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トリアージ とりあーじ

妊娠・子育て用語辞典の解説

とりあーじ【トリアージ】

災害・事故現場などで一時に大勢の負傷者が発生した時に、重症度によって治療の順番を決めることを言います。このような特殊な場合でなくても、現実には赤ちゃん・子どもの医療でも日常的に行なわれています。たとえば夜間救急では、まず看護師などが容態を聞き、緊急度を検討。緊急度の高い子から診察するようにしており、これも「トリアージ」なのです。後から来た子が先に診察を受けるケースがあるのも、こうした理由です。

出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(愛育病院院長)、子育て編:多田裕(東邦大学医学部名誉教授) 妊娠・子育て用語辞典について 情報

知恵蔵の解説

トリアージ

負傷者選別を意味する言葉で、阪神・淡路大震災で知られるようになった。救急需要が同時多発で起きる戦争や災害では医療資源を効率的に配分し、最大多数の人命を救うことを目指す。トリアージは負傷者を、(1)最優先治療、(2)非緊急治療、(3)軽処置、(4)不処置、に振り分ける。多量出血や気道閉塞で命に危険のある人を、助かる見込みのない患者や単純骨折など命に別状のない重傷者の治療に優先する。トリアージには荷札のようなトリアージタッグが用いられる。専門医が次々に患者の手首や足首に付ける。名前や年齢、血液型、簡単な症状を記入する欄があるが、多くの医療関係者が一目で分かるようカラー表示が一般的。

(田辺功 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

トリアージ

「選別」を意味するフランス語に由来する。災害や大事故の現場で災害派遣医療チーム(DMAT)などの医師や救急隊員らが、治療や救急搬送の優先順位を4段階で判断。赤(緊急治療)、黄(準緊急治療)、緑(軽傷)、黒(救命困難)のタグを負傷者らの手首につける。DMORTはトリアージなどの災害医療にあたることを想定しておらず、主に遺族らの心のケアを行う。

(2015-04-23 朝日新聞 朝刊 2社会)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

デジタル大辞泉の解説

トリアージ(〈フランス〉・〈英〉triage)

《「選別」「優先割当」の意》大災害によって多数の負傷者が発生した際に、現場で傷の程度を判定し、治療や搬送の優先順位を決めること。また、その役目。重傷者を優先的に処置し、現場の人材・機材を最大限に活用するために行われる。順位は、負傷者の総数、応急処置能力、医療機関の収容能力、搬送能力などを考慮し、状況に応じてそのつど判定される。→トリアージタグ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

家庭医学館の解説

とりあーじ【トリアージ】

 災害などで多数の負傷者が出たときに、緊急の手当を加えれば生命が助かる見込みのある負傷者よりも、生命にはまったく危険のない負傷者を先に治療したり、医療機関に搬送(はんそう)したりすれば、助かる命も助からないという事態がおこります。このようなことがおこらないように、治療や搬送の優先順位をつけて、負傷者を分類することをトリアージといいます。
 このトリアージでは、遺体や手当を加えても助かる見込みのない絶対予後不良者に対する救助活動は後回しということになりますが、非情なようでも、ひとりでも多くの人の生命を救うために、やむを得ない処置です。
 トリアージでは、ふつう、負傷者をつぎの4群に分類します。
●第1順位(最優先治療群)
 比較的簡単な手当で生命を救える重傷者。窒息(ちっそく)、緊張性気胸(きんちょうせいききょう)、心(しん)タンポナーデ、多発外傷、止血が可能な持続出血(じぞくしゅっけつ)、急性硬膜外血腫(きゅうせいこうまくがいけっしゅ)など。
 赤色のタッグをつける。
●第2順位(準救急治療群、待機治療群(たいきちりょうぐん))
 2~3時間、または数時間手当が遅くなっても生命に危険はないが、手術などのために入院が必要な負傷者で、ショックをおこしていない負傷者。脊髄損傷(せきずいそんしょう)、多発骨折(たはつこっせつ)、合併症のない大骨折、中等度の熱傷(ねっしょう)など。
 黄色のタッグをつける。
●第3順位(治療保留群)
 外来治療で対応できる軽傷者や歩行可能な人。小さいけが、打撲(だぼく)、小骨折など。救急車ではなく、バスなどで近くの医療機関への搬送が原則。
 緑色のタッグをつける。
●第4順位(不搬送群(ふはんそうぐん))
 明らかな遺体。多少の生命徴候はあっても、生命を救える見込みのない絶対予後不良者。高度の頭蓋骨(ずがいこつ)の変形と脳の脱出をともなう頭部外傷(とうぶがいしょう)など。黒色のタッグをつける。

