バラカ

大辞林 第三版の解説

バラカ【barakah】

〔祝福の意〕
イスラム教で、預言者や聖者にアッラーが授ける超人的能力。

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世界大百科事典 第2版の解説

バラカ【baraka】

アラビア語で〈祝福〉を意味するが,神が預言者たち,および聖者たちに与えた超人的能力を指して用いられる語。とくにイスラム神秘主義の教義と結びつき,生存中だけでなく,死後にもその力は存続すると考えられ,ムハンマドや聖者たちの墓石,その囲い,遺体や遺品にバラカがあると信じられ,その力に触れることにより,一般信徒にもろもろのよき効能が及ぶとしてありがたがられた。マザール【堀内 勝】

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バラカ
Baraka, Amiri

[生]1934.10.7. ニュージャージー,ニューアーク
[没]2014.1.9. ニュージャージー,ニューアーク
アメリカ合衆国の詩人,劇作家。本名 Everett Leroy Jones。別名 Imamu Amiri Baraka。政治活動家でもあり,白人優位社会でのアメリカの黒人の経験と抑圧された怒りを表現した挑発的な作品を世に送り出した。1953年ハワード大学卒業後,空軍に入隊したが,共産主義とのかかわりを疑われ 3年後に不名誉除隊となった。コロンビア大学で学び,詩誌『ユーゲン』Yugenを創刊,多くのビート・ジェネレーションの作家の作品を掲載した。1950年代後半リロイ・ジョーンズ LeRoi Jonesの名で執筆を始め,1961年に初の詩集 "Preface to a Twenty Volume Suicide Note"を発表した。初の戯曲『ダッチマン』Dutchman(1964,1967映画化)で,黒人知識人男性と彼を殺害する白人女性の列車内での対立を描き,1964年オビー賞を受賞した。1965年のマルカムXの暗殺を機にブラック・ナショナリズムに傾倒しニューヨークのハーレムに移住,そこでブラック・アーツ・レパートリー・シアターを設立した。1968年アミリ・バラカと改名。1970年代半ばにマルクス主義に転向すると,同性愛嫌悪や反ユダヤ主義の傾向が強まった。コロンビア大学とエール大学で教鞭をとり,1979年以降ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で黒人学の名誉教授を務めた。2001年,詩 "Somebody Blew Up America"においてアメリカ同時テロに対するイスラエル側の事前の事件把握をほのめかし,ニュージャージー州の桂冠詩人の栄誉を剥奪された。ほかの著作に『ブルース・ピープル―白いアメリカ,黒い音楽』Blues People: Negro Music in White America(1963)などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バラカ
ばらか
Amiri Baraka
(1934―2014)

アフリカン・アメリカン(黒人)の詩人、劇作家、批評家。ニュー・ジャージー州生まれ。誕生名エバリット・リロイ・ジョーンズEverett Leroy Jones。ハワード大学退学後、空軍勤務。除隊後の1957年ニューヨークのグリニジ・ビレッジへ。アレン・ギンズバーグらビート世代の詩人サークルに加わり、本格的に詩作を始める。1958年白人女性ヘティ・コーエンHettie Cohenと結婚。ビート世代の前衛的な詩に影響を受けた独自の詩を収めた『20巻の自殺ノートの序文』Preface to a Twenty Volume Suicide Note(1961)で本格的に文壇デビュー。1960年キューバ訪問の際、芸術は政治的でなければならないと痛感。革命家を目ざす黒人青年詩人が白人のアメリカを象徴する白人女性に殺される戯曲『ダッチマン』Dutchman(1964)がオフ・ブロードウェイで上演され、オービー賞を受賞、一躍注目をあびる。1960年代の一連の人種差別的できごとや事件を経験するなかで、ビート世代の白人文化を拒絶、黒人民族主義者となりつつあったが、1965年のマルコム・エックスの暗殺が決定的な契機となり、ヘティと離婚、拠点をハーレムに移し、名前もイスラム的にイマム・アミール・バラカImamu Ameer Baraka、のちにアミリ・バラカと改名。黒人女性シルビア・ロビンソンSylvia Robinsonと結婚。ブルースとジャズを基にした、完全に黒人独自の詩を探求した。1970年代には偏狭な黒人民族主義を拒否して、マルクス主義を信奉するようになり、第三世界に目を向けつつ世界の革命を目ざす社会主義者となる。1980年の「伝統の中で」In the Traditionは、マルクス主義と黒人の口承伝統、音楽の伝統とを結び付けて、まったく新しい形式をつくったマルクス主義ジャズ詩である。1980年代には黒人民族主義特有の性差別主義をも超えた。このように、バラカと彼の作品の変化は、1940年代以降の黒人美学の進展とぴったり平行しているが、多作な彼の全作品は、ことばに、またことばで革命を引き起こすことに捧げられている、といえる。[佐川愛子]
『リロイ・ジョーンズ著、上林澄雄訳『ブルースの魂――白いアメリカの黒い音楽』(1985・音楽之友社)』

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