テル(英語表記)Tell; Tel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

テル
Tell; Tel

現在のイスラエルで「古跡」を意味する言葉。アラビア語では「人工の丘」の意で,テペ Tepe,タル Tal,タペ Tapeなどは同様の意。特にいくつかの文化層の重なった丘を示し,オリエント世界の多くの古跡名にこれらの語が冠せられる場合はこの意味である。

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百科事典マイペディアの解説

テル

西南アジアから小アジア,エジプトの一部にかけて,平野の中に作られた人工の丘。テルはアラビア語で,トルコ語ではテペtepe。建築の材料として用いた石や日乾煉瓦の長期間の堆積によってできあがったもので,円錐形をなすことが多く,頂部は平坦。新石器時代から歴史時代に長期にわたって作られたものが多いので考古学の層位的研究に絶好の資料を提供する。→層位学的研究法
→関連項目テル・サラサートラガシュ

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世界大百科事典 第2版の解説

テル【tell】

人間が長期にわたって居住し,その結果できた建築材料を含む廃棄物によって形成された丘をいう。西アジアを中心に,中央アジア,パキスタン,エジプトの一部,ヨーロッパ南東部に分布する。テルはアラビア語で,イラン,アフガニスタンではテペtepe,アナトリア高原ではヒュユクhüyük,ギリシア北部ではマグーラmaghoula,パキスタンではグンダイghundaiと呼ばれる。なおトルコ東部とイラク北部ではテペも用いられている。

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大辞林 第三版の解説

テル【tell】

西アジア一帯に見られる丘状の遺跡。同じ場所に長年月にわたって営まれた集落の建造物の石材や日乾ひぼし煉瓦れんがなどが堆積したもの。テペ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

テル
てる
telltel

アラビア語で「丘」を意味する。イスラエルのテル・アビブTel Avivのテルも同じで、遺跡だけではないが、考古学上では遺跡だけを問題にする。建築のあり方は、その廃墟(はいきょ)の形態を左右する。木造家屋は朽ち果てて、礎石あるいは柱穴を残すだけであるが、日干しれんが建築や石積み建築は、用材がそのまま建築の基礎を覆うように堆積(たいせき)し、同じ地に建築が繰り返されると小高い丘となってゆく。西アジアでは古来そうした建築が営まれ、遺跡として残った。考古学上ではこの丘状の遺跡をテル、テペtepe、タペtapeなどとよぶが、テル・アビブのように現在も人が住む所の地名ともなっている。[増田精一]

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世界大百科事典内のテルの言及

【日乾煉瓦】より

…古代メソポタミアでは長い間重要な建築材料として利用され,焼成煉瓦の使用が始まっても,神殿やジッグラトなどの大建造物の本体は日乾煉瓦で構築され,焼成煉瓦は壁面の仕上げなどに用いられるだけであった。西アジアにみられるテルは,日乾煉瓦やピゼ(煉土),石材による建築が倒壊したり廃棄されたのち,さらにその上に築いていった結果,高さ20~30mに達する丘となったものである。現在でもアフリカの北部,西部,西アジアから中国北部にかけて,また中南米で住宅の建築に使用されている。…

※「テル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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