ブルーギル
ぶるーぎる
bluegill
[学] Lepomis macrochirus
硬骨魚綱スズキ目サンフィッシュ科に属する淡水魚。北アメリカ原産で、1960年(昭和35)にシカゴのシェッド水族館から日本に導入された。ほかの小魚や魚卵を食害し生態系を乱すおそれのあるところから移植には慎重論が強かったが、近年急速に分布が拡大し、現在では関東地方以西の25府県で生息が報告されている。止水あるいは緩やかな流水を好み、大小の湖沼や河川の下流域に生息する。原産地では全長40センチメートル近いものも記録されているが、日本では20センチメートルどまりのものが多い。体色は灰褐色から褐色、体側に7~10本の体軸を横切る縞(しま)があるが、成長とともに不鮮明になる。雄は腹部に赤い婚姻色を現す。日本での産卵期は初夏、雄が浅い水底に直径50センチメートルほどのすり鉢状の産卵床を掘り、産卵後は仔魚(しぎょ)が泳ぎだすまで保護をする。各地でルアー釣りの対象となっている。
[多紀保彦]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブルーギル
スズキ目サンフィッシュ科の淡水魚の一種。原産地は北米東部。成魚の体長は25センチメートルほど。幼魚の体色は青味を帯びた黄緑色で、成長に伴い濃灰褐色から暗褐色へと変化する。体側に7~10本の細い横縞を帯び、雌雄ともに鰓蓋(さいがい)の後部に濃紺または黒の突起がある。湖沼やため池、流れの緩やかな河川などに生息し、主に昆虫類、魚類、動物プランクトンなどを捕食する。日本へは1960年代に持ち込まれ、ほぼ全国に分布が広がり、2005年には生態系への影響を懸念して特定外来生物に指定された。駆除が推進される中、19年に国の研究グループがゲノム編集技術で不妊化させたブルーギルを作りだすことに成功し、根絶への有効策として期待を集めている。
出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報
ブルーギル
Lepomis macrochirus; bluegill
スズキ目サンフィッシュ科の淡水魚。全長 25cmになる。体はやや延長し,側扁する。背鰭の棘条部と軟条部との間に膜のくぼみはない。体色は暗褐色で,鰓蓋の後端に濃紺ないし黒色の顕著な斑紋がある。英名はこの特徴に由来する。アメリカ合衆国から 1960年に日本に移入され,現在では各地の池やため池などに生息する。日本での産卵期は6~7月。雄が砂泥底に巣 (産卵床) をつくる。肉食性。本種の侵入によって在来種の存在が危機にさらされている湖沼が多い。食用となり,釣りの好対象ともなる種ではあるが,在来種の保護という立場からは有害な点が多い。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
ブルー‐ギル
〘名〙 (bluegill) サンフィッシュ科の淡水魚。北アメリカ原産、日本には一九六〇年にもたらされた。近年急速に分布が広がり、他の小魚や魚卵を食害するという問題が起きているが、ルアー釣りの対象ともなっている。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
ブルーギル(bluegill)
サンフィッシュ科の淡水魚。全長約20センチ。体形はタイに似て、灰褐色で、えらぶた後端が黒っぽい。北アメリカ原産で、日本には昭和35年(1960)渡来。原産地では40センチに達する。ルアーフィッシングの対象。
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ブルーギル【bluegill】
スズキ目サンフィッシュ科の淡水魚(イラスト)。原産地は北アメリカ大陸南西部で,日本へ移殖され各地で繁殖している。名は雄のえらぶたにある青緑色の縞に由来する。日本へ移殖された同科のブラックバス(イラスト)より卵円形の体をしている。流れのある場所より湖沼などの止水を好む。エビ,昆虫類,小型の魚類など底生性の動物をおもに食べている。産卵期は地方によって異なるが,だいたい夏。産卵にあたって雄は水草のはえている砂れき地に浅い穴を掘り産卵床とする。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報