プロメチウム(英語表記)promethium

翻訳|promethium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

プロメチウム
promethium

元素記号 Pm ,原子番号 61。周期表3族,希土類元素ランタノイド元素の1つ。天然には存在しない。プロメチウム 145 (半減期 18年,α壊変および電子捕獲) のほか,13種の人工放射性核種が知られている。 1926年イリノイ大学の B.ホプキンスによりモナズ石中に発見されたとして報告され,イリニウムと呼ばれたこともある。これとほとんど同時に,イタリアの R.ローラによって発見され,フロレンシウムと命名されたとの報告もあるが,いずれも誤報であり,安定核種は存在しないと考えられる。 47年 J.マレンスキーらはイオン交換クロマトグラフィーにより,核分裂生成物から 61番元素を分離,確認した。ギリシア神話で人間に火を与えたプロメテウスにちなんでプロメチウムと命名した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

プロメチウム

元素記号はPm。原子番号61。希土類元素の一つ。安定な同位体は存在せず,人工放射性元素として1947年J.マリンスキーらが初めて分離,確認。ネオジムを陽子,中性子,α粒子で衝撃するとき,あるいはウランが核分裂するとき生ずる。最も寿命の長い同位体は145Pm(半減期18年)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

プロメチウム【promethium】

周期表元素記号=Pm 原子番号=61融点=1035℃ 沸点=2730℃電子配置=[Xe]4f55d06s2 おもな酸化数=III,IV周期表第IIIA族,希土類元素に属するランタノイド元素の一つ。1926年アメリカのイリノイ大学のホプキンズB.S.Hopkinsらによってモナザイトから分離した希土類元素を含む物質中に,また同じころイタリアのローラL.Rollaによっても発見されたと報告され,それぞれの地名にちなんでイリニウムIllinium,フロレンチウムFlorenciumと命名された。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

プロメチウム【promethium】

ランタノイドの一。元素記号 Pm  原子番号61。同位体はすべて放射性。最も半減期の長い核種の質量数は一四五で、17.7年。天然に存在するものは確認されず、核分裂生成物の分離によって初めて存在が確認された。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

プロメチウム
ぷろめちうむ
promethium

周期表第3族、希土類元素に属するランタノイド元素の一つ。人工放射性核種の一つでもある。天然にはウラン鉱石中に痕跡(こんせき)の存在が認められるのみで、実質的には存在しない。61番元素を探す試みは多くの化学者によって行われ、発見したという報告が1926年ごろ5件も提出されたが、いずれも裏づけができず公認されなかった。サイクロトロンを用いて放射性元素を得る試みもなされたが、最終的に1945年、アメリカのマリンスキーJacob A.Marinsky(1918―2005)らが原子炉で生成し、ウランの崩壊物質中から取り出して初めて存在を確認、1947年に発表した。第二の火といわれるウランの核分裂生成物中に発見されたことから、ギリシア神話の火の神プロメテウスPrometheusにちなんで名づけられた。質量数140から152までと、154の同位体が知られている。もっとも半減期が長いのはプロメチウム145(17.7年)であるが、核燃料の再処理でもっとも多量にプロメチウム147(2.6年)が得られるので、これから化合物や金属がつくられた。銀白色金属。酸化数の化合物をつくり、多くは淡紅色である。[守永健一・中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

プロメチウム

〘名〙 (promethium) 希土類元素の一つ。記号は Pm 原子番号六一。人工放射性核種で、一九四七年マリンスキーらがウランの核分裂生成物中に発見。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内のプロメチウムの言及

【人工元素】より

…天然に存在せず,人工的方法(核反応)によってのみ作り出される元素をいう。ふつう,周期表上原子番号43のテクネチウムTc,61のプロメチウムPm,85のアスタチンAt,87のフランシウムFr,および93のネプツニウムNp以降の諸元素(超ウラン元素)を人工元素とみることが多い。しかし,この定義は厳密なものとはいえない。…

※「プロメチウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

アイントホーフェン

オランダの生理学者。旧オランダ領ジャワ島のスマランに、陸軍軍医の子として生まれた。陸軍の給費学生としてユトレヒト大学に学び、医師となった。1886年ライデン大学の生理学教授に任ぜられ、兵役を免除された...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android