テーラーメイド医療(読み)てーらーめいどいりょう(英語表記)tailor-made medicine

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

テーラーメイド医療
てーらーめいどいりょう
tailor-made medicine

ひとりひとりの症状の違いや体質にあわせ、薬などを用いる医療。既製服に対する注文服の意味から呼称される。オーダーメイド医療、個別化医療ともよばれる。従来の医療は、同病名の患者には同じ薬を処方するのが基本で、患者によって効果や副作用も違うことが多かった。しかし、ヒトゲノム(人間の遺伝子情報)の解読が進み、遺伝子配列のわずかな違いで薬の効果や副作用が変わることがしだいに明らかになり、注目を集めることになった。薬の感受性は多くは遺伝子配列の個人差である一塩基多型single nucleotide polymorphism(SNP(スニップ))や、特定の薬に反応する遺伝子の有無などに左右される。これらのデータから薬の有効性、副作用などを推定して薬の選択や量を決めることが具体的なテーラーメイド医療の内容である。
 文部科学省は2003年度(平成15)から「オーダーメイド医療実現化プロジェクト」をスタートさせた。日本人患者の遺伝子情報を収集するバイオバンク・ジャパンを立ち上げ、研究を始めた。日本人向きの治療の開発と、日本人の遺伝子情報の知的所有権を守るとの目標を掲げている。これまでに肝細胞癌(がん)や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を起こしやすい遺伝子などがみつかっている。[田辺 功]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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