フーフ(その他表記)Ricarda Huch

精選版 日本国語大辞典 「フーフ」の意味・読み・例文・類語

フーフ

  1. ( Ricarda Huch リカルダ━ ) ドイツ女流作家。ロマン的な抒情詩小説、特に多く歴史小説を書いた。主著「若きルドルフ=ウルスロイの追憶」など。(一八六四‐一九四七

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改訂新版 世界大百科事典 「フーフ」の意味・わかりやすい解説

フーフ
Ricarda Huch
生没年:1864-1947

ドイツの女流作家ブラウンシュワイク商家に生まれる。当時ドイツが女子の大学入学を認めないことからチューリヒ大学で哲学と歴史を修め,以後その多彩な才能を示しつつ時代を生きる。内面の豊かさと激しさを詩作に表した彼女は,ある商家の運命を描いた自伝的色彩の強い長編《ルードルフ・ウルスロイ2世の回想》(1893)によって,この系統の小説に先鞭をつけた。結婚によってトリエステに住んだことが,同地の貧民街を舞台にした傑作《凱旋横町から》(1902)など,イタリアを扱った作品を生むきっかけとなる。時代の動きを敏感に観取する彼女は《ロマン主義》(1899,1902)でロマン派の再評価を行い,歴史の分野では動乱期に目を向け,三十年戦争の場面をいきいきと叙述する《ドイツにおける大戦》(1912-14)等の力作を著した。1938年にはプロイセン芸術アカデミーを脱退し,ナチス政権への批判的姿勢を示した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フーフ」の意味・わかりやすい解説

フーフ
Huch, Ricarda

[生]1864.7.18. ブラウンシュワイク
[没]1947.11.17. シェーンベルク
ドイツの新ロマン主義を代表する女流作家,歴史家。チューリヒ大学卒業後,教師をつとめ,小説を書きはじめた。プロシア芸術アカデミー最初の女性会員,ゲーテ賞を受賞した最初の女性。初期には『若きルドルフ・ウルスロイの追憶』 Erinnerungen von Ludolf Ursleu dem Jüngeren (1893) などのロマン的,抒情的作品が多く,また名著『ロマン主義の開花期』 Blütezeit der Romantik (99) ,『ロマン主義の普及と衰亡』 Ausbreitung und Verfall der Romantik (1902) において,ドイツ・ロマン派の再評価に努めた。のち創作から歴史研究に向い,『ドイツにおける大戦』 Der grosse Krieg in Deutschland (3巻,12~14) などを著わした。

フーフ
Huch, Friedrich

[生]1873.6.19. ブラウンシュワイク
[没]1913.5.12. ミュンヘン
ドイツの小説家。女流作家 R.フーフの従弟。ミュンヘン,ベルリンで学び教職についたが,のちミュンヘンで文学活動を始めた。市民社会のデカダンスや青少年の繊細な内面生活をユーモアと風刺や心理分析を駆使して描き,トーマス・マンに評価された。主著『ペーターとミヒェル』 Peter und Michel (1901) ,『マオ』 Mao (07) ,『ピットとフォックス』 Pitt und Fox (09) 。

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百科事典マイペディア 「フーフ」の意味・わかりやすい解説

フーフ

ドイツの女性作家。富裕な商家の末娘で,チューリヒ大学で歴史学を修める。新ロマン主義の作家として出発し,《恋愛詩集》,長編《ルードルフ・ウルスロイ2世の回想》(1893年)などやドイツ・ロマン派の再評価をした《ロマン主義》2巻を書く。やがて客観的な歴史の世界に関心が移り,三十年戦争を描いた三部作《ドイツにおける大戦》(1912年―1914年)などがある。

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