コミミズク(読み)こみみずく(英語表記)short-eared owl

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コミミズク」の意味・わかりやすい解説

コミミズク
Asio flammeus; short-eared owl

フクロウ目フクロウ科。全長 34~43cm。顔(顔盤)はハート形で,基部から眼の上下にかけての部分と顔の周囲が白く,眼のまわりが黒い。頭上に短い羽角がある。羽色は頭上,背,上面は黄褐色褐色,白色のまだら模様。胸から腹は淡黄褐色地に黒褐色の縦斑がある。尾は黄褐色と黒褐色の横縞模様。北半球の中・高緯度地域,ハワイ諸島ガラパゴス諸島西インド諸島南アメリカなどで繁殖する。ヨーロッパ南部や中東北部,アメリカ合衆国北部,西インド諸島,南アメリカでは留鳥。北半球の中緯度以北では夏鳥(→渡り鳥)で,繁殖後はアフリカ北部や南アジアから東アジア北アメリカ南部,南アメリカに渡る。内陸草原や農耕地,湖沼地帯や海岸部の湿原などに生息し,地上に草や羽毛を敷いて巣をつくる。夜間だけでなく日中も活動することがあり,おもにネズミ類をとり,獲物を蓄えておくこともある。日本には冬鳥として渡来する。(→ミミズク猛禽類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コミミズク」の意味・わかりやすい解説

コミミズク
こみみずく / 小耳木兎
short-eared owl
[学] Asio flammeus

鳥綱フクロウ目フクロウ科の鳥。和名英名も耳(羽角(うかく))の小さなフクロウの意。ユーラシア、北アメリカ、南アメリカの温帯から寒帯にかけて繁殖分布し、低緯度地方に渡る。ハワイ諸島など大洋孤島には、留鳥としてすみついているものがある。草原にすみ、ネズミ類、小形の鳥、昆虫を食べ、巣も地上につくり、3~8個の卵を産む。日本には冬鳥として渡ってきて、河原、海岸の葦原(あしはら)などにすむ。全長約38センチメートル。褐色の体には濃い縦斑(じゅうはん)がある。顔盤とよばれる顔のくぼみはよく発達している。大きな目の虹彩(こうさい)は黄色。体の色の濃さと顔盤の模様は、地方差とともに個体差が著しい。

[竹下信雄]

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