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デューイ Dewey, George

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

デューイ
Dewey, George

[生]1837.12.26. バーモントモントピリア
[没]1917.1.16. ワシントンD.C.
アメリカの海軍軍人。 1858年海軍兵学校卒業。 61年海軍中尉。南北戦争にはニューオーリンズの戦い,ハドソン港の攻撃などに参加。 72年海軍中佐,96年海軍准将となった。 97年アジア艦隊司令長官となり,艦隊とともにホンコンに停泊中,98年4月アメリカ=スペイン戦争が始り,ただちにフィリピン沖に停泊中のスペイン艦隊を追ってマニラ湾でこれを全滅させ,完勝した。その後,8月 13日の陸軍部隊によるマニラ占領を支援。 99年海軍大将に昇進。

デューイ
Dewey, John

[生]1859.10.20. バーモント,バーリントン
[没]1952.6.1. ニューヨーク
プラグマティズムに立つアメリカの哲学者,教育学者,心理学者。哲学のプラグマティズム学派創始者の一人,機能心理学の開拓者,アメリカの進歩主義教育運動の代表者。バーモント州立大学卒業後ジョンズ・ホプキンズ大学で心理学者 G.ホール,哲学者 C.パースなどに学んだ。 1888~1930年ミネソタ,ミシガン,シカゴ,コロンビアの各大学教授を歴任。その間日本,中国,トルコ,メキシコ,ソ連などを旅行し社会改革の実情を視察した。またトロツキー査問委員会委員長,アメリカ平和委員会の一員として政治的,社会的にも活躍。その哲学の特色は,伝統的哲学の絶対性や抽象的思弁を排し,哲学的思考は経験によって人間の欲求を実現するための道具であり,哲学的真理は善や美と並ぶ目的価値ではなく,それらを実現するための手段とみなすところにある。このインストルメンタリズムと呼ばれる立場を教育学に応用して進歩主義教育の理論を確立,その他政治学,社会学,美学などの分野にも貢献した。主著『心理学』 Psychology (1887) ,『民主主義と教育』 Democracy and Education (1916) ,『経験と自然』 Experience and Nature (25) ,『確実性の探求』 The Quest for Certainty (29) ,『人間の問題』 Problems of Men (46) など。

デューイ
Dewey, Melvil

[生]1851.12.10. アダムズセンター
[没]1931.12.26. レークプラシド
アメリカの図書館員。 1874年アマースト大学を卒業後,同大学の図書館員となった。 77年ボストンに移り"Library Journal"誌を創刊,アメリカ図書館協会の創立に参加。 83年ニューヨークのコロンビア大学の図書館員となり,同所にアメリカ最初の図書館学の学校を創立した。この学校はのちにオールバニに移り,州立図書館学校となった。 89~1906年ニューヨーク州立図書館長として多くの改革をし,巡回図書館や絵画収集の制度を創設した。 1876年に提案された「デューイ十進分類法」は広く利用されている。

デューイ
Dewey, Thomas Edmund

[生]1902.3.24. ミシガン,オウォソー
[没]1971.3.16. フロリダ,バルハーバー
アメリカの政治家,法律家。ミシガン大学,コロンビア大学院卒業後,弁護士開業。その後合衆国検事となり,1935~37年のニューヨークの組織犯罪の摘発で国民的名声を博した。 42,46,50年共和党からニューヨーク州知事に3選,雇用上の差別撤廃のための州機関の設置など行政手腕を高く評価された。 44,48年の2度共和党の大統領候補に指名されたが,民主党の F.ルーズベルトと H.トルーマンにそれぞれ敗れた。 55年政界を引退し弁護士活動に復帰。 59~62年日本貿易振興会顧問弁護士。

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デジタル大辞泉の解説

デューイ(John Dewey)

[1859~1952]米国の哲学者・教育思想家。プラグマティズムを大成させ、実験主義または道具主義とよばれる立場を確立した。著「学校と社会」「民主主義と教育」「哲学の再建」など。

