トムヤムクン(読み)とむやむくん(英語表記)Tom Yum Kung タイ語

デジタル大辞泉 「トムヤムクン」の意味・読み・例文・類語

トム‐ヤム‐クン(〈タイ〉tom yam kung)

酸味辛味のきいたタイの代表的なスープ。具にエビ・魚・野菜・キノコなどをたっぷり用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トムヤムクン」の意味・わかりやすい解説

トムヤムクン
とむやむくん
Tom Yum Kung タイ語

タイ料理でもっとも有名なスープ。トムは煮る・ゆでる、ヤムは混ぜる、クンはエビを意味する。

 トムヤムクンをはじめとするタイ料理には、独特の味と香りがある。辛味はトウガラシによって加えられる。日本とは異なり生で使うのがほとんどである。うま味は、魚に塩を加えて発酵させたものの上澄み液である魚醤(ぎょしょう)(魚醤油(うおじょうゆ)、タイではナンプラーという)や、エビに塩を加えて発酵させたペースト状の蝦醤(かしょう)(カピ)によってつくられる。これらは、それぞれ日本のしょうゆ、みそにあたる。

 トムヤムクンは酸味と辛味の絶妙なバランスのスープである。具はエビとフクロタケタケノコ青菜などで、それにレモングラス、バイ・マックルー(コブミカンの葉)、ショウガ、ニンニク、パクチーコエンドロのタイ語名。中国語名はシャンツァイ)の根、タマリンド、トウガラシなどさまざまなスパイスを加え、最後にパクチーの葉を彩りに散らす。素焼きのポットに入れて出され、タイ米にかけて食べたりもする。

[田中伶子]

『繁盛店メニュー戦略編集部編『エスニック料理』(1988・同朋舎出版)』『梁超華著『アジア エスニック料理』(1992・柴田書店)』

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百科事典マイペディア 「トムヤムクン」の意味・わかりやすい解説

トム・ヤム・クン

タイの代表的なスープ。熱湯にすりつぶしたレモングラスとカフィルライムの葉を加えて煮て,エビや魚などの具を入れる。ナムプラーという魚醤油(魚醤)で味をつけ,ライムを絞り込む。好みコエンドロ香菜)の葉や小型のトウガラシを入れる。ココナッツミルクで味をつけたものもある。
→関連項目タイ料理

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「トムヤムクン」の解説

トムヤムクン【(タイ)】

タイ料理の一つで、えびの入ったすっぱくて辛いスープ。鶏のスープにえびの殻とレモングラス・バイマックルー・プリッキーヌ・カーなどの香辛料を入れて煮て、ナンプラー・マナオ(タイの果物でライムの一つ)の果汁・チリインオイルなどで味を調え、えびの身とふくろ茸を入れ、煮えたらパクチーを加える。◇「世界三大スープ」の一つ。世界三大スープは「ふかひれスープ」「ブイヤベース」と「トムヤムクン」が通説だが、異説もある。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

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