被害妄想(読み)ひがいもうそう

四字熟語を知る辞典の解説

被害妄想

他人が自分に危害を加えている、あるいは加えられるのではないかという妄想

[使用例] 河童に掴まることを恐れている被妄想[芥川龍之介*河童|1927]

[使用例] それにしてもちょっと被害妄想がひどいんじゃないかな[円地文子*秋のめざめ|1957~58]

[解説] 精神疾患によって起こる妄想の一つ。「妄想」は病的な原因によって生ずる誤った判断・確信などをいい、「もうぞう」ともいいます。

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百科事典マイペディアの解説

被害妄想【ひがいもうそう】

妄想の一種。特定または不特定の他者が自分に危害を加えると信じこみ,そのような事実はないと説得されてもその非合理性を訂正し得ない。統合失調症精神分裂病)に多くみられ,迫害妄想,関係妄想,嫉妬(しっと)妄想などもこれに属する。
→関連項目アダルト・チルドレン覚醒剤

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

被害妄想
ひがいもうそう

臨床的にもっとも多くみられる妄想で、さまざまな精神病に出現するが、代表的なものが精神分裂病(統合失調症)の妄想型である。自分の生命や財産などが何者かに脅かされているといった被害を主題とする妄想で、迫害妄想とほとんど同義である。

[編集部]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ひがい‐もうそう ‥マウサウ【被害妄想】

〘名〙 (古くは「ひがいもうぞう」) 他人が自分に対して危害を加えている、また、加えた、という妄想。精神疾患の際にみられる。
※河童(1927)〈芥川龍之介〉九「雌の河童に掴まることを恐れてゐる被害妄想(ヒガイマウザウ)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

被害妄想
ひがいもうそう
delusion of injury

自己と他人との社会的な関係のなかで,他者あるいは知ることのできない力などに迫害され,苦しめられると信じている妄想。被害妄想のなかには迫害,注視追跡,関係,嫉妬,物理的被影響,つきもの,好訴などの妄想が含まれる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひがいもうそう【被害妄想 delusion of injury】

害を加えられる,苦しめられる,責められるというような被害を主題にした妄想。〈迫害妄想delusion of persecution〉もほぼ同義に用いられる。周囲のなんでもないできごとを脅かしや迫害のしるしととり,他人の言葉や態度に悪意やあてつけを感じる。また悪口やうわさをいいふらされる,監視されていると思う。さらに進むと,犯罪者として追及される,何か陰謀がたくらまれている,自分を殺そうとしているなどと解釈するにいたる。

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世界大百科事典内の被害妄想の言及

【精神分裂病】より

…現存在分析を創始したスイスの精神医学者ビンスワンガーの主著で,1957年に単行本の形で刊行された。5例の精神分裂病のくわしい症例研究からなるが,30年代に著者が独自の人間学的方法を確立したのち,数十年にわたる臨床活動の総決算として44年から53年にかけて集成したもの。ここでは,分裂病は人間存在に異質な病態としてではなく,人間から人間へ,現存在から現存在への自由な交わりをとおして現れる特有な世界内のあり方として記述される。…

※「被害妄想」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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