デジタル大辞泉 「ライフ」の意味・読み・例文・類語
ライフ(life)
2 一生。生涯。
3 生活。「
4 コンピューターゲームで、操作キャラクターの体力・生命力、乗り物の燃料などのこと。「
[類語]一生・人生・生活・一世・一代・今生・一期・生涯・終生・
週刊誌《タイム》を創刊したルースHenry R.Luce(1898-1967)が写真の時代の到来を見越して,1936年に創刊したアメリカの週刊雑誌。フォト・ジャーナリズムの雑誌として,アメリカの雑誌界に君臨し,ロバート・キャパのような,すぐれたフォト・ジャーナリストを数多く世に送り出した。しかし,テレビの時代が訪れると,他のマス・マガジンとともに広告収入をテレビに奪われ,予約購読者への郵送費の値上げも一因となって,72年ついに廃刊を余儀なくされた。しかしその後78年,月刊誌として復活,発行部数は133万部(1980)である。
執筆者:常盤 新平
1936年に創刊されたグラフ雑誌《ライフ》は,《フォーチュン》の編集次長で写真家としてすでに揺るぎない評価を得ていたマーガレット・バーク・ホワイト,ドイツのさまざまなグラフ雑誌で活躍しながらもナチスに追われてアメリカへやって来たアルフレッド・アイゼンシュテットAlfred Eisenstaedt,《タイム》のニュースカメラマンだったトマス・マッカボイThomas McAvoy,サンフランシスコ周辺で活躍していたピーター・スタックポールPeter Stackpoleの4人の写真を中心にしてスタートした。《ライフ》での写真は,単純な写真による解説やセンセーショナリズムを超え,対象やテーマへの深い理解と卓抜な解釈をもつものであることが求められ,そのような表現を実現するための一つの方法として,〈フォト・エッセー〉という形式が編みだされた。それは複数の写真の組合せとキャプションとにより,視覚的な解説以上にテーマの内面的な真実へと迫ろうとする試みであった。〈フォト・エッセー〉という新しい方法への意識の確立は,すでに1937年のアイゼンシュテットによる《ワッサー女子大学》という組写真に対する,編集者の〈エッセイストとしてのカメラ〉という解説にも示されており,のちレナード・マッコムの,地方からニューヨークへ来て働きながらファッション・モデルになることを夢みる一人の女性の日常を追った《グウィンド・フィリングの私生活》(1948),フランコ政権下で昔ながらの伝統的な生活をする寒村の人々を描いたユージン・スミスの《スペインの村》(1951),アメリカのアイルランド系移民たちの姿を撮ったドロシア・ラングの《アイリッシュ・カントリー・ピープル》(1955)など,50年代を中心にして数多くの傑作が生まれた。《ライフ》はこれらの写真によって,いわゆるニュース写真では知ることのできない〈日常的な世界の中の隠された真実〉を読者に伝え,フォト・ジャーナリズムの新しいあり方を打ち立てたということができよう。
→グラフ・ジャーナリズム
執筆者:金子 隆一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
アメリカのグラフ雑誌。1936年に『タイム』誌の生みの親H・R・ルースにより週刊誌として創刊された。世界のできごとを「見てそして楽しむために、見てそして驚くために、見てそして学ぶために」(創刊のことば)大きな誌面いっぱいの写真で報道した『ライフ』は、たちまち大人気を得るとともに、フォト・ジャーナリズムの方法論を確立、世界中の雑誌に大きな影響を与えた。しかし60年代に入り、テレビの普及に伴って大衆向け大部数雑誌の魅力が薄れるなかで、広告の流出を食い止めようと、いっそうの大部数獲得をねらって予約購読料金のダンピングを続けたため経営が悪化、さらに郵便料金の値上げや不況に追い討ちをかけられた。70年には号当り850万部(1955年には560万部)にまで伸びたが、72年ついに休刊。その後78年に、部数レベルを一段下げ、月刊誌として復活したが、売れ行きの落ち込みにより、2000年5月廃刊となった。その後、アメリカのタイム・ワーナー社の雑誌出版部門であるタイム社が、2004年10月から『ライフ』を新聞の折り込み誌として復刊した。これは、提携した新聞の毎週金曜日版に折り込まれる無料週刊誌という形をとっている。
[星川正秋]
『金平聖之助著『アメリカの雑誌企業』(1980・出版同人)』
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…写真が主体の場合はフォト・ジャーナリズムphoto journalismというが,両者の厳密な区別はされていない。また普通,英語国で《ライフ》や《ルック》などの類をさしていうことばはフォト・ジャーナリズムあるいはピクトリアル・ジャーナリズムpictorial journalismなどであり,グラフ・ジャーナリズムという語は用いられない。 18世紀中ごろから新聞にスケッチなどが版画の方法で印刷されることがあった。…
…それはいわゆるグラフ雑誌の出現である。アメリカの《ライフ》誌(1936創刊)を代表とする世界的なグラフ・ジャーナリズムの盛況は,多くの意欲ある写真家に活躍の場を与えるとともに,フォト・エッセイ,組写真といった写真ジャーナリズム独特の新しい手法・スタイルを生み出し,確立させていった。R.キャパ,M.バーク・ホワイト,E.スミス,H.カルティエ・ブレッソンといった写真家は,そのようななかから現れた写真家である。…
…雑誌などメディア企業の営利目的にともすれば侵されやすい表現者の権利を守る点でも,この集団は現代芸術の他領域にはるかにさきがけた国際的なはたらきをつづけている。日本ではおなじ36年にアメリカで創刊された《ライフ》の成功をまねて,朝日,毎日両新聞社などが刊行した写真雑誌やグラフ週刊誌が写真の効用を主導したために,写真の批評機能が社会的に確立するまでに多くの屈折を経ている。【荒瀬 豊】。…
…A.スティーグリッツらとともにフォト・セセッション運動を展開したホワイトClarence White(1871‐1925)の学校で写真を学び,卒業後すぐフリーランスで写真の仕事を始めた。1936年の《ライフ》創刊時の写真スタッフの一人であり,創刊号の表紙は彼女のフォートペックダムを撮った写真でかざられた。その後彼女は第一級のフォトジャーナリストとしてグラフ雑誌(グラフ・ジャーナリズム)を舞台に活躍する一方,夫でもあった作家E.コールドウェルとともに著作活動(共著として《You Have Seen Their Faces》(1937)など)も行っている。…
※「ライフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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