Selden(1584‐1654)は35年に《閉鎖海論Mare clausum》を著して,自然法および慣行に基づき海の領有が許されることを説き,ここにいわゆる海洋権論争が展開された。 その後,第一級の海洋国家に成長したイギリスがその態度を改めたことや,航海技術の進歩や国際貿易の進展などが原因となって,海洋自由の観念が一般に認められるに至った。…

※「セルデン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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