トリストラム・シャンディ(英語表記)The Life and Opinions of Tristram Shandy, Gentleman

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

トリストラム・シャンディ
The Life and Opinions of Tristram Shandy, Gentleman

イギリス小説家 L.スターンの小説。9巻で未完,1760~67年刊。主人公となるべきトリストラムの受胎から始るが,第3巻でようやく誕生,第6巻でズボンをはきはじめるといった具合で,その「生活」も「意見」もいっこうに語られず,代りに父親の饒舌と叔父トービーの模擬戦争で埋めつくされるという,18世紀前半でほぼ確立されたイギリス小説の定型を完全に無視した破天荒な作品。筋らしい筋もなく自由に連想を働かせることから,遠く 20世紀の「意識の流れ」小説の先駆をなすとする評者もいる。

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