魚や貝に魚貝の内臓あるいは麹(こうじ)、食塩水を加えて発酵させ、材料中の酵素の分解作用によってつくられた調味料。魚(うお)しょうゆともいう。魚醤(うおびしお)から発展したもので、しょうゆと似た使い方をする。秋田県のしょっつる(塩汁。原料はハタハタ、イワシなど)、香川県のいかなごしょうゆ、北海道、石川県のいかしょうゆ、かきしょうゆなどがある。魚醤は東南アジアのメコン川流域が発祥地で、ベトナムのニョクマン(ヌクマム)、タイのナンプラー(原料はアジ、イワシ、サバ)などがその代表的なものである。製造の原理は、魚貝類に食塩を加えて腐敗を防ぎ、発酵が早く進むのを抑えながら、魚貝類に含まれている酵素、あるいは添加した麹の酵素の作用で、材料の魚貝類のタンパク質をアミノ酸に分解させる。製造には一般に1年以上かかる。一種特有の臭気をもつが、普通のしょうゆより濃厚なうま味をもち、鍋物(なべもの)に使うときなど、だし汁の役目も果たす。
[河野友美・山口米子]
『石毛直道、ケネス・ラドル著『魚醤とナレズシの研究――モンスーン・アジアの食事文化』(1990・岩波書店)』▽『太田静行著『魚醤油の知識』(1996・幸書房)』
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