バラック

デジタル大辞泉 「バラック」の意味・読み・例文・類語

バラック(barrack)

兵舎。営舎。特に、駐屯兵のための細長い宿舎
急造の粗末な建物仮小屋
[類語]小屋あばら屋廃屋廃家襤褸屋ぼろや茅屋陋屋ろうおく

ばら‐つ・く

[動カ五(四)]
雨やあられなどが少し降ってくる。「にわか雨が―・く」
ふぞろいである。「クラスによって成績が―・いている」

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精選版 日本国語大辞典 「バラック」の意味・読み・例文・類語

ばら‐つ・く

  1. 〘 自動詞 カ行五(四) 〙 ( 「つく」は接尾語 )
  2. 雨や霰(あられ)などがばらばらと降ってくる。
    1. [初出の実例]「秋もはやはらつく雨に月の形(なり)芭蕉〉」(出典:俳諧・芭蕉翁追善之日記(1694))
  3. ばらばらに乱れ散る。ばらばらになる。また、あちらこちらにある。
    1. [初出の実例]「かみの品(しな)もばらつき、えもん行儀もみだるる事はやし」(出典:浮世草子・男色十寸鏡(1687)下)
    2. 「顔にばらつく乱れ髪」(出典:浄瑠璃・吉野都女楠(1710頃か)一)
  4. ふぞろいである。また、測定値の大きさが一定しないで、不規則に分布する。「収穫量が年によってばらつく」

バラック

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] barracks )
  2. 仮設の兵舎。特に駐屯兵のための細長い宿舎。
    1. [初出の実例]「同省より韓地仁川へ向け、バラック(仮営舎なり、是は昨今の暑気にて天幕にては凌ぎ難(かね)るが故なるべし)と猶二大隊分の兵糧其他の物件を」(出典:東京日日新聞‐明治一五年(1882)八月四日)
  3. ありあわせの材料を用いて作った粗末な小家屋。仮小屋。
    1. [初出の実例]「更に数棟のバラックを建設し」(出典:風俗画報‐二三四号(1901)予防工事の経営画策)

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改訂新版 世界大百科事典 「バラック」の意味・わかりやすい解説

バラック
barrack

本来は兵隊のための宿舎,とくに駐屯兵のための細長い宿舎を意味する。それが転じて,火災地震水害,あるいは戦争などで,家屋が焼けたり破壊されたりした際に,ありあわせの材料を用いて作った一時しのぎのための小屋を指すようになり,さらには,比喩的に粗末な住宅一般をも意味するようになった。このことばが一般化したのは,1923年9月1日に起こった関東大震災で瓦礫(がれき)の山と化した東京の都心に,人々が崩壊家屋の廃材などを組み合わせて建てた粗末な小家屋をバラックと呼ぶようになってからである。なお,第2次世界大戦後,日本の大都市の焼土に建ち並んだ急ごしらえの小屋もまたバラックと呼ばれた。
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