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パリス Paris, (Bruno Paulin) Gaston

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パリス
Paris, (Bruno Paulin) Gaston

[生]1839.8.9. アブネ
[没]1903.3.6. カンヌ
フランスの文学研究者。ドイツのゲッティンゲン大学,パリの古文書学校に学び,ドイツ文献学の方法と該博な知識を駆使して中世文学研究に新紀元を画した。 1872年コレージュ・ド・フランス教授。同年 P.メイエとともに雑誌『ロマニア』 Romaniaを創刊。主著『聖アレクシ伝研究』 Vie de Saint Alexis (1872) ,『中世フランス文学』 La Littérature française au moyen âge (88) 。

パリス
Paris, Matthew

[生]?
[没]1259
イギリスの修道士,年代記作者。1217年セントオールバンズ修道院の修道士となり,1248年ニダルホルム島のセントベネトホルム修道院の改革のためノルウェーに派遣された。ロジャーの『年代記』(『歴史の華』Flores historiarum)を改訂,1235~59年の記事を増補し,『大年代記』Chronica majoraを編集。ほかに『イギリス史』Historia Anglorumの著述がある。

パリス
Paris

アメリカ合衆国,ケンタッキー州北部の都市。州都フランクフォートの東方約 55kmに位置する。 1775年入植。初めブルボンタウンと呼ばれたが,独立戦争時のフランス人の援助に感謝して,90年現在の市名に改称バーボンウイスキーが最初につくられたところとしても有名。農産物農業機械など農業を基礎にした産業が発達。人口 8730 (1990) 。

パリス
Paris

アメリカ合衆国,テキサス州北東部の都市。 1845年入植,76年の鉄道開通後発達した。綿花,酪農地帯を控えた取引の中心地。食品,家具,皮革製品の生産も盛ん。人口2万 4699 (1990) 。

パリス
Paris

アレクサンドロスともいう。ギリシア神話の人物。トロイプリアモスヘカベの息子。生れるとすぐ王国滅亡の元凶になると予言され,山中に捨てられたが,羊飼いらに育てられたのち,プリアモスに彼の息子として認知された。3人の女神ヘラアテナアフロディテが「美」を争ったとき,審判を命じられたが,美女ヘレネとの結婚を約束したアフロディテに美の勝利を与えた。ヘレネはすでにスパルタ王メネラオスの妻であったが,パリスは女神の助けを得て彼女をトロイに連れ帰り,これがトロイ戦争の起因となった。メネラオスとの一騎打ちでは危ういところを女神に助けられ,のち不死身のアキレウスの唯一の急所であるかかとを矢で射て死にいたらしめたが,彼もピロクテテスに射られた矢傷がもとで死んだ。

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百科事典マイペディアの解説

パリス

ギリシア伝説のトロイア王子。プリアモスヘカベの子。赤子のとき,国を滅ぼす者と予言されて遺棄されたが,羊飼いに育てられ,のち王宮に帰る。ヘラ,アテナ,アフロディテの美の判官となり,アフロディテに勝利を宣して世界一の美女,スパルタ王妃ヘレネを得たことからトロイア戦争が起こった。
→関連項目アフロディテエリスフィロクテテス

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世界大百科事典 第2版の解説

パリス【Paris】

ギリシア伝説で,美貌のトロイア王子。プリアモスとヘカベの子。アレクサンドロスAlexandros(〈人の守り〉の意)ともいう。誕生時,この子は将来,国を滅ぼすだろうとの予言があったため,イダ山中に捨てられたが,羊飼いに拾われて育ち,成人後,王子として認知された。のち,最も美しい女神の誉れをめぐるヘラ,アテナ,アフロディテ3女神の争いの審判をゼウスに命じられたとき,世界一の美女との結婚を約束したアフロディテに勝利を宣した彼は,それまで妻としていたニンフのオイノネOinōnēを見捨て,女神の加護のもとにスパルタ王メネラオスの后ヘレネを誘拐した。

パリス【Matthew Paris】

?‐1259
イギリスの修道士,史料編纂士(ヒストリオグラファー)。すでに13世紀前半にイギリスの写本は,その制作の中心が世俗工房に移行しつつあったが,彼はセント・オールバンズのベネディクト会修道院で制作に携わった。写本画家としては,個人様式を決定しうる資料を有する初期の作家の一人で,緑,青,赤等を用いた淡彩ぼかし描法,まろやかな輪郭線,堅固な形体による人物形象を特色とする。代表作は《大年代記》《オッファ王列伝》《イギリス小史》など。

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大辞林 第三版の解説

パリス【Paris】

伝説上のトロイアの王子。ヘラ・アテナ・アフロディテが美を競った時、その判定者となり、アフロディテを最高とした。その報賞としてスパルタ王妃ヘレネを連れ去り、トロイ戦争の発端をつくった。