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百科事典マイペディアの解説

デューイ

米国の哲学者,心理学者,教育学者。シカゴ大学,コロンビア大学教授。プラグマティズムの大成者,〈進歩主義教育〉運動の指導者。伝統的哲学の主知主義的・形而上学的偏向を排して,環境との連続性と相互作用を強調する経験概念を提出,それにもとづく知識論,言語論,社会論,教育論などを展開した。
→関連項目機能心理学キルパトリック胡適シカゴ大学田中王堂陶行知問題解決学習

デューイ

米国の図書館学者。図書の分類法として十進分類法を考案,1876年《十進分類法》の初版を刊行して今日の分類理論の基礎を築いた。同年アメリカ図書館協会を創設,1887年には初めてコロンビア大学に図書館員養成機関として図書館学校を開設。

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世界大百科事典 第2版の解説

デューイ【John Dewey】

1859‐1952
アメリカの哲学者,教育学者,社会心理学者,社会・教育改良家。哲学ではプラグマティズムを大成して,プラグマティズム運動(20世紀前半のアメリカの哲学および思想一般を風靡した哲学運動)の中心的指導者となり,その影響を世界に広めた。教育においてはプラグマティズムに基づいた新しい教育哲学を確立し,アメリカにおける新教育運動,いわゆる〈進歩主義教育〉運動を指導しつつ,広く世界の教育改革に寄与した。心理学では機能主義心理学の創設者のひとりで,社会心理学,教育心理学の発展にも多大の貢献をしている。

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大辞林 第三版の解説

デューイ【John Dewey】

1859~1952) アメリカの哲学者・教育学者。プラグマティズムを大成させ、実験主義(道具主義)の立場を確立。哲学・論理学・社会心理学・美学・教育学など広い分野にわたって業績を残す。特に、教育では作業による経験学習を重視した。また、市民の自由の立場からサッコ-バンゼッティ事件の弁護などにもあたった。著「学校と社会」「民主主義と教育」「人間性と行為」など。

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図書館情報学用語辞典の解説

デューイ

1851-1931.米国ニューヨーク生まれ.デューイ十進分類法の発案者,および専門職としてのライブラリアンシップの確立に貢献した人物.アマーストカレッジ在学中に図書館に興味を抱き,十進分類法を考案した.アメリカ図書館協会の創設と基盤作りに中心的な役割を果たしたほか,Library Journal(1876-  創刊時はAmerican Library Journal)の創刊と同誌を中心とした執筆活動,図書館学校の開設,図書館活動に必要な備品の標準化などの多岐にわたる活動を通じて,それまで徒弟制度の中で受け継がれてきた図書館業務を体系化し,図書館活動を実践的な専門分野へと転換することに尽力した.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典について 情報

世界大百科事典内のデューイの言及

【教育社会学】より

…具体的な研究領域としては,(1)子ども,青年の発達に対する家族集団,同輩集団,マスコミ,子ども文化,青年文化の影響を分析・研究する発達社会学,(2)学校教育という一つの社会機構を通じて行われる社会的選抜過程とその社会階層の再生産もしくは社会移動に与える影響の分析,学校教育が伝達しようと試みる支配的価値観と子ども,青年がそれに対抗して作り出す下位文化との価値葛藤,などを問題とする学校社会学,(3)一つの社会の経済構造に対して一定の知識,技術,価値観をもった労働力を供給している教育制度とその社会の経済構造との相互関係を分析研究する教育の巨視社会学,などをあげることができる。 教育社会学educational sociologyという名称は,1908年スザロH.Suzzalloがコロンビア大学での講義題名に用いたのが最初といわれているが,それ以前に,ドイツのナトルプ《社会的教育学》(1898),アメリカのデューイ《学校と社会》(1899)などがすでに出版されていた。フランスではデュルケームが教育を社会的事実としてとらえ,そこに内在する法則を実証的にとらえようとする〈教育の科学science de l’éducation〉の必要を説いた。…

