プール

デジタル大辞泉 「プール」の意味・読み・例文・類語

プール(pool)

[名](スル)
人工的に水をためた遊泳場。水泳場
置き場。たまり場。「モータープール
蓄えておくこと。ためること。「資金をプールする」
企業連合。主として米国でカルテルの意味で用いられる。特に、中央機関を設けて利潤の分配を行うカルテルをさす場合もある。
ビリヤードの一。手球を突いて、15個の的球ポケットに落とす。プールゲームポケットビリヤード

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精選版 日本国語大辞典 「プール」の意味・読み・例文・類語

プール

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] pool )
  2. [ 一 ]
    1. 水たまり。池。〔外来語辞典(1914)〕
    2. 水を張るようにつくった水泳用の施設。コンクリートで固め、多くは長方形につくる。水泳場。スイミングプール。《 季語・夏 》
      1. [初出の実例]「夢の中に或プウルを眺めてゐた」(出典:歯車(1927)〈芥川龍之介〉三)
  3. [ 二 ]
    1. 共同の利益のために協定を結んだ企業の連合体。〔外来語辞典(1914)〕
    2. たまり場。また、物の置き場。
      1. [初出の実例]「無常迅速な、生命の交替のプールである」(出典:照る陽の庭(1949)〈檀一雄〉一二)
    3. ( ━する ) 蓄えること。ためておくこと。
      1. [初出の実例]「ジープだけが二十台余りも本廠舎前にプールされている」(出典:深い河(1969)〈田久保英夫〉五)

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改訂新版 世界大百科事典 「プール」の意味・わかりやすい解説

プール

水泳をするための水槽。正しくはスイミングプールswimming pool。水泳場ともいう。屋外にも,屋内にも設置され,一般には淡水であるが塩水(海水)のものもある。古くはインダス文明のモヘンジョ・ダロ遺跡の沐浴場にプールの原型がみられ,ローマのカラカラで知られるローマ浴場には大きなフリギダリウム(冷水プール)が備えられていた。しかしスポーツとしての水泳が発達するのは18世紀に入ってからで,クラブなどにプールがつくられるようになり,しだいにヨーロッパ全土に普及した。日本では江戸時代の城内に水練場の跡を見ることができるが,明治期になると,陸軍戸山学校,東京大学,学習院などに水泳場がつくられた。近代泳法のためのプールは1916年大阪府立茨木中学校にできてから,大阪,東京と各地に建設され,97年には国内で約4万ヵ所(うち学校プール3万ヵ所)となっている。初期には石造,コンクリート造であったが,現在は鋼,ステンレス,アルミニウム合成樹脂,セラミックタイル貼りのプールも使われるようになった。日本では,外国のような水浴用とか家庭用プールが少なく,競泳用として日本水泳連盟の公認50m,25mプールの規定によるか,それに準じてつくられているものが多い。国際競技は50mプールで,幅25.0m以上,水深2.0m以上,8コース(1コースは幅2.5m)のものを使用する。飛込競技飛板飛込み高飛込み),水球競技,シンクロナイズドスイミング競技用プールなどもある。プールの水は循環浄化装置で浄化するほか塩素剤で消毒する。学校プールは文部省体育局長通知による〈学校環境衛生基準〉により管理されるが,一般には92年に改正された厚生省生活衛生局長通知〈遊泳用プールの衛生基準について〉に基づき,地方条例によって遊泳用プールの水質基準が定められ,プール用水の衛生が確保されている。
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プール (ぷーる)

八重山諸島で稲刈り後の旧暦6月を中心に行われる稲の収穫祭。プールィ,プイなどともいい,豊年祭,穂利祭と書かれる。宮古諸島では粟,麦の収穫祭をプーズ,稲の祭りをウププーズと呼んでおり,沖縄諸島では旧暦8月前後の村遊び,八月踊などがこれに相当する。プールの第1日目はその年の豊作を神に感謝するため,ツカサ(神役組織の主宰者)と祭祀集団の成員が集まり,神格の高いオン(御嶽(おたけ)/(うたき))から順に回り,神々から授かった神酒を飲む。2日目は翌年の豊作を予祝する村をあげての盛大な祭りとなり,仮装した神が出現し,綱引き,舟漕ぎなどが催されるが,村落ごとに一様ではない。西表島古見,小浜島,新城島,石垣島宮良では,2日目に仮面仮装神の〈あかまた・くろまた〉が出現して各戸を巡り,村人の繁栄と豊作を祝福する。プールでは1日目の豊作の感謝と2日目の予祝が続けて行われているが,元来は別々の行事であったと考えられる。
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百科事典マイペディア 「プール」の意味・わかりやすい解説

プール

(1)ビリヤードの種目の一つ。1つの手球(てだま)で15個の球をポケットに落とすゲームのこと。(2)水泳を行うために人為的に作られた大きな水槽。スイミング・プール。プールのもともとの意味は〈水たまり〉。川が蛇行(だこう)してできた〈水たまり〉が流れがないので,水遊びや水浴び,水泳に適していたことから,この名が用いられるようになった。やがて,水泳用の堀割とその周りに水泳用の付帯施設を設置し,川から水を引いた〈水たまり〉のことを意味するようになる。あるいは,湖や海岸の波の少ないところに仕切りと付属施設を設けてプールとした。 19世紀に入ると,ウィーンなどの都市には室内プールが設けられるようになり,多くの人で賑わった。これら施設は,どちらかといえば,水浴と日光浴に比重が置かれていた。やがて,温水プールが設けられるようになり,一年をとおして水泳が楽しめるようになった。 日本では,1960年代には農薬の影響で川での遊泳がほとんどできなくなり,学校や地域社会のプール設置に力が注がれた。また,1970年ころから海水浴場の海水が工場排水などで汚染されはじめると,海水浴場に代わる