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パラノイア paranoia

翻訳|paranoia

デジタル大辞泉の解説

パラノイア(paranoia)

内因性の精神病の一型。偏執的になり妄想がみられるが、その論理は一貫しており、行動・思考などの秩序が保たれているもの。妄想の内容には、血統・発明・宗教・嫉妬(しっと)・恋愛・心気などが含まれ、持続・発展する。偏執病。妄想症。

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百科事典マイペディアの解説

パラノイア

偏執病(へんしゅうびょう)ともいう。妄想(もうそう)を主徴とする精神病で,情動・意志面の障害は少ない。多様な定義があり,たとえばE.クレペリンは,内因性に発病し,慢性に発展する妄想体系を示し,それ以外の症状や人格変化を全くきたさない疾患であるとした。

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家庭医学館の解説

ぱらのいあ【パラノイア】

 強固で体系化した妄想(もうそう)が持続するものをいいます。
 妄想の内容は被害妄想(ひがいもうそう)、誇大妄想(こだいもうそう)、恋愛妄想(れんあいもうそう)(ある人から愛されているという妄想)などいろいろで、1つのテーマの妄想をもとにして、周囲の出来事をどんどんそれに関係づけていき、妄想が広がっていきます。妄想に基づいて、訴えをおこしたり、人とトラブルをおこすことも少なくありません。
 妄想以外では、話はまとまっており、人格(コラム「人格とは」)の水準もさほど低下しておらず、ふつうに生活や仕事をしている人がたくさんいます。統合失調症の妄想型の1つとも考えられますし、統合失調症とは別の病気であるという考え方もあります。

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世界大百科事典 第2版の解説

パラノイア【paranoia】

精神障害のうち,体系的な妄想観念で終始する病態で,それゆえ〈妄想症〉と訳される(以前は〈偏執病〉の語も用いられた)。ただし,語源的には,パラpara(錯誤)+ヌースnous(精神)で,古代ギリシアでは狂気一般を指す言葉として用いられた。18世紀後半には体系的妄想を伴うすべての精神障害パラノイアに含められたが,その後,概念はしだいに狭まって,クレペリンにいたり〈内的原因から発生し,思考,意志,行動の秩序と明晰さが完全に保たれたまま,徐々に発展する揺るぎない妄想体系〉と定義される。

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大辞林 第三版の解説

パラノイア【Paranoia】

妄想が内的原因から発生し、体系的に発展する病気。その他の思考・行動には異常がみられず、人格の荒廃もきたさないのが特徴。四〇歳以上の男性に多い。以前は偏執病とも呼ばれた。妄想症。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パラノイア
ぱらのいあ
paranoia

偏執病、妄想症ともいわれ、頑固な妄想のみをもち続けている状態で、その際に妄想の点を除いた考え方や行動は首尾一貫しているものである。
 幻覚、とくに幻聴は伴わず、中年以降に徐々に発症し、男性に多い。妄想の内容は、高貴な出であると確信する血統妄想、発明妄想、宗教妄想などの誇大的内容のものをはじめ、自分の地位・財産・生命を脅かされるという被害(迫害)妄想、連れ合いの不貞を確信する嫉妬(しっと)妄想、不利益を被ったと確信して権利の回復のための闘争を徹底的に行う好訴妄想、身体的な異常を確信している心気妄想などがある。一般には、自我感情が高揚して持続的な強さや刺激性を示している。
 パラノイアを独立疾患とみる立場と、統合失調症の一類型とみる立場、あるいは一定の素質と生活史や状況から理解できるという立場などがあって、今日なお一定した見解はない。
 なお、パラフレニーparaphreniaは妄想だけでなく幻覚も伴うもので、人格の崩れの比較的少ないものをいい、多くは統合失調症に含まれている。[保崎秀夫]
『保崎秀夫著『幻覚』(1999・ライフサイエンス)』

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世界大百科事典内のパラノイアの言及

【ガウプ】より

…ウェルニッケ,ついでクレペリンに師事したのち,1906年からチュービンゲン大学の主任教授をつとめた。業績のなかではパラノイア研究が有名で,14年〈教頭ワーグナー〉の名で知られる大量殺人犯の精神鑑定を担当し,長期間にわたるその分析をもとに,パラノイアの妄想が特定の人格構造と特定の体験から心理的・了解的に発展することを説いて,人格反応としてのパラノイアの考え方を定着させた。第1次大戦後,器質性か心因性かで論争の的だった戦争神経症についても,外傷ヒステリーの説をつらぬき,神経症の心因論確立に力をつくした。…

【教頭ワーグナー】より

…本名はエルンスト・ワーグナーErnst Wagner。パラノイアの妄想から大量殺人を犯した世界犯罪史上でも有数の症例。ドイツのエグロスハイムで貧農の子として生まれ,苦学して小学校の助教員になる。…

【投射】より

…例えば,ある人に対し,敵意なり,逆に恋愛感情なりをもっていて,そのような自分の気持ちを認めたくないとき,その敵意や恋愛の感情は自己の中では抑圧され,相手に投射されて,あたかも相手が自分を憎んでいる,あるいは愛していると感じるメカニズムである。疾病においては,パラノイアや恐怖症成立のメカニズムとして説明できる。ハイミスにみられる妄想反応としての被愛妄想は,彼女自身の愛情欲求の投射であろうし,人の視線を恐ろしいものと感じとる正視恐怖の裏には,周囲の世界に対する攻撃性の投射をみることができる。…

※「パラノイア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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