ブラジル北東部で生まれたダンス音楽。英語ではbaion。もともとは民俗音楽だが,ペルナンブコ州出身のアコーディオン奏者ルイス・ゴンザーガLuiz Gonzaga(1912-89)が,1945年以降,ダンス音楽として流行させた。50年代に入ると流行は世界的となり,52年にアメリカのパーシー・フェース楽団が吹き込んだバイヨン・リズムの《デリカードDelicado》(ブラジルの作曲家ワルジール・アゼベード作曲)がヒットし,また,バイヨンにアレンジしたブラジル北東部の民謡を主題歌とするブラジル映画《野性の男O Cangaceiro》が53年のカンヌ映画祭で音楽賞を受賞した。バイヨンのリズムは2拍子で,と跳ねる感じが特徴。50年代のアメリカのポピュラー・ソングにも,ザ・ドリフターズの《ラストダンスは私にSave The Last Dance For Me》(1960)など,バイヨンのリズム感を取り入れたものはかなり多い。
執筆者:中村 とうよう
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…そしてジャヤバルマン7世(在位1181‐1202)の時に,今日に残存する城壁が造られたのである。 この城壁内で一番大切な建造物は,ちょうど真ん中に建つバイヨンである。ジャヤバルマン7世によって建立されたもので,当時の都の中心山寺であった。…
…さらに近隣諸国を制圧し,北はラオスのビエンチャン付近から南はマレー半島北部まで,西はメナム川上流域まで席巻し,インドシナ半島の中央部をその勢力範囲とした。都城アンコール・トムの中心寺院バイヨンには,4面の観世音菩薩の大慈顔が塔堂に付けられ,王を神格化した特別な仏像〈ブッダ・ラージャ(仏即王)〉が中央祠堂に祀られていたという。タ・プローム,プリヤ・カンなど,ほかにも多くの寺院を建立し,美術史上バイヨン様式といわれる。…
※「バイヨン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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