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ヒートアイランド heat island

翻訳|heat island

デジタル大辞泉の解説

ヒート‐アイランド(heat island)

都市部が周辺域より高い温度になっている現象。等温線を結ぶと、島状になるのでいう。放出される人工熱や地表コンクリートで覆われたことなどによる。風の弱い晴れた夜に顕著になる。熱の島。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ヒートアイランド

都市の気温が周辺より高い状態のこと。気象庁によると、地表面がアスファルトやコンクリートに覆われ、水分が少ないために土などの地面に比べ出す熱が多くなり、気温が上がる。コンクリート建物は日中ため込んだ熱を夜間に大気に与え、気温の低下を抑える。オフィスや家庭の冷房などの熱も影響し、首都圏では2度程度気温を上げるという。

(2007-08-29 朝日新聞 夕刊 1総合)

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百科事典マイペディアの解説

ヒートアイランド

熱の島とも。都市地域をおおっている高温な大気。都心と郊外との温度差は5〜6℃以上あることもあり,都市の立体的気温分布を測定すると,都市の上空は高温な空気が帽子をかぶせたようにおおっている。
→関連項目都市気候

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世界大百科事典 第2版の解説

ヒートアイランド【heat island】

都市とその郊外を含めた地域について気温の等値線を記入すると,その形状はあたかも都市部が海洋上に浮かぶ島の形とよく似ているので,都市の高温部を“熱の島(ヒートアイランド)”と呼ぶようになった。都市はその郊外との間に気温,湿度,風などの気象要素に差異のあることは古くから気づかれていた。近年,人口の増加と都市への集中化,活発化する人間活動によって,都市の高温化傾向が急速に進み,都市と郊外の気象,気候の差が目立つようになってきた。

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大辞林 第三版の解説

ヒートアイランド【heat island】

〔気温分布図の等値線が島の形を描くことから〕
都市部に見られる高温域。風の弱いときに顕著になり、周辺地域よりも高温の空気が都市域をドーム状におおう。都市化に伴う地表面の人工的改変、大量のエネルギー消費などで熱がたまることがその成因。熱の島。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒートアイランド
ひーとあいらんど
heat island

都市の中で発生する人工排熱や地表面の人工化で加熱された大気が、都市域をドーム状に覆っている状態で、都市気候の典型例。ヒートアイランド現象ともいう。ヒートアイランドは熱の島という意味で、この用語は第二次世界大戦後、都市気候の研究が進むなかで定着した。地上の気温分布が、都心から市街地周辺に向かって低温になるため、等温線の形が島の地形図の等高線に似ていることによる。都市域の上空では郊外よりも気圧が低くなるため、静穏なときには、地上では、市外から都心に向かって弱い風が吹く。上空では逆方向の風が吹き、都心から市外に向けてごく弱い風が吹いている。これらの風は一つの循環流をつくるが、これをヒートアイランド循環という。本来、都心部と郊外の気温差が大きくなるヒートアイランド現象は、風の弱い秋から冬の晴天の夜間にもっとも顕著に現れるが、1990年代以降、とくに日本では夏季の日中における猛暑や夜間における熱帯夜の増加による都市の高温化現象をさしてヒートアイランドとよぶことが多い。
 ヒートアイランドの形成要因は、二つに大別される。一つは、都市に人口が集中し大量のエネルギーが消費される結果生ずる人工排熱の増加である。とくに、都心のオフィスビル街や商工業地区から排出される大量の熱に加えて、幹線道路を走行する自動車からの排気熱が重なるため、都市部の大気は郊外に比べて加熱されやすく、気温上昇の大きな要因となっている。二つ目の要因は、都市の表面構造の人工化による熱収支の変化である。コンクリートの建造物やアスファルト舗装道路で覆われた都市の地表面は、森林・草地や田畑・裸地が主体の郊外田園地帯とは、熱や放射の特性が大きく異なる。たとえば、コンクリートやアスファルトは夏季日中に日射エネルギーを吸収してその表面温度はしばしば50℃を超える。夏の炎天下で暑く感じるのは、日射に加えて高温のコンクリート面からの放射熱が加わるためである。さらに、夜間になってもそれらの表面温度は気温よりも高いため周囲の大気を加熱し続ける。これに前述の人工排熱が加わり、都市部では夜間の気温低下が大幅に抑制される。これが熱帯夜を増加させるおもな要因である。[三上岳彦]
『尾島俊雄著『ヒートアイランド』(2002・東洋経済新報社) ▽森山正和編『ヒートアイランドの対策と技術』(2004・学芸出版社) ▽三上岳彦著『都市型集中豪雨はなぜ起こる?――台風でも前線でもない大雨の正体』(2008・技術評論社) ▽甲斐憲次編著『二つの温暖化――地球温暖化とヒートアイランド』(2012・成山堂書店) ▽藤部文昭著『都市の気候変動と異常気象――猛暑と大雨をめぐって』(2012・朝倉書店)』

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世界大百科事典内のヒートアイランドの言及

【都市風】より

…また,都市の建物などは風に対して大きな抵抗となるので,平均風速は田園地帯より一般に小さい。都市では舗装された道路,コンクリート等で造られた建物,大量のエネルギー消費などのため,都心の気温は郊外よりも一般に高い(ヒートアイランドといわれる)。そのため都市の上の空気は上昇し,それを補うように地表付近では郊外から都心に向かって風が吹くことになる。…

【都市気候】より

…また都市の大気中に含まれる煤塵(ばいじん)や硫酸塩などの吸湿性の細塵は,その表面に水蒸気を吸着し,凝結核になりやすいので霧や微雨が多くなる。 都市が市外と比べて高温であることは19世紀から知られているが,近年はヒートアイランドという名で都市の高温現象を指すことが多い。都市内外の温度差は,季節的には冬が大きく夏が小さい。…

※「ヒートアイランド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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