ソグド語(読み)ソグドご(英語表記)Sogdian language

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ソグド語
ソグドご
Sogdian language

中期イラン語の一つ。サマルカンドを中心とするソグディアナで話されていて,その地の商人の活躍により,中世の中央アジアで国際通商語の地位を獲得した。インド=ヨーロッパ語族のイラン語派に属する。3種のセム系文字で記された文献が多く残っている。

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百科事典マイペディアの解説

ソグド語【ソグドご】

インド・ヨーロッパ語族に属する中期イラン語イラン語派)の一つで死語。Sogdian。古くサマルカンドを中心とするソグディアナ地方から中央アジア一帯の国際語であったらしく,チュルク諸語モンゴル諸語にも影響を与えた。おもな文献は敦煌で発見された8世紀から9世紀ころの仏教,キリスト教,マニ教関係のものでソグド文字で記されていたが,最古の文献としては4世紀の書簡断片がある。→ウイグル文字

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世界大百科事典 第2版の解説

ソグドご【ソグド語 Sogdian】

インド・ヨーロッパ語族中,中世イラン語に所属し,本来は,サマルカンドやブハラを中心に栄えた古代ソグディアナで用いられていた言語。後にその使用者であるソグド人の商業・宗教活動に伴ってしだいに使用範囲が東方へと拡大していった。最も東は中国の西安や洛陽,北はモンゴル高原のオルホン川近辺,南はチベット西端のラダックあたりにもその使用が確認されている。ソグド語はソグド文献と呼ばれる文献に数種類の文字を用いて書き残されているが,最もよく利用されたソグド文字はアラム文字に由来すると一般に信じられ,表音文字であるが子音字のみからなり右横書きである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ソグド語
そぐどご

7世紀から8世紀にかけて、中央アジアの有力な国際共通語として、東西交渉に重要な役割を果たした言語。東イラン語群のサカ・スキタイ語系に属する死語である。トルキスタンや敦煌(とんこう)から出土した、ソグド文字で書かれた仏教・マニ教・キリスト教(景教)に関する文献や、ペンジケントの東にあるムグ山で発見されたムグ文書が、この言語の研究を進めた。アラム文字からつくられたソグド文字の字形には変種も多く、マニ教文献の草書体字形や、ムグ文書のサマルカンド字形などが知られる。ソグド語は、一般に母音を十分に表記しないため、母音の決定は困難であり、文中にアラム語が混入するという特徴もある。タジク(タジキスタン)共和国に現住するヤグノーブ人は、ソグド人の後裔(こうえい)といわれるが、古代ソグド語と現代ヤグノーブ語の関係は、いまだ解明されていない。[西田龍雄]

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世界大百科事典内のソグド語の言及

【イラン語派】より

…また最近ペルセポリスの遺跡から,前6世紀末から前5世紀前半に属する古代ペルシア語の人名を数多く含むエラム語の粘土板文書が大量に発見されている。(2)中期イラン語として知られているものには,西部方言としては中期ペルシア語とパルティア語,東部方言では,ソグド語,サカ語,ホラズム語,バクトリア語がある。中期ペルシア語は古代ペルシア語と同じく南西イランの方言で,ササン朝ペルシア(3~7世紀)の公用語として,碑文,ゾロアスター教の宗教文学(パフラビー文献),およびマニ教の文献に用いられた。…

※「ソグド語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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