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パニック パニック panic

翻訳|panic

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デジタル大辞泉の解説

パニック(panic)

恐慌(きょうこう)2
災害など、思いがけない事態に直面した際に群衆が引き起こす混乱状態。「事故直後、乗客がパニックにおちいる」
[補説]書名別項。→パニック

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百科事典マイペディアの解説

パニック

株式相場の暴落,銀行の取付け,手形の不渡,倒産,大量失業など,恐慌に伴って起こる混乱現象。恐慌と同義にも使用。語はギリシア神話の半獣神パンにちなむ。

パニック

経済学では〈経済恐慌〉のことだが,一般には心理的かつ社会的な混乱をパニックと呼んでいる。社会学的に狭義には,一定の心理的混乱に導かれた集合逃走を指す。不確かな状況に遭遇して生じた不安感が,絶対的脅威に対する恐怖に転化してヒステリー的信念を生み出すという。
→関連項目パン

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世界大百科事典 第2版の解説

パニック【panic】

経済学では〈経済恐慌〉を意味するが,社会学や心理学では不特定多数の群衆が引き起こす〈集合行動collective behavior〉の一種をパニックと呼んでいる。ギリシア神話における羊や牛の守護神パンPanに起源をもつ。狭義には危険からの無目的な逃走を指し,たとえばスメルサーN.Smelser(1930‐ )は〈ヒステリー的信念にもとづく集合的逃走〉,またブラウンR.W.Brown(1915‐ )は〈感情的で非合理的な逃走反応〉と定義している。

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大辞林 第三版の解説

パニック【panic】

強い恐怖・不安・驚きなどにより陥る混乱状態。
恐慌。経済恐慌。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パニック
ぱにっく
panic

経済用語としては恐慌のこと。社会心理学では乱衆とよばれる。劇場の火事でわれ先に非常口に殺到する観客、物不足の怪情報に踊らされてスーパーマーケットに押し寄せる主婦などにみられるように、人々の日常生活を脅かす現実の、あるいは想像上の危険ないし危機に直面して、その処理や解決の手段・方法が極度に制約されているとか、ルーティーン化された制度的役割行動が有効性を失うと予想されるために、衝動的、非合理的性格の強い回避、逃走、獲得などの集合行動を同時集中的に引き起こす、有効な統制・規制のとれない群衆なだれや社会的な混乱などの異常事態をいう。多くの場合、予期しない突発的なできごとや事件が引き金になって発生するが、パニック現象の基底に、生命や財産の安全性への人々の潜在的な不安や恐怖が通例存在することを忘れてはならない。こうしたできごとや事件の情報回路として、マス・メディアは今日きわめて重要な役割を担っている。
 1938年10月、火星人襲来をテーマにしたオーソン・ウェルズ脚色のラジオドラマは、少なくとも100万のアメリカ人をパニック状態に陥れたといわれている。このパニックを調査研究した社会心理学者H・キャントリルは、批判能力がパニック行動への重要な歯止めであると指摘し、さらに聴取者のパーソナリティー特性とラジオの聴取状況とが批判能力の効果的な働きに深く関連していたと述べている。確かに教育による批判能力の育成と強化は「パニック行動への最良の予防策」であるとしても、社会的なパニック現象の場合、人々の潜在的な不安や恐怖を醸成する政治、経済、文化の生活諸領域における矛盾やひずみが根本的に解消されない限り、パニックはふたたび繰り返されるであろう。災害社会学や災害心理学の発展とともに、不可抗力な災害時に憂慮されるパニック現象へのリスク管理的視点からの研究関心が高まっている。[岡田直之]
『H・キャントリル著、斎藤耕二・菊池章夫訳『火星からの侵入――パニックの社会心理学』(1971・川島書店) ▽宮本悦也著『パニック学入門――残像を殲滅せよ』(1971・時事通信社) ▽N・J・スメルサー著、会田彰・木原孝訳『集合行動の理論』(1973・誠信書房) ▽大原健士郎編・解説『パニック』(『現代のエスプリ』128号・1978・至文堂) ▽高橋郁男著『パニック人間学』(1982・朝日新聞社) ▽J・P・ペリーJr.、M・D・ピュー著、三上俊治訳『集合行動論』(1983・東京創元社) ▽安倍北夫著『パニックの人間科学――防災と安全の危機管理』(1986・ブレーン出版) ▽釘原直樹著『パニック実験――危機事態の社会心理学』(1995・ナカニシヤ出版) ▽藤竹暁著『パニック――流言蜚語と社会不安』(日経新書) ▽安倍北夫著『パニックの心理――群衆の恐怖と狂気』(講談社現代新書)』

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世界大百科事典内のパニックの言及

【恐慌】より

…資本主義的商品経済にしばしばくり返されてきた経済的な攪乱(かくらん),麻痺(まひ),破綻(はたん)状態を指す。原語に2系統あり,そのうち,クライシスはもともとは病気の危機的峠を意味し,パニックはギリシア神話の牧神パンの気まぐれのひきおこす狼狽(ろうばい)を意味していた。それゆえ,パニックは資本主義経済の市場機構に生ずる急性的崩壊現象にあてはまり,クライシスはそれをも含めより構造的な経済危機に妥当する用語であって,恐慌という訳語は,文脈によってその両方の事象を含みうる。…

【パン】より

…彼は山野に美少年やニンフを追いかける好色な神とされ,彼の発明した楽器で常時携えて吹き鳴らすシュリンクスSyrinx(パンパイプとも呼ばれる葦笛)も,かつては彼の追跡を逃れようとして葦に変容した同名のニンフであったという。彼はまた牧人や家畜にえたいのしれない突然の恐怖(英語パニックの語源)を送ることでも知られるが,その原因は彼の昼寝を妨げて怒らせることにあると考えられた。のちにローマ第2代の皇帝ティベリウスの治世に,イオニア海のパクソス島付近でなぎにあった船のタムスという名の舵取りに〈大いなるパンは死せり〉と叫ぶ声があり,これを聞き及んだ皇帝は学者たちに命じてこの神の調査にあたらせた,とプルタルコスが伝えている。…

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