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パンデミック ぱんでみっく pandemic

翻訳|pandemic

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知恵蔵2015の解説

パンデミック

パンデミックとは、感染症の全国的・世界的な大流行をいう。爆発感染などとも表現される。古くは、14世紀のヨーロッパにおけるペスト(黒死病)、19世紀以降7回にわたって発生したコレラの大流行などがある。また、昨今では「インフルエンザパンデミック」と同義語として使われることもある。インフルエンザ・パンデミックとは、新型インフルエンザウイルスがヒトの世界で広い範囲に急速に感染して広がり、世界的に大流行している状態である。第一次世界大戦中の1918年に発生し、猛威をふるったスペインかぜ(スペインインフルエンザ)、68年に発生した香港かぜ(香港インフルエンザ)なども、インフルエンザ・パンデミックである。スペインかぜでは、4000万~5000万人、一説によると1億人の死者を出した。新型インフルエンザウイルスは、動物、特に鳥類のインフルエンザウイルスが、遺伝子の変異などによってヒトの体内でも増殖できるようになり、ヒトからヒトへ効率よく感染できるようになったものである。ほとんどの人類が免疫を持たないため、感染すると爆発的に広がり、健康被害だけでなく、これに伴う社会的影響も甚大なものになる。世界保健機関(WHO)では、世界にパンデミックの脅威の深刻さや事前の対策計画の準備の必要性などを知らせるため、1~6のフェーズ(警戒段階)を設けている。フェーズ6が、パンデミックが発生した状態である。現在脅威とされている鳥インフルエンザ(H5N1型)のヒトでの発症は、2009年2月12日現在407人で、このうち254人が死亡している。ただし、発症者はインドネシアベトナム、中国などのアジアを中心とした地域に限定されており、警戒段階はフェーズ3とされている。日本ではまだ、ヒトでの発症は報告されていないが、発症した場合は17万~64万人の死者が出ると推計されている。そのため、政府は現在、WHOの事前対策計画に準じた行動計画を策定し、プレパンデミック(大流行前)ワクチンの開発を行うなど、パンデミックの発生に備えている。

(小林千佳子 フリーライター / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

パンデミック

新型インフルエンザウイルスは人から人に感染し、世界的大流行(パンデミック)になることが懸念されている。世界保健機関(WHO)は発生初期から大流行までを6段階(フェーズ)で定義。アジアなどで鳥から人への感染がみられる現在はフェーズ3。4は人から人への小集団での感染で、5は大集団での感染。世界的に感染が広がる6がパンデミック。

(2007-01-19 朝日新聞 夕刊 1総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

パンデミック(pandemic)

感染症が世界的規模で同時に流行すること。また、世界的に流行する感染症のこと。世界的流行。汎用性流行。感染爆発パンデミー。「新型インフルエンザがパンデミックを引き起こす恐れがある」「スペイン‐インフルエンザパンデミック

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百科事典マイペディアの解説

パンデミック

感染症の流行の警戒区分を表す言葉。パンは〈全て〉,デミアは〈人々〉を意味するギリシア語にもとづく。世界保健機関(WHO)は流行の規模に応じて,エンデミックエピデミック,パンデミックと用語を使い分け,世界的大流行を指すのにパンデミックを使用している。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

パンデミック【pandemic】

病気が世界の複数の地域で同時に大流行すること。感染爆発。 〔一定の地域から周辺地域へ大きな広がりをみせるエピデミック(epidemic)に対していう〕

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パンデミック
ぱんでみっく
pandemic

感染症が世界的規模で流行すること。「感染爆発」(アウトブレイク)が長期間に多数の国、地域で連続的に起きる場合をいう。世界保健機関(WHO)は感染症の警戒レベル(フェーズ)を6段階に分け、各国に対策の目安を示しているが、それによるとパンデミックは、最大警戒レベル「フェーズ6」に相当する。これは世界6地域(日本を含む西太平洋、アメリカアフリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア)の一つで集団発生した後、他地域でも集団発生した場合、規模を勘案して判定する。2002~2003年の新型肺炎SARS(サーズ)(重症急性呼吸器症候群)は西太平洋(中国、ベトナムなど)とアメリカ(カナダ)で集団発生したが、規模などからパンデミックとはされなかった。
 歴史的なパンデミックは14世紀ヨーロッパのペスト、19世紀のコレラ、1918~19年のスペインかぜ(ブタインフルエンザ)などである。ペストはもともとネズミなど齧歯(げっし)類の流行病であり、ネズミに寄生するノミなどの媒介によってヒトに感染する。菌が血液中に増加する敗血症で発熱、悪寒、痛みがひどく、死亡率は高い。皮膚は黒ずみ、黒死病とよばれた。また一部タイプは肺炎を起こし、咳(せき)から大量の菌が周囲に拡散し、感染を広げる。14世紀なかばから末までのヨーロッパの流行は死者2000万人から3000万人で人口の半分近くに達したといわれている。ペストは6世紀と19世紀にもパンデミックがあった。
 コレラはやや小規模だが19世紀から7回のパンデミックが起きている。コレラ菌が水や食品を汚染し、集団発生する。激しい下痢、脱水症状で死亡する。江戸時代には日本でも大流行したが、コッホによるコレラ菌の発見で下火になった。とはいえアフリカでは現在も流行している。
 インフルエンザは飛沫(ひまつ)・空気感染のため、感染力はペストやコレラを上回る。第一次世界大戦中のスペインかぜが近年では最大、最強のパンデミックだった。スペインかぜはブタインフルエンザ(H1N1型)が人間への感染力を獲得したものとされ、6億人がかかり、死者4000万人といわれる。日本でも2500万人が感染し、40万人が亡くなった。
 2009年4月に発生した「新型インフルエンザ」(ブタインフルエンザ)は、メキシコからアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどに広がり、WHOは6月11日、「フェーズ6」を宣言した(2009年11月22日現在、207以上の国・自治領・地域で、感染者62万2482例以上、死亡者7826例以上。毒性は通常のインフルエンザ並み)。なお、1997年に香港から小規模の感染が始まった強毒タイプのトリインフルエンザ(H5N1)のパンデミックが、依然として世界中で恐れられている。[田辺 功]
『マイク・デイヴィス、柴田裕之・斉藤隆央訳『感染爆発――鳥インフルエンザの脅威』(2006・紀伊國屋書店) ▽岩崎惠美子監修、佐藤元編『新型インフルエンザ――健康危機管理の理論と実際』(2008・東海大学出版会) ▽アルフレッド・W・クロスビー著、西村秀一訳『史上最悪のインフルエンザ――忘れられたパンデミック』新装版(2009・みすず書房) ▽小林照幸著『パンデミック――感染爆発から生き残るために』(新潮新書)』

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