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パントマイム パントマイム pantomime

翻訳|pantomime

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パントマイム
パントマイム
pantomime

ことばを用いず,身ぶり,表情によって表現する芸能。黙劇,無言劇ともいう。古代ギリシア語の pantōs (すべて) と mimos (物まね) の合成語の pantomimosが語源。前 22年頃のローマで音楽を伴奏として,仮面を用いた1人の演技者によるパントミムスが完成された。

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デジタル大辞泉の解説

パントマイム(pantomime)

言葉を使わず、身ぶりや表情だけで表現する演劇。また、その演技。無言劇。黙劇。マイム

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百科事典マイペディアの解説

パントマイム

黙劇,無言劇,単にマイムとも。言葉を用いない,身振りや表情のみによる芸能。音楽や舞踊を伴うことも多い。その起源は,古代ギリシアの〈ミモス劇〉と呼ばれる座興芝居で,卑俗な題材を物まねふうに扱ったもの。
→関連項目アンドリュースケークウォークソフロンバローボードビルマイムマルソー

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世界大百科事典 第2版の解説

パントマイム【pantomime】

演者が声を用いず,身体の動きや顔の表情のみを表現手段とする芸能。単に〈マイムmime〉ともいい,〈黙劇〉〈無言劇〉などの訳語・用語も用いられる。
パントマイム前史]
 pantomimeという言葉は,その語源をさかのぼれば,古代ギリシア語のpantōs(すべて(に))とmimos(ものまね)の合成語pantomimosであり,この言葉自体は古代ギリシアの多くの文献に見ることができる。しかし,このような〈ものまね〉あるいは〈呪術的模倣所作〉とでも称すべきものは,周知のように,演劇一般の〈始源的形態〉にほぼ共通して見ることができる重要な一構成要素であり,そのようなものの一種として,古代ギリシアにおいては先のmimos(あるいはpantomimos)という言葉で表現される〈ものまね〉を中心とした座興的な雑芸(これを演劇史で〈ミモス劇〉などとも呼ぶ)が行われていたことは事実であるにせよ,それが今日のパントマイムに通じる一つの独立した芸能ジャンルであったとは言いがたく,演劇史では,ふつうパントマイムの起源を,古代ローマのパントミムスpantomimusに求めることが行われている。

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大辞林 第三版の解説

パントマイム【pantomime】

台詞せりふを用いず、身振りや表情だけで演ずる劇。また、その演技。ギリシャ・ローマ劇の頃からみられ、一六世紀イタリアのコメディア-デラルテを経て今日まで継承されている。無言劇。黙劇。ミーム。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パントマイム
ぱんとまいむ
pantomime

