翻訳|story
アメリカの法律家。合衆国連邦最高裁判所判事およびハーバード・ロー・スクール教授を歴任し,研究面でもアメリカ法の主要な分野で多大の功績をのこした。とくにその《法抵触論釈義》(1834)はアメリカにおいてはもとよりサビニーやフランスのフェリックス(1791-1853)を通してヨーロッパにも影響を与えた。サビニーおよびイタリアのマンチーニ(国際法の基礎ならびに国家統一の核として民族性の理念を提唱したことで著名)と共に近代国際私法学の形成に貢献した三大学者の一人とされる。その論の基本原理は,オランダのU.フーベルス(1636-94)の立場をほぼそのまま受容し,近世以降のヨーロッパの理論をも幅広く吸収したうえで英米の判例を整序・体系化した普遍主義的な国際私法論であり,アメリカではJ.ビール(1861-1943)の《法抵触論》(1935)が著されるまで1世紀にわたってその権威を独占してきた。
執筆者:秌場 準一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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