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トキソイド toxoid

翻訳|toxoid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トキソイド
toxoid

変性毒素ともいう。細菌毒素蛇毒などに化学的,物理的処理を加え,免疫原性を持続させたまま,その毒性を除去したもの。外毒素をつくる菌の培養液のろ液を放置しておくか,0.3~0.4%の割合でホルマリンを添加するとトキソイド化される。ジフテリアの活動免疫,破傷風の予防,ブドウ球菌による疾患の治療などに用いる。

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百科事典マイペディアの解説

トキソイド

ワクチンの一種。細菌毒素やヘビ毒などに化学的または物理的処理を加えて,抗原性は保持させたまま毒性を除去したもの。ジフテリア破傷風,ハブ咬症の予防に用いる。
→関連項目抗毒素細菌毒素ジフテリア血清沈降反応予防接種

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世界大百科事典 第2版の解説

トキソイド【toxoid】

変性毒素ともいう。病原性細菌が産生するタンパク質毒素などに種々の処理を行ってつくり出した,毒性を失ってはいるものの,免疫原性を失ってはいないものをいう。P.エールリヒの造語。タンパク質毒素に対して生体に免疫能力を与える抗原として用いられる。ヘビ毒に対するトキソイドもつくられている。歴史的には,フランスのラモンGaston Ramon(1886‐1963)らによって,ジフテリア菌の培養液にホルムアルデヒドを加えて長期間放置すると,免疫原性を失うことなしに毒性を弱められることが1930年代の初期に見いだされたのが,トキソイドがつくり出された最初である(ラモンはこれをアナトキシンanatoxinと呼んだ)。

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大辞林 第三版の解説

トキソイド【toxoid】

病原細菌の産生する毒素を、その抗原性を保たせたままホルマリンで無毒化したもの。ジフテリア・破傷風の予防ワクチンに用いられる。アナトキシン。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トキソイド
ときそいど
toxoid

細菌の菌体外毒素やヘビ毒など生物の産生する毒素を、抗原性を損じないようにホルムアルデヒドで無毒化したもの。ジフテリア、破傷風、ハブ毒のトキソイドが実用化されている。細菌に対するワクチンに相当するもので、人体に注射すると毒素に対する抗体ができて、これらの毒素による傷害が現れなくなる。すなわち、ジフテリアや破傷風の予防、ハブにかまれたときの予防に用いられる。ジフテリアや破傷風に感染した場合の治療には、毒素による発症を防ぐために、毒素の中和作用の速い抗毒素が用いられる。抗毒素は、トキソイドをウマに注射して、抗体のできた血液から血清を分離して製する。
 ジフテリアおよび破傷風トキソイドは、それらの菌を培養し、培養液中に産生された毒素にホルマリンを加えて37℃に保存して無毒化し、精製するか精製した毒素にホルマリンを作用させてつくる。完全に無毒化したものを透析してホルマリンを除き、さらに毒素以外の成分を塩析法、有機溶媒による分画、クロマトグラフィー、電気泳動などの操作で除去し精製する。これに硫酸アルミニウム・カリウム液を加えて沈降させたのが沈降トキソイドで、効果が持続する。製品として、ジフテリアトキソイド、成人用沈降ジフテリアトキソイド、ジフテリア破傷風混合トキソイド、沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド、沈降破傷風トキソイド、沈降ハブトキソイドがある。[幸保文治]

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世界大百科事典内のトキソイドの言及

【予防接種】より

…感染源対策や感染経路対策と並んで伝染病の流行を予防する方法の一つで,人または家畜に免疫を獲得させるためにワクチンなどをあらかじめ接種することをいう。ワクチンには,弱毒化した病原体を生きたまま(これを生ワクチンという),あるいは病原体を不活化したり(これを死菌ワクチンまたは不活化ワクチンという),病原体の産生した毒素を不活化したもの(これをトキソイドという)があり,これを注射,経口的内服などの方法で接種し,人工的に免疫を与える。獲得した免疫の接続性の点では生ワクチンが長期間にわたり,すぐれているが,副作用が強かったり,接種された人の体内で,感染力の強い元の病原菌に変性することがある。…

【ワクチン】より

…このときホルマリンの濃度,作用時間などを調節すると,毒素が毒作用を発揮する部分を主として変性させ,その他の部分の抗原性にはあまり影響を与えないようにすることができる。このように無毒化されてはいるが,動物に抗体産生の刺激を与える抗原性をもつ部分を保持している変性毒素をトキソイドと呼んでいる。ジフテリアトキソイド,破傷風トキソイドがその典型的な例であり,ワクチンの一つとして実用になっている。…

※「トキソイド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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