古代インドで成立した四つの社会階層(バルナ)の一つで、農民、手工業者などの庶民階層。
四バルナ社会理論においては、再生族(学問を始める儀式であるウパナヤナ=入門式を受けることによって二度生れる者という意)とされ、一生族(ウパナヤナを受けないので一度しか生れない者の意)としてのシュードラから区別されたが、実際の社会において、両階層の間にどれだけの区別があったかという点については、かならずしも明確ではない。中世カースト制度においては、商人諸カーストのみがバイシャに属するとされ、農民や手工業者の諸カーストはすべてシュードラに属するとされた。
[小谷汪之]
インドのバルナ(種姓)制度で第3の庶民階級。《マヌ法典》などのインド古典では,農業,牧畜,商業に従事することが義務づけられている。バイシャという語は前期ベーダ時代にアーリヤ人の氏族,部族を意味した〈ビシュviś〉に由来する。つづく後期ベーダ時代に部族内部が階層分化し,司祭者(バラモン)と王侯・武士(クシャトリヤ)の両バルナが成立すると,農業,牧畜,商業に従事していた部族の一般民はバイシャとして位置づけられ,上位の両バルナを貢納によって支える義務を負わされた。しかし第4バルナのシュードラとは異なり,再生族(ドゥビジャdvija)の一員としてベーダの祭式に参加する資格を与えられている。後世,農業,牧畜に従事する庶民がシュードラとみなされるようになると,バイシャは主として商人階級をさす語となった。今日のカースト社会では,商人カーストの多くがバイシャに属する。
執筆者:山崎 元一
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…〈七つの丘の都〉と呼ばれる同市の地形は起伏が激しく,市街地には急な坂道が多い。官庁街に囲まれたテージョ河畔のユメルシオ広場(テレイロ・ド・パソ)から北のロシオ広場に至る東西300m,南北500mの地区はバイシャと呼ばれ,1755年の震災後再建された碁盤割りの整然とした市街地で,市内随一の商業地区。銀行,貴金属商が集中している。…
…正式名称=インドBharat∥India面積=328万7263km2(ジャンムー・カシミール(12万1667km2)を含む)人口(1996。ジャンムー・カシミールを含む)=9億5296万人首都=ニュー・デリーNew Delhi(日本との時差=-3.5時間)主要言語=ヒンディー語(公用語),英語(準公用語),テルグ語,アッサム語,マラーティー語,ベンガル語,タミル語など憲法にあげられている17の地方の公用語通貨=ルピーRupee国名はヒンディー語ではバーラトBharatという。…
…インドではカースト集団を〈生まれ(を同じくする者の集団)〉を意味するジャーティjātiという語で呼んでいる。 一方,日本ではカーストというとインド古来の四種姓,すなわち司祭階級バラモン,王侯・武士階級クシャトリヤ,庶民(農牧商)階級バイシャ,隷属民シュードラの意味に理解されることが多い。インド人はこの種姓をバルナvarṇaと呼んできた。…
…(2)クシャトリヤ 政治や戦闘による人民保護。(3)バイシャ 農業,牧畜,商業,金貸。(4)シュードラ 隷属的労働や手工芸による上位3バルナへの奉仕。…
※「バイシャ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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