諮問調査ともいう。統計調査では通常、対象に対して直接観察を行う直接調査direct surveyが一般的であるが、アンケートは、本来的には、直接対象に対して観察を行うのではなくて、観察しようとする事柄について、すでに情報や知識をもっている少数の専門家に対して、知りたいことを諮問することによってその目的を達しようとする方法であり、一種の間接調査indirect surveyといってよい。具体的には自記式調査票を配布して意見を求める方法がとられる。最近では、調査対象はその領域について専門的知識を当然もっているということを前提に、自記式調査票を用いた調査を一般的にアンケート調査とよぶ場合も多くなってきている。
アンケートは古くはイギリスで、政府や公共機関の統計調査に対する補助的調査としてよく行われた。たとえば支出額を尋ねる家計調査の場合に、なぜその支出が増えたのかの理由を諮問したり、犯罪統計資料を専門家に示して、そうした傾向が出た理由は何かなどを諮問したのはこの例である。アンケートは、諮問事項が定性的なものである場合には、簡単な方法でありながら、なおかつ正確な情報がつかめるものとされ、最近では、ジャーナリズムの領域や市場調査でもよく用いられている。回答方法も、自記式で行われることが原則となっているが、往復葉書や電話が使われる場合もある。またインターネットのウェブや電子メールを利用したアンケート調査もみられる。
[鈴木春男]
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