出典 小学館家庭医学館について 情報

大辞林 第三版の解説

トリアージ【triage】

〔選別・分類の意〕
災害や事故などで同時発生した大量の負傷者を治療する際、負傷者に治療の優先順位を設定する作業。限られた医療資源で最大限の救命効果をもたらそうとするもの。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トリアージ
triage

災害時など,医療資源に対して多くの傷病者が存在する場合,治療の優先順位に応じて医療関係者が患者を分類すること。一般に,治療しても救命の見込みがない者,治療しなくても生命に別状がない者,救命治療を要する者に分類する。救命の見込みのある重症患者を優先して治療することで,不要不急な治療に時間をとられることを避け,最大多数の人命を救助することを目的とする。かぎられた資源で多くの負傷兵に対応する野戦病院で始められ,今日では災害時や伝染病流行時,救急救命室などで行なわれる。優先度は短時間の診察で判定されるため,緊急性が低いと判断された患者は,状態を定期的に再確認する必要がある。日本においては,1995年の兵庫県南部地震の教訓から,災害現場などでトリアージの結果を示すトリアージ・タッグが定められた。トリアージ・タッグは患者の手首などに装着され,ひと目で医療関係者が判断できるよう,色によって以下の四つのカテゴリを示す。(1) 最優先治療群(重症群) 赤,(2) 待機的治療群(中等症群) 黄,(3) 保留群(軽症群) 緑,(4) 死亡群 黒。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トリアージ
とりあーじ
triage

多数の負傷者が出る災害や事故、戦争などに際して救急隊員や医師が選別し、優先順位をつける行為。日本では1995年(平成7)の阪神・淡路大震災で広く知られるようになった。救急需要が同時多発し、搬送手段や治療に制限がある状態では、できる限り多くの人命を救うには医療資源を効率的に配分する必要がある。トリアージは負傷者を短時間で(1)最優先治療者、(2)非緊急治療、(3)軽処置、(4)不処置群に振り分け、荷札のようなトリアージタグ(トリアージタッグ)を次々に患者の手首や足首につけていく。タグには名前や年齢、血液型、簡単な症状を記入するが、多くの医療関係者が一目でわかるよう、赤、黄、緑、黒のカラー表示が一般的である。最優先の赤は出血多量や気道閉塞(へいそく)など生命の危険が迫っており、緊急に手術や処置をすれば助かる見込みがある患者であり、ほとんど死亡状態か救命不可能の超重症者は黒で、処置は後回しになる。
 2005年(平成17)のJR福知山線、2008年の東京・秋葉原の無差別殺傷事件などでも実施されたが、後者では救急車との連絡不十分から、最優先治療者の病院到着が遅れたなどの点で批判が出た。また、夜間や休日に軽症患者が集中する小児の二次救急病院でのトリアージ実施も計画されている。[編集部]
『佐々木勝監修、大渕信久・中島康・吉澤大編著『さくさくトリアージ――救急外来「ポケットマニュアル」』(2010・東京法令出版) ▽高橋功監修、玉川進編『消防職員のためのトリアージ』2訂版(2010・東京法令出版 )』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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