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トチカガミ Hydrocharis asiatica; frog's bit

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トチカガミ
Hydrocharis asiatica; frog's bit

トチカガミ科の水生多年草。東アジアの温帯から亜熱帯に分布し,溝や湖沼の岸辺に生える。茎は長く伸び,各節からひげ根を出す。葉は厚く光沢があり円形で基部は心臓形をなし全縁。長い葉柄をもち水面に浮ぶ。縦に走る5本の葉脈が目立つ。葉裏には浮き袋の役をする気胞がある。雌雄異花で,夏から秋に花柄の先端に1つの白色花をつける。雌花には総包がなく仮雄ずいを6本もち,子房は6室,花柱も6本。雄花はおしべ6~9本をもつ。雌雄花とも外花被片3枚,花弁状の内花被片3枚をもつ。和名はトチ (スッポン) の鏡の意である。ヨーロッパ産の H. morsus-ranaeによく似ているがそれより大型である。

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百科事典マイペディアの解説

トチカガミ

トチカガミ科の多年生の浮遊性水草。本州〜沖縄,東南アジアオーストラリアに分布し,池や沼の水面に群落をつくる。葉は柄が長く,まるいハート形,裏面の中央には海綿質浮袋がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

トチカガミ【Hydrocharis dubia (Bl.) Backer】

池や溝にはえるトチカガミ科の多年草(イラスト)。走出茎が水底を横にはい,その先に新しい株をつくる。葉は長い柄があり,その基部に2枚の托葉がある。葉身は円心形で径4~7cm,裏面の中央に気囊があり,水面に浮かぶ。花期は8~10月,花は単性で苞鞘(ほうしよう)の中にできる。雄の苞鞘には約5cmの柄があり,雄花のつぼみはこの中に約5個でき,花柄が伸びて1個ずつ水面で開花し,1日でしぼむ。雌の苞鞘には柄がなく,中に雌花が1個だけ発達する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トチカガミ
とちかがみ / 鼈鏡
[学]Hydrocharis dubia (Bl.) Backer

トチカガミ科の浮葉性の多年草。茎は水中を横走し、節から白いひげ根と葉を出す。成長葉は楯(たて)状葉で、托葉(たくよう)は膜質で卵状披針(ひしん)形、長さ2.5~3.5センチメートル。浮水葉はほぼ心臓形で長さ4~8センチメートル、表面は光沢があり、裏面は中央部に高さ2~5ミリメートルの浮き袋が泡沫(ほうまつ)状に密生。花は単性で雌雄同株。7~10月、白色の一日花を開く。雄花・雌花ともに萼片(がくへん)3枚、花弁3枚。雄しべは12本、雌しべは1本。花柄は雌花のほうが太い。果実は倒卵形、中に紡錘形で長さ1~1.5ミリメートルの淡紅色の種子がある。種子または殖芽で越冬する。池沼や小川に群生し、本州から沖縄、および広く温帯に分布する。名は、トチ(スッポン)の鏡の意味で、円いつやのある葉に由来する。[大滝末男]

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