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ハンガリー文学 ハンガリーぶんがく Hungarian literature

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハンガリー文学
ハンガリーぶんがく
Hungarian literature

ハンガリー語で書かれた文学作品の総称。ハンガリーに現存する最古の文献は,11世紀中頃以降のラテン語によるキリスト教関係のもので,まもなく現れたハンガリー語による文献も,ラテン語から翻訳された宗教的な性質のものが多い。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハンガリー文学
はんがりーぶんがく

ハンガリー語(マジャール語)で書かれた初期の文献(12世紀末から15世紀ごろまで)はほとんど宗教的文書で、真の国民文学の歴史は16世紀の叙情詩ズリーニに始まる。18世紀のハンガリーオーストリアの統治下に入り、そのドイツ語化政策のため、国民文学は一時沈滞の傾向を示した。しかし、フランス革命の影響は、東欧の被支配民族の間に民族独立の気運をもたらし、とくに文学の面では新たな国民文学の勃興(ぼっこう)となって現れた。その先駆者には、劇作家ベッシェニェイ、詩人ベルジェニ、評論家カジンツィ、叙情詩人チョコナイらがある。19世紀の前半はハンガリー国民文学の黄金時代で、史劇のキシュファルディとカトナ、叙事詩のベレシュマルティら、民族主義的ロマンチシズムを代表する優れた文学者を輩出した。そのなかでのもっとも大きい存在は詩人ペテーフィで、彼の叙情詩は今日までハンガリー人のあらゆる階層に愛唱されているだけでなく、国際的にも広く知られている。
 ペテーフィが自ら参加して戦死を遂げた1848~49年の独立戦争は、ハンガリー側の敗北に終わる。その後のオーストリアの圧制下で、ハンガリーは文学の面でも前代の明るさを失い、悲劇的なテーマの作品が多くなった。この時期のおもな作家には叙事詩のアラニュやマダーチがあり、苦難の時代に国民文学の伝統を守り続けた。67年のオーストリア・ハンガリー和約でいちおうの自由を取り戻したハンガリーでは、多面的な小説家ヨーカイやミクサートが出て、その時代を反映した闊達(かったつ)な民衆性によって広く愛読された。このほか、劇作の方面でも、シグリゲティ、チキらの民衆喜劇が人気を博した。20世紀初めには、詩人アディを中心とする雑誌『西方』派に属する作家のバビッチ、コストラーニや、レアリズム文学のモーリツらがいて、両大戦間のハンガリー文壇に現代の西欧文芸思潮を導入し、若い世代に大きな影響を与えた。このほか戯曲家のモルナールが、国際的な人気作家として活躍し、その作品は欧米諸国や日本の劇団で上演された。
 第一次世界大戦直後にはクン・ベラの共産政権が成立し、ルカーチ、バラージュらの文化人もこれに参加したが、革命の失敗で国外に亡命した。両大戦間の時代には、前期の西方派作家たちのほか、カリンティ、マーライら多くの作家が活躍し、夭折(ようせつ)した詩人ヨージェフのような異才も出ている。第二次大戦後のハンガリーでは、この国の社会体制の変動に伴って、一時期は文学にもかなりの動揺がみられたが、その水準は戦前からの社会派作家ネーメト、イエーシュ、デーリや、文学史家ルカーチらの多面的な文筆活動によって保たれた。
 1960年代後半、ハンガリーは、ほかの東欧諸国に先駆けて、上からの自由化が進み、文学の面でも、社会体制のなかで葛藤する個人を描く作家、シャーンタSnta Ferenc(1927― )、フェイェシュFejes Endre(1923― )らの作品が次々に刊行された。また、戦前からの叙情詩人、ベレシュWeres Sndor(1913―89)を筆頭に、50年代に登場したナジNagy Lszl(1925―78)、叙事詩人ユハースJuhsz Ferenc(1928― )ら、詩の伝統も失われていない。
 最近のハンガリー文学は、前記の作家らとともに60年代に衝撃的な作品を発表し、その後も体制に抗して地下出版として作品を発表し続けた、社会派のコンラードKonrd Gyrgy(1933― )をはじめ、言葉と心理の乖離(かいり)を穿(うが)つように描くナーダーシュNds Pter(1942― )やポスト・モダンの旗手エステルハージEsterhzy Pter(1950― )、戯曲作家でもあるシュピローSpir Gyrgy(1946― )ら、多彩なものとなっている。[徳永康元・岩崎悦子]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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