黙劇、無言劇。ことばを用いず身ぶりや表情によって表現する芸能、およびその技術、台本、俳優、上演などをさす。単にマイムmimeとよばれることもある。ギリシア語のパントス(すべて)とミモス(物真似(まね)を中心とした雑芸)の合成語パントミモスが語源。古くは紀元前5世紀の詩人ソプロンの発明とも、名優テレテスが手の指と舞踊のみによる表現を完成したともいわれ、前4世紀のクセノフォンの『饗宴(きょうえん)』にこの語がみえるが、芸能として独立するのはローマ時代である。歌手の歌にあわせて踊り手が身ぶりのみを演じる舞踊劇サルティカ・ファブラの物真似の要素が強調され、前2世紀ごろピュラデスによって完成されて、レダと白鳥を1人で演じ分けたバテュルスや、皇帝に寵愛(ちょうあい)されて妃となったテオドラなどの名優が輩出して一世を風靡(ふうび)した。
 ローマ帝国の解体とともにパントマイムは中世の雑芸に吸収され、16世紀のコメディア・デラルテや道化の芸に受け継がれ、17、18世紀には仮面をつけ古代神話に取材した宮廷舞踊やバレエがこの名でよばれた。19世紀に入るとイギリスではグリマルディ父子の喜劇的なクリスマス・パントマイムが流行し、ローレント兄弟、フィリップ・アストレー、フランコーニ一家なども活躍し、ハンロン・リーの劇団はフランスにも巡業した。一方、パリでは名優ドビュローがフュナンビュール座で洗練されたピエロを演じて近代パントマイムの黄金時代をつくりだした。
 19世紀末にスペクタクル劇の人気や自然主義の影響で一時衰退し、サーカスのクラウンの芸によってやっと伝えられていたパントマイムは、20世紀初頭にはチャップリンをはじめとする多くの名優によって無声映画のなかで再生するとともに、演技の造形的要素を重視するコポー、スタニスラフスキー、メイエルホリドなど現代劇の指導者によって再評価された。そして俳優養成に利用され、そこから、台詞(せりふ)抜きの身体訓練がパントマイムとよばれるようになった。同時に、独立した舞台芸術としてのパントマイムもフランスのエチエンヌ・ドクルーらによって探究され、ジャン・ルイ・バローやマルセル・マルソーがそれに加わって、時間と空間の圧縮や体の各部の外界に対する反応を表現手段として、人間の心理だけでなく宇宙との交感まで表そうとする現代マイムが創造されてゆく。バローはその成果を前衛劇『母をめぐって』や映画『天井桟敷(てんじょうさじき)の人々』(1944)で示し、マルソーはピエロを現代化したビップを演じて沈黙の詩劇を目ざす「様式のマイム」を完成する。そのほかフランスではウォルフラム・メーリングのマンドラゴール座やジャック・ルコックの学校が現在も活躍している。旧チェコスロバキア出身のミラン・スラデク率いるドイツのケルン・パントマイム劇団や、ヘンリック・トマシェフスキ主宰のポーランド・バレエ・マイム劇団なども独自の活動を続けている。
 東洋では黙劇として独立したものはなかったが、エジプトの祭儀や古代インドのシバの舞踊などにその要素がみられる。日本でも『日本書紀』中の火闌降命(ほのすそりのみこと)が海に溺(おぼ)れるさまを表す演技をはじめ、神楽(かぐら)、壬生(みぶ)狂言、歌舞伎(かぶき)のだんまり、舞踊劇の一場面などに事実上パントマイムにあたるものは少なくない。[安堂信也]
『M・マルソー、H・イエーリンク対談、尾崎宏次訳『パントマイム芸術』(1971・未来社)』

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世界大百科事典内のパントマイムの言及

【イギリス演劇】より

…しかし皮肉なことに,シェークスピア劇はH.アービングやエレン・テリーのような名優の演技に支えられて,この時代にもはなはだ人気があった。他方この時期には,歌や踊りや奇術などを雑然と並べたミュージック・ホールや,伝奇的内容を歌や踊りで綴り,風刺性を加えたパントマイムなど,イギリス独自の大衆芸能も成立した。1870年代から90年代にかけて,W.S.ギルバートの脚本と詞,A.S.サリバンの曲によって発表された,〈サボイ・オペラ〉と呼ばれる一連のオペレッタも人気を集めた。…

【チャップリン】より

…寄席芸人の子としてロンドンに生まれ,母の病気と父の死後,下町で浮浪児同然のどん底生活を経験,8歳で芸人として初舞台を踏んで天分を認められた。17歳のときイギリスで人気を集めていた喜劇一座の劇団員となり,踊り,歌,道化,ものまね,パントマイムその他,のちの喜劇俳優としての成功を支えることになる基本的な技術とスタイルをすべて身につけた。 1912年,アメリカ巡業中に,勃興期にあったアメリカの喜劇映画のパイオニアであったマック・セネットに認められて,13年にキーストン社に入り,《成功争い》(1914)に初出演した。…

【ピエロ】より

…喜劇,パントマイムなどに登場する喜劇的な定型人物(役柄)の呼称。また日本では混同してサーカスのクラウン(道化)をこの名で呼ぶことも多い。…

【ミーム】より

…ミームとは,かつてのJ.G.ドビュローのピエロの芸に代表されるパントマイムとは区別されて,現代に至り,フランスのエティエンヌ・ドクルーÉtienne Dec‐roux(1898‐1991)によって創始された新しい身ぶり芸術表現に対する呼名である。ドクルーはまずJ.コポーのビュー・コロンビエ座に学び,その後はC.デュランのアトリエ座で,J.L.バローや後にはM.マルソーなどとともに,単なる物まねではないこの新しいジャンルに踏み出して,その創始者となった。…

【ローマ演劇】より


[ローマ演劇のその後]
 文学的な芝居は徐々に衰微していったが,ミムス劇やパントミムスpantomimus劇(せりふをまったくなくした黙劇。民衆的な雑芸として生き続け,今日のパントマイムにつながる)などはなおしばらく大衆の娯楽として続いた。しかし,それすらも帝政期に入ると衰微した。…

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