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フランス共同体 フランスきょうどうたいCommunauté

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フランス共同体
フランスきょうどうたい
Communauté

第五共和政憲法 (1958.10.5.公布) によってフランス連合が解体され,新たにフランス共和国 (フランス本国,海外県,および海外領土) と「共同体構成国」から成る共同体。 1950年代インドシナ (54) ,チュニジア (56) ,モロッコ (56) の独立ですでに変容していたフランス連合を,さらに高まる植民地独立の要請のなかで修正したもの。共同体首長 (フランス大統領が兼ねる) ,共同体行政理事会,共同体元老院,共同体仲裁裁判所がその中枢機関。共同体構成国は,固有の問題については自己の主権を保持するが,対外政策,防衛,通貨,共通の経済政策ならびに戦略物資に関する政策についてはその管轄権を共同体にゆだねている。 59年2月,第1回の行政理事会がパリで開かれた。しかし 60年代初頭,海外県アルジェリア (62) や,多数の「共同体構成国」が独立し,共同体の様相は憲法制定当時とは一変している。一部はギニアのように共同体から離脱,一部はマダガスカルのように独立後も「共同体構成国」にとどまっているが,多数の国が制度的,経済的,言語的に依然フランスとの強い絆を保持している。

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百科事典マイペディアの解説

フランス共同体【フランスきょうどうたい】

フランス領アフリカの植民地,海外領土を包括した組織。第四共和政のフランス連合に代わり,1958年の第五共和政憲法に基づいて創設された。フランス大統領が共同体を代表し,参加地域の外交,国防,通貨などについては共同体の権限とされた。
→関連項目ギニア(国)コートジボワールコンゴ共和国中央アフリカトゥーレフランス連合

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フランス共同体
ふらんすきょうどうたい
La Communaut Franaiseフランス語

フランスと旧フランス領諸国との特殊な国家結合。1958年のフランス第五共和国憲法によって、従前の「フランス連合」にかわって設けられたもの。共同体設立の背景には、アルジェリア独立戦争打開の衆望を担ってフランス大統領に登場したドゴールが、各植民地に自治か独立かを選ばせ、自治を選んだものを自治共和国としてフランス大統領を中心とする結合関係につなぎ留める方針をとったという事情がある。共同体は、共同体参議院、共同体行政院、共同体裁判所をもち、フランス大統領が共同体大統領を兼ねる構造になっていた。
 1958年9月のフランス共同体を定めた憲法の国民投票では、海外諸領は、独立を選んだギニアを除き、すべて大幅な自治を認められた共和国として共同体に参加した。しかしその後これらの諸国の独立の要求は強く、フランスは1960年5月、共同体諸国は共同体を離脱せずに独立できるように憲法を改正し、この結果、共同体構成国は1960年中にすべて完全独立を達成した。1961年1月、コートジボワール、オートボルタ(現ブルキナ・ファソ)、ニジェール、ダオメー(現ベナン)の4か国が共同体離脱を決めたため、共同体は解体に瀕(ひん)し、フランスはこれを食い止めるため、各政府首長の定期会合などを設けて収拾に苦慮した。フランス共同体に残留する国は、フランスと個別的に加入協定を結んだ。こうしてフランス共同体は、当初の憲法に基礎を置いた連邦形態から、国別の加入協定に基づく国家連合的な形に変化した。現在の共同体は、フランス本国、海外諸県、海外領土のほか、マダガスカル、セネガル、ガボン、チャド、中央アフリカ、コンゴからなっているが、結び付きはきわめて緩く、共通語としてフランス語が話されることぐらいで、実体は形骸(けいがい)化している。[池田文雄]

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世界大百科事典内のフランス共同体の言及

【第五共和政】より

…また,58年に発足したEECにおいてヨーロッパの市場圏統合の中でフランスの地歩強化をはかり,核兵器開発や第三世界への接近など,米ソ二大国に対抗する外交政策がとられた。植民地に関してはド・ゴールは,第四共和政のフランス連合を憲法で改組してフランス共同体とし,その下でアフリカ植民地の多くに独立を与える道を選び,アルジェリアについては軍部の反対を抑えて1962年いわゆるエビアン協定により独立を承認した。 こうしてド・ゴール体制はフランスにさまざまな方面の転換をもたらしたが,68年のいわゆる五月革命の後,69年4月地方制度と上院改革の国民投票に敗れてド・ゴールは大統領を辞任した。…

※「フランス共同体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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