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ヒカリゴケ

百科事典マイペディアの解説

ヒカリゴケ

ヒカリゴケ科の微小なコケ植物蘇類。北海道〜本州中部以北の洞穴や大木の根元など,薄暗いところに生育。糸状の原糸体はほぼ球状の細胞からなり,各細胞がレンズのように弱光を反射し,全体としてかすかなエメラルド色に光る。
→関連項目コケ(苔)植物

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世界大百科事典 第2版の解説

ヒカリゴケ【Schistostega pennata (Hedw.) Web.et Mohr】

ヒカリゴケ科の蘚類(イラスト)。ヨーロッパ,北アメリカシベリア,日本に分布。日本では一般に冷涼な地に生じ,北海道や本州の山岳地域でかなり多くの産地が知られているが,例外的に東京都の都心部で見いだされている。洞穴や岩隙(がんげき)など暗い場所の土上に生育し,かすかに黄緑色に光る。これは原糸体の細胞が平面的に配列し,それぞれの細胞がレンズ状をなし,弱い光を細胞の奥に偏在する葉緑体上に集光,反射するためである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒカリゴケ
ひかりごけ
[学]Schistostega pennata (Hedw.) Web. et Mohr.

コケ植物ヒカリゴケ科の代表種で、この科はヒカリゴケのみから構成される。北半球の冷涼な地域に生育し、日本では北海道から本州中部地方にかけて分布する。植物体は高さ7~8ミリメートルで、葉は茎の上に左右2列になってつく。雌雄の生殖器官は茎の先端につき、ほぼ球形の胞子体ができる。胞子から発芽した原糸体では、球状に膨らんだ細胞が先端に向かって平面状に並ぶ。この細胞がレンズの役目をして、入射してくるわずかな光を反射し、原糸体が生えている地表面を光らせる。この光は薄い緑色であるが、これは球形の細胞に入った光が屈折し、葉緑体が集まっている細胞の奥のほうで反射し、ふたたび細胞から出てくることによる。つまり、ヒカリゴケが光るのは、光の反射によるもので、ヒカリゴケそれ自体が発光するわけではない。
 ヒカリゴケは、洞穴の中や大木の根元の穴の中などの薄暗い場所に生える。光を反射する現象が特殊であるところから珍重され、日本では長野県佐久(さく)市岩村田(いわむらだ)、埼玉県比企(ひき)郡吉見(よしみ)町、皇居(東京都千代田区)などの生育地は、国の天然記念物に指定されている。[井上 浩]

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世界大百科事典内のヒカリゴケの言及

【コケ植物(苔植物)】より

…ヒョウタンゴケは焼け跡を好む性質がある。ヒカリゴケは深山の洞穴や大木のうろなど光のごく弱い場所に生える。クサリゴケ科の小さな種は,しばしば常緑樹やシダの葉上に生育するので,葉上苔(ようじようごけ)と呼ばれる。…

※「ヒカリゴケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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