ナイマン(英語表記)Naiman

精選版 日本国語大辞典 「ナイマン」の意味・読み・例文・類語

ナイマン

〘名〙 (Naiman) 一〇~一三世紀にアルタイ山脈地方およびその西方で活躍したトルコ系遊牧民。ジンギスカンに敗れ、一二〇四年西方に移るが、一二一八年蒙古に滅ぼされた。

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デジタル大辞泉 「ナイマン」の意味・読み・例文・類語

ナイマン(Naiman)

10~13世紀に、中央アジアアルタイ山脈地方で遊牧したトルコ系部族モンゴル軍によって1218年に滅亡

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改訂新版 世界大百科事典 「ナイマン」の意味・わかりやすい解説

ナイマン (乃蛮
)
Naiman

10,11世紀から13世紀初めにかけて,アルタイ山脈からイルティシ川に及ぶ地に住んでいた遊牧部族または遊牧国家の名。トルキスタンウイグルから文字その他の文化を受容し,また少なくともその支配者層はネストリウス派キリスト教を信じており,その東方ケレイトと並ぶ開明的で強力な部族であった。1204年チンギス・ハーンに討滅されたが,その際その文字や国制はモンゴルに影響を与えた。またこのとき同部の王子クチュルク西遼カラキタイ)にのがれ,のち西遼国を奪ったが,18年にモンゴル帝国の討滅軍によって捕殺された。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ナイマン」の解説

ナイマン
Naiman

10~13世紀に,アルタイ山脈からイルティシュ川にかけて遊牧していたトルコ系部族。王国を形成し,ネストリウス派キリスト教を信奉し,文字を使用した。1204年タヤン・カンチンギス・カン攻撃を受けて殺され,ナイマン王国は滅んだ。ナイマン王国の印章を管理していたタタトンガ捕虜となり,文書行政と印章の使用をモンゴル帝国に伝えた。王子クチュルクは,中央アジアに逃れ西遼を乗っ取るが,18年チンギス・カンの派遣した討伐軍に殺された。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ナイマン」の解説

ナイマン
Naimān

10世紀から13世紀にかけてアルタイ山麓で活躍したトルコ系遊牧民族
文字をはじめ,文化的には中国よりウイグルに近い。1204年チンギス=ハンに敗れて壊滅。クチュルクがカラ−キタイを討って一時復興したが,1218年滅亡し,オゴタイ−ハン国に吸収された。

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