パリス【Gaston Paris】

1839~1903) フランスの文学史家。ドイツ文献学を基盤とする実証主義文献学により、中世フランス文学を研究、多くのすぐれた著書を著した。主著「シャルルマーニュ時代詩歌史」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パリス
ぱりす
Paris

ギリシア神話のトロヤ伝説に現れる英雄。トロヤ王プリアモスの子で、アレクサンドロスともよばれ、その神にも似た美しい容姿は有名であった。彼はやがて国を滅ぼすもとになるであろうとの夢占いから、生まれるとすぐイデ山中に捨てられた。そして羊飼いとして育てられたパリスは、美貌(びぼう)もさることながら武勇にも優れた青年に成長する。ペレウスとテティスの婚礼の際、その宴席に投げ込まれたエリスの黄金のリンゴをめぐって、ヘラ、アテネ、アフロディテの三女神が「いちばん美しい女」をそれぞれ主張して争ったとき、ゼウスはイデ山中にいるパリスにその審判をゆだねた。三女神はそれぞれに美しく装い、さらにパリスに贈り物を約束した。ヘラは全アジアの支配権を、アテネはつねに戦争に勝つことを、またアフロディテは人間界でいちばん美しい女を与えようといった。そしてパリスはアフロディテを選んだ。そこで女神はパリスをスパルタ王メネラオスの妻ヘレネのもとへ導いた。彼はスパルタで歓待されたが、メネラオスがクレタ島へ行っているすきにヘレネを説き伏せ、スパルタを出奔する。こうしてヘレネをめぐってトロヤ戦争が始まる。
 ホメロスでは、パリスは柔弱な美男子として描かれている反面、雄々しく戦場を駆け巡る勇者としても描かれている。とくに弓の技に優れ、アキレウスの唯一の弱点であるその踵(かかと)を射て不死身の彼を倒した。しかし、彼もフィロクテテスの射るヘラクレスの毒矢を受けたので、その傷の治療法を知っているイデ山のニンフでかつての彼の妻オイノネに尋ねたが、彼女は捨てられた恨みから拒否したため、パリスはこれがもとで死んだ。後悔したオイノネは自殺したという。ただしこのオイノネのエピソードは、ヘレニズム時代の追補であろう。[伊藤照夫]

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世界大百科事典内のパリスの言及

【アキレウス】より

…しかし親友パトロクロスPatroklosの戦死を機に再び武器をとり,敵の総大将ヘクトルを討って友の仇を報じた。彼はさらにアマゾン族の女王ペンテシレイア,曙の女神エオスの子メムノン等を討ったが,トロイア王子パリスに矢をかかとに射かけられて落命したという。アガメムノンとの争いの一部始終はホメロスの《イーリアス》で有名。…

【エリス】より

…ギリシア神話の不和,争いの女神。ペレウスと海の女神テティスの婚礼の席にただひとり招かれなかったエリスは,その腹いせに,〈最も美しい女神に〉と記した黄金のリンゴを宴の場に投げ入れたため,ヘラ,アテナ,アフロディテの3女神の争いとなったが,ゼウスに審判を命じられたトロイアの王子パリスは,彼と美女ヘレネとの結婚を約束したアフロディテに軍配をあげた。これがもとでトロイア戦争がおきたという。…

【ギリシア神話】より

…こうした共同事業の最大にして英雄時代の掉尾(とうび)を飾るできごとがトロイア戦争であった。ダーダネルス海峡に面する小アジアの都市トロイア(イリオンともいう)の王子パリスがスパルタ王メネラオスの留守に王妃ヘレナをかどわかし自国に連れ帰ったことから,メネラオスの兄ミュケナイ王アガメムノンがギリシアの英雄たちを糾合,大遠征軍をおこす。10年にわたる攻囲戦の後,木馬の計略によってさしものトロイアも落城し,ヘレナは連れ戻された。…

【トロイア戦争】より

…このリンゴをめぐって3女神ヘラ,アテナ,アフロディテの間に争いが起こった。その裁定をゼウスからゆだねられたトロイア王子パリス(別名アレクサンドロス)は,世界の支配権を約束するヘラ,戦いの勝利を提供しようとするアテナを差しおいて,世界一の美女を与えようというアフロディテにリンゴを渡した。ところで当世随一の美女ヘレネは,すでにスパルタ王メネラオスの妃であった。…

【年代記】より

…12世紀中葉のローマ教皇庁史をつづったソールズベリーのヨハネスの《教皇庁史》は,そのタイトルにもかかわらず,年代記のスタイルをとっている。13世紀中葉のM.パリスの《大年代記》は,その時代に全ヨーロッパで起こった政治的・社会的諸事件を扱い,きわめて包括的な時代史として,高く評価されている。14~15世紀のフィレンツェの繁栄と騒乱とを描いた,2人の年代記作者,ビラーニ(14世紀)とL.ブルーニ(15世紀)とは,従来の都市年代記のやや形式的な叙述とは違い,個性的な記述をもって知られている。…

※「パリス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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