【胡適】より

…少年期に厳復,梁啓超の著述,とくに《天演論》《新民説》に感激し,新思想の洗礼を受けた。1910年(宣統2),アメリカに留学,最初コーネル大学,ついでコロンビア大学に学び,デューイ哲学から深い影響を受け,《古代中国における論理学的方法の発展》(英文,1917,その漢訳《先秦名学史》を出版)で哲学博士を得た。1917年帰国し北京大学哲学科教授となる。…

【シカゴ大学】より

…初代総長W.R.ハーパーは,カレッジ教育,大学院教育,専門職業教育,地域社会へのサービス,出版活動などをとり入れ,研究重視の新しい総合大学の創造に尽くした。94年には教育哲学者J.デューイが赴任し,96年教育実験学校を設置,1919年にはオリエント研究所が設けられた。20年代にはシカゴ学派と呼ばれる都市社会学の研究者が輩出し,29年に30歳で学長になったR.M.ハッチンズは古典による一般教育カリキュラムを導入,大学の名を高からしめた。…

【新教育】より

…一般的には,それまでの教育の古さを批判し革新する教育,というように理解されているが,より限定した意味では,19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパ,アメリカの教育界を中心におこった児童中心主義的な教育思潮とそれにもとづく教育改革の試みをいう。1898年にフランスの教育改革者ドモランJ.E.Demolins(1852‐1907)が《新教育L’éducation nouvelle》と題する著作で,中等教育のカリキュラムの改革と生徒の自主的活動を重視すべきことを強調し,さらにほぼ同時期にイギリスのC.レディ,ドイツのH.リーツ,アメリカのJ.デューイらによって新しい理論や実践がなされたことで,新教育は一つの運動となった。1921年には国際的な新教育運動のための組織として国際新教育連盟Ligue Internationale pour l’Éducation nouvelle(International New Education Fellowship)も結成されるにいたった。…

【生活教育】より

…〈生活教育〉の名によって主張された教育は,そうした教育に対する批判や抵抗としての教育でもあった。たとえば,アメリカのJ.デューイは19世紀の終りから20世紀の初頭にかけて,学校が生活遊離的になっている現実を批判し,みずからシカゴ大学に実験小学校を創設して,学習と生活との統一をめざす学校改革論を展開した。ヨーロッパでも〈生活による生活にまでの教育〉という主張が多くの教育者の共鳴するところとなり,〈生活学校〉の建設をめざす運動が展開された。…

【善】より

…その源流に位置するのが,道徳的善はある単純な定義できない性質だとするG.E.ムーアの主張である。デューイも,その形而上学的考察,特に人間の経験に関するその見解から,善についてのいっさいの経験に共通の性質としての究極的な自体的善の探究は失敗すべく運命づけられているという,分析哲学の場合と同様な結論に達した。【吉沢 伝三郎】
[中国]
 儒教では具体的な徳目が論ぜられることが多く,善の定義(孟子の〈欲す可きを善という〉などは恰好の定義であったと思える)をめぐって議論が展開することはなかった。…

【プラグマティズム】より

…プラグマティズムは哲学へのアメリカの最も大きな貢献であり,実存主義,マルクス主義,分析哲学などと並んで現代哲学の主流の一つである。プラグマティズムを代表する思想家にはC.S.パースW.ジェームズJ.デューイG.H.ミードF.C.S.シラーC.I.ルイスC.W.モリスらがいる。プラグマティズム運動は〈アメリカ哲学の黄金時代〉(1870年代~1930年代)の主導的哲学運動で,特に20世紀の最初の4分の1世紀間は全盛をきわめ,アメリカの思想界全体を風靡(ふうび)するとともに,広く世界の哲学思想に大きな影響を与えた。…

※「デューイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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