イスタンブールにあるモスク。〈ブルー・モスク〉は通称で,正しくはアフメト1世のモスク(アフメディエ・ジャーミAhmediye Cami)。モスク内壁を飾る装飾タイルの基調が青色であるところからこう呼ばれる。シナンに次ぐ優れた建築家として知られる宮廷建築家セデフカル・メフメト・アガにより建造された。1609年に着工し17年に完成。オスマン・トルコの古典期建築を代表する。イスタンブールで最も高い地域にある古代競技場の南側に位置するために,遠方からでもその壮大なドームとミナレットを望むことができる。モスクは,アフメト1世の墓,マドラサ,無料給食所,救護所とともに,オスマン・トルコ時代独特の王立施設キュリエkülliyeを構成する。規模も全体の構成もシナンによって建てられたシェフザーデ・ジャーミ(イスタンブール,1543-48)を範とし,シンメトリカルな構成をとる規模雄大な中央会堂式の礼拝堂と広い中庭からなる。直径23.5mに及ぶ大ドームは,4本の巨大な大理石製の円柱に支えられて広大な空間をつくり出し,多数の会衆の収容を可能にしている。大ドームの四方には半ドームを架ける。内壁は,2万1000枚を超す青,緑,黒,紅などの華麗なイズニク産のタイルで装飾され,とくに,花樹や果実を表現したギャラリーのタイルが最も美しい。礼拝堂の四隅と中庭の両隅に設けられた,オスマン・トルコ建築独特の細く先がとがった6基のミナレットは,メッカの聖モスクの7基のミナレットに次ぐものである。広々とした中庭には,小規模ながら潔斎用の泉水が備えられている。
執筆者:杉村 棟
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 KNT近畿日本ツーリスト(株)世界遺産情報について 情報
「スルタン・アフメット・モスク」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…建築遺構としては,1465∥66年にカラ・コユンル朝のジャハーン・シャーによって建てられたトルコ型のマスジェデ・カブードがまず挙げられる。これはユニークなプランと壁面を飾る青を基調としたモザイク・タイル(ここから〈ブルー・モスク〉の俗称が生まれた)で知られている。冬のモスクとして建造されたので規模は小さい。…
※「ブルーモスク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新