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ヌーベル・バーグ nouvelle vague[フランス]

世界大百科事典 第2版の解説

ヌーベル・バーグ【nouvelle vague[フランス]】

フランス語で〈新しい波〉の意で,1950年代末にフランスで起こった新しい映画の動きがこの名で呼ばれ(英語ではnew wave),以来,〈新しい映画〉〈若い映画〉の代名詞となり,映画以外の分野でも革新的な動向や新しい世代をさして使われることがあるほど一般的なことばになっている。
[ヌーベル・バーグの誕生]
 そもそもは映画のための用語ではなく,週刊誌《レクスプレス》で1957年の9月から12月にかけてフランソワーズ・ジルーFrançoise Giroud(1916‐ )が行ったフランスの若者の生活と意見をめぐるアンケートにつけられた題名で,のちにこれは《ヌーベル・バーグ――フランスの青春群像》の題で1冊の本にまとめられた。

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世界大百科事典内のヌーベル・バーグの言及

【アバンギャルド】より

…その意味で最初の真のアバンギャルド映画作家はメリエスであり,次いでグリフィス,そしてフィヤード,ガンス,シュトロハイムであるとし,これら商業映画を作る以外の何ものもめざさなかった監督たちが今日の映画にもたらしたものはブニュエルやリヒターよりも少ないだろうかと喝破した。この主張がのちにフランスのヌーベル・バーグの基礎となったことは,ヌーベル・バーグの映画批評誌《カイエ・デュ・シネマ》がアバンギャルドとの対比を明確にするためにヌーベル・バーグを〈ヌーベル・ギャルド〉と呼んだことからも明らかである。また,たとえばルットマンがフリッツ・ラング監督《ニーベルンゲン第2部》(1922)の夢のシーンを,ダリがハリウッドでヒッチコックの《白い恐怖》(1945)の夢のシーンをそれぞれデザインし,またレジェがイギリスでW.C.メンジース監督のSF映画《来るべき世界》(1936)の衣装デザインを担当するなど,劇場用商業映画へのアバンギャルド作家の参加の例もあり,商業映画と広義のアバンギャルド映画を映画史の上で本質的に区分することは結局のところ困難といえよう。…

【ドイツ零年】より

…1946年に9歳で死亡した長男ロマーノにささげられ,冒頭に,イデオロギーというものは人間生活の基礎を形成する道徳とキリスト教の愛の永遠の戒律から逸脱すれば狂気となるにちがいない,という意味のエピグラフ・タイトルがあるとおり,廃墟と化した第2次世界大戦直後のベルリンを舞台に,ナチのイデオロギーの〈背徳的〉影響を受けた15歳の少年が,病弱な父を毒殺したあげく自殺するいきさつを描く。 だが,敗戦直後のベルリンの社会的現実をとらえ,〈ファシズムの社会的根源〉をさぐろうとしたこの〈抒情的ルポルタージュ〉は失敗に終わり,興行的にも成功せず,以後ロッセリーニは〈ネオレアリズモ〉に背を向けたといわれているが,フランスの〈ヌーベル・バーグ〉への影響は大きく,とくにフランソワ・トリュフォー監督の《大人は判ってくれない》(1959)は,トリュフォー自身も認めるように,《ドイツ零年》のもっとも直接的な血を引く作品である。【柏倉 昌美】。…

【トリュフォー】より

…58年,ジャン・ルノアール監督の《黄金の馬車(ル・キャロッス・ドール)》から名まえをとった映画製作会社レ・フィルム・デュ・キャロッスを興し,短編《あこがれ》を発表(以後,作品はすべてこの自分の会社によって製作し,作家の独立性を守った)。つづく《大人は判ってくれない》はカンヌでグランプリを受賞し,同じ年に監督デビューしたジャン・リュック・ゴダール,クロード・シャブロルらと並んで〈ヌーベル・バーグの旗手〉と騒がれた。第3作の《突然炎のごとく》で国際的な名監督という評価が定まり,以後はほぼ1年に1作のペースで作品をつくりつづけ,批評家時代に主張した〈作家の映画〉をみずから実践し〈フランス映画の中でももっとも人間的な共感を感じさせる監督の一人〉となった。…

【ヒッチコック】より

… ヒッチコックを世界最高の映画監督と評価し,ヒッチコック映画の神髄を究明した名著《映画術 ヒッチコック/トリュフォー》(1966)を出したフランスの映画監督フランソワ・トリュフォーによれば,〈ヒッチコック映画〉には《疑惑の影》(1943),《舞台恐怖症》(1950),《ダイヤルMを廻せ!》(1954),《サイコ》(1960)など殺人犯の末路を描いた系列と,《三十九夜》(1935),《私は告白する》(1952),《間違えられた男》(1957),《北北西に進路を取れ》(1959)など無実の罪で追われる人間の苦闘を描いた系列があり,そのほか《裏窓》(1954),《めまい》(1958),《鳥》(1963)などによって,それまで二流の映画のジャンルとみなされていたスリラー映画を〈もっとも映画的な〉ジャンルとしての高みにまでもち上げた。フランスの〈ヌーベル・バーグ〉世代にはとくに大きな影響をあたえたことは,トリュフォーをはじめクロード・シャブロルやエリック・ロメールといった監督が何よりもまずヒッチコック研究家であったことからもうかがえる。《ファミリー・プロット》(1976)を最後に53本の劇場用長編映画を残し,またテレビ映画シリーズ《ヒッチコック劇場》(1955‐62),《ヒッチコック・サスペンス》(1962‐65)も知られている。…

※「ヌーベル・バーグ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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