百科事典マイペディア 「バッサーニ」の意味・わかりやすい解説
バッサーニ
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イタリアの作家。ボローニャ生まれ。ファシズム期には反政府活動により投獄され、ユダヤ人としても迫害を受けた。二重の意味で弾圧されたこの暗く重い体験が彼の文学の特異な色調を決定づけており、作品の基盤には、幼年期から青年期までを過ごしたフェッラーラのブルジョア・ユダヤ人共同体がつねに据えられている。短編集『フェッラーラの五つの物語』(1956)、長編小説『フィンツィ‐コンティーニ家の庭』(1962)、『鷺(さぎ)』(1968)などが主要作品であるが、詩集『ガラス窓の夜明け』(1963)、評論集『用意された言葉』(1966)、『心の向こうに』(1984)なども、彼の文学活動の重要な支柱である。ただし、文学的責務に欠ける作品としてE・ビットリーニが断罪したG・トマージ・ディ・ランペドゥーザの長編小説『山猫』(1958)を、バッサーニが絶賛して世に送り出した事件は、彼の文学を評価するうえで、一つの大きな尺度になるであろう。
[鷲平京子]
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