タイム(英語表記)Time

翻訳|Time

精選版 日本国語大辞典 「タイム」の意味・読み・例文・類語

タイム

[1] 〘名〙 (time)
① とき。時間。時刻。
※徳川氏時代の平民的理想(1892)〈北村透谷〉一「全くタイムの籠に控縛せらるるを」
② あることを行なうのに要した時間。また特に、競走・競泳など時間を争う運動競技で一定の距離を進むのに要した時間。
※権といふ男(1933)〈張赫宙〉「どれ一つとして、いいタイムをのこしたことはない」
③ 運動競技で、正規の休止時間以外の、試合の一時中止。また、審判によるその命令。
※新式ベースボール術(1898)〈高橋雄次郎〉六「仕合者に、差支が出来たり、〈略〉其他仕合をするに故障が起れば、審判官は『タイム』(Time)と呼んで、休戦の令を下します」
[2] (Time) アメリカのタイム社発行の週刊ニュース雑誌。世界中で購読されている。一九二三年創刊。

タイム

〘名〙 (thyme) 植物「たちじゃこうそう(立麝香草)」の異名。

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デジタル大辞泉 「タイム」の意味・読み・例文・類語

タイム(time)

時。時間。時刻。「ディナータイム」「フルタイム
速さを争う運動競技で、所要の時間。記録。「タイムをはかる」「いいタイムが出る」「ラップタイム
運動競技の試合で、審判が競技を一時中止させること。また、その時間。競技者が要求することもある。「タイムをかける」
[類語](1時間アワー/(3たんま待った

タイム(thyme)

シソ科多年草。茎は地をはい、枝が直立して披針形の葉をつけ、低木状となる。夏に淡紅紫色の小花が咲く。全体に強い芳香があり、香辛料として料理に用いる。地中海沿岸地方の原産。立麝香草たちじゃこうそう木立百里香きだちひゃくりこう

タイム(Time)

米国の週刊ニュース雑誌。1923年に創刊。ニュースを分類した編集が特色。

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改訂新版 世界大百科事典 「タイム」の意味・わかりやすい解説

タイム
Time

アメリカの代表的なニュース雑誌。週刊。1923年3月,ルースHenry Robinson Luce(1898-1967)とハドンBriton Hadden(1898-1929)が創刊。創刊号の予約読者はわずか9000人であったが,現在発行部数は約410万(1996)。《タイム》は海外ニュース,科学,宗教などの報道が的確さと信頼性でとくにすぐれているといわれてきた。創刊者の一人ルースはプロテスタント共和党,自由競争を支持したが,最近は必ずしも共和党支持ではない。ただし,《ニューズウィーク》とともに東部偏重であることを非難されてきた。北米版,南米版,アジア版,ヨーロッパ版などを発行し,世界的に流通している。なお,ルースはビジネス誌《フォーチュン》やフォト・ジャーナル誌《ライフ》なども創刊した。また,発行元のタイム・ライフ社は,映画会社ワーナー・ブラザースを買収し,タイム・ワーナーと社名を変更していたが,95年にはCNNを傘下に置くターナー・ブロードキャスティング・システムを買収,世界最大級のメディア企業となっている。2000年には,さらにアメリカ・オンライン社を買収,AOLタイム・ワーナー社となった。
執筆者:

タイム
common thyme
Thymus vulgaris L.

イブキジャコウソウに類縁のあるシソ科の株だちとなる小低木。タチジャコウソウキダチヒャクリコウ(木立百里香)ともいう。代表的なハーブの一種で,古くからヨーロッパで知られ,とくにフランスなど地中海沿岸地域に多い。日本へは明治になってから渡来した。丈は30cm足らずで,細い枝に5~7mmの小さい葉を密につける。初夏に枝先に淡紅紫色,まれに白色の小花を群がって咲かせ,芳香がある。また若茎や葉も強い芳香をもち,thyme(力)という名前は,香りの強さをあらわすとも,この香りで力が湧くからだともいわれる。芳香の主成分は,チモール,カルバクロール,シメンピネンリナロールなどからなる精油である。生葉をとってそのまま利用するか,あるいは開花期の全草を乾燥して利用する。ソース,シチュースープやハム,ソーセージなどに入れて,香りをつける。防腐の効果もあるという。カレーに入れてもよく,肉,魚,貝料理にもよくあう。薬用として鎮咳(ちんがい)の効がある。ふつう春に種をまくが,挿木でもよくふえる。3~5年目ごとに植えかえると収量が上がる。またロックガーデンなどに観賞用に栽植されることもある。
執筆者:


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食の医学館 「タイム」の解説

タイム

タイムは、和名をタチジャコウソウといいます。その名のとおり、たいへん強く心地よい香りをもち、ヨーロッパでは古くから、もっとも重要なハーブの1つに数えられてきました。また、勇気や力のシンボルとされ、「あなたはタイムの香りがする」といえば、それは最高の誉(ほ)め言葉だったといいます。
 タイムのもつおもな作用は、抗菌、収斂(しゅうれん)、抗けいれん、利尿、血行促進、消化器官の活動促進など。具体的症状としては、せき、たん、ぜんそく、胃弱、胃けいれんなどの改善に効果を発揮します。
○外用としての使い方
 また、煎(せん)じだした液や精油を外用薬として入浴剤や湿布に用いれば、打撲(だぼく)や痛風(つうふう)、リウマチ、かぜに有効。ハーブティーでうがいをすれば歯痛にも効果があります。ただし、精油には子宮を刺激する作用があるので、妊娠中の人は使用量をひかえるようにしてください。
〈魚介類の臭み消しや煮込み料理の風味付けには不可欠〉
 タイムの持ち味は、特有のすがすがしい芳香とほろにがさにあります。この香りは、魚介類の生臭みを消すのに、たいへん効果的です。また、長時間加熱しても香りが飛ばないことから、シチューなどの煮込み料理にも欠かせません。さらに各種の肉料理、スープ、ピクルス、サラダドレッシングなど、極めて幅広い料理に用いられています。
 このように使い道の広いタイムですが、香りが強いので、その分使いすぎると料理の風味をくずしてしまいます。
 とくに野菜やたまごの料理は、使用量に注意が必要です。

出典 小学館食の医学館について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイム」の意味・わかりやすい解説

タイム
Time

アメリカのニュース週刊誌。 1923年3月,H.R.ルースと B.ハドンが創刊。創刊号の予約購読者は1万人に満たなかったが,28年以降,着実に部数を伸ばし,最大発行部数は約 600万部。『ニューズウィーク』とともにアメリカの代表的なニュース週刊誌として世界的に読まれている。ヒューマン・インタレストを主眼とする物語調の記事スタイルおよび直截的で凝縮された言葉づかいなどは「タイム・スタイル」といわれ,ニュース雑誌の典型として『ニューズウィーク』,ドイツの『シュピーゲル』などに大きな影響を与えた。

タイム

タチジャコウソウ(立麝香草)」のページをご覧ください。

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栄養・生化学辞典 「タイム」の解説

タイム

 [Thymus vulgaris].タチジャコウ草ともいう.スパイスの一種.シソ目シソ科タチジャコウソウ属に属する植物の花で,チモール,カルバクロールを含み,芳香がある.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のタイムの言及

【イブキジャコウソウ】より

… イブキジャコウソウ属Thymusは約35種があり,ヨーロッパ,アジア,アフリカに分布する。タチジャコウソウは高さ30cm内外になる草本状低木でヨーロッパに産し,葉にチモールthymol(C10H14O)を含み,香料のタイムを採るために栽培される。【村田 源】。…

【アメリカ合衆国】より

…多様な政治意見の表現は,雑誌で行われているとみてよい。《タイム》《ニューズウィーク》などの週刊誌は,中間大衆の〈常識〉を反映するものとして,ある程度日本の全国紙的機能を果たしていた。 一方,20世紀初頭のマックレーカーズ以来,新聞・雑誌が社会的不正の摘発に果たした役割は大きい。…

【CNN】より

…そのことについては,何らかの裏取引の可能性を議会で追求されるなどしたが,CNNの国際的影響力の強さをイラクが認知したことは明らかである。 96年9月,親会社であるターナー・ブロードキャスティング・システムは,雑誌の《タイム》などを発行するタイム・ワーナー社によって買収・合併された。これは,同年7月にウォルト・ディズニーによって,アメリカの三大ネットワーク(ABC,CBS,NBC)中最大のキャピタルシティーズ/ABCが買収されたことや,8月のウェスティングハウス・エレクトリック社によるCBSの買収・合併に対応した動きである。…

※「タイム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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