プエブラ(その他表記)Puebla

デジタル大辞泉 「プエブラ」の意味・読み・例文・類語

プエブラ(Puebla)

メキシコ中東部、プエブラ州都市。同州の州都プエブラ大聖堂サントドミンゴ教会砂糖菓子の家など、植民地時代の建造物が数多く見られ、タラベラという陶器産地としても知られる。旧市街は、1987年、「プエブラ歴史地区」として世界遺産文化遺産)に登録された。

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改訂新版 世界大百科事典 「プエブラ」の意味・わかりやすい解説

プエブラ
Puebla

メキシコ中央部,同名州の州都。大都市域人口201万6956(2003)。マリンチェ火山(4461m)南西麓に広がるプエブラ河谷平野,標高2209mに位置する。年平均気温17.1℃,年降水量823mm。メキシコ市とベラクルス市とを結ぶ要衝の地で,1531年にフランシスコ会宣教団によって建設された。植民地時代を通じて経済,宗教の中心地で,付近のチョルラとは対照的にスペイン風の町となった。1862年5月5日,同市を占領したフランス軍を破ったサラゴサ将軍を記念し,旧名プエブラ・デ・アンヘル(〈天使の町〉の意)からプエブラ・デ・サラゴサに正式名称を改名。そしてこの日は国民祝祭日となっている。19世紀後半に主要な繊維工業地域として発展。繊維,食品加工業のほか,近年は近郊に工場団地が造成され,機械,自動車,セメントなどの近代工業部門進出がめざましい。中央広場ソカロにある大聖堂,サント・ドミンゴ教会付属の黄金の内部装飾で知られるロザリオ礼拝堂など数多くの植民地時代の建造物に恵まれた観光都市でもある。色彩豊かなタラベラ陶器,縞メノウ置物など伝統的な工芸品を産する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プエブラ」の意味・わかりやすい解説

プエブラ
Puebla

メキシコ中部,プエブラ州の州都。正式名称はプエブラデサラゴサ Puebla de Zaragoza。メキシコシティーの東南東約 110km,メキシコ高原南東部のプエブラ盆地にあり,標高約 2160m。 1532年建設。メキシコシティーとメキシコ湾岸の主要港ベラクルスとの間に位置する戦略上の要地であったため,1847年にはアメリカ合衆国軍,1863~67年にはフランス軍により占領された。重要な農業・工業地帯の中心地で,農産物の集散,加工を行なうほか,伝統的な縞瑪瑙細工,タイル,綿織物,毛織物,ガラス,陶器などの生産で知られる。自動車,化学などの近代工業も発達。典型的なスペイン風の町で,縞瑪瑙,大理石,金などで内部を飾った大聖堂,金ぶきの礼拝堂をもつ聖ドミンゴ聖堂などの古い建築物が保存されており,旧市街が 1987年世界遺産の文化遺産に登録。プエブラ自治大学 (1937) がある。 1973年8月の地震により大きな被害を受けた。人口 105万 4921 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プエブラ」の意味・わかりやすい解説

プエブラ
ぷえぶら
Puebla

メキシコ中南部、プエブラ州の州都。正称はプエブラ・デ・サラゴサPuebla de Zaragoza。メキシコ市の東南東130キロメートル、メキシコ中央高原の標高2160メートルに位置する。人口127万1673(2000)で、同国第4位。西方にポポカテペトル火山(5452メートル)がそびえ、「天国の町」との美称がある。1862年5月、フランス軍を撃破した地として有名で、16世紀に建設されたカテドラル、金色の装飾で知られるロサリオ礼拝堂、民芸博物館、プエブラ大学など植民地時代の文化財が多い。この歴史地区が1987年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。繊維、食品、自動車、化学工業が立地し、特産品にはサラペ・オニス(縞(しま)めのう)の彫刻品、タラベラとよばれる陶器などがある。

[高木秀樹]


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百科事典マイペディア 「プエブラ」の意味・わかりやすい解説

プエブラ

メキシコ中央部,同名州の州都。メキシコ市の東南東110km,ポポカテペトル火山東麓の高原(2200m)にある。伝統的な陶器,繊維,ガラスなどの産業のほかに,近年は機械,自動車産業が進出。1531年ベラクルスとメキシコ市を結ぶ戦略上の要地に建設され,植民地におけるカトリック教会の中心であった。特産の色タイルで飾られた植民地時代の教会や建物が,市街の中心部だけでも1000余に及ぶ。歴史地区は1987年,世界文化遺産に登録。143万4062人(2010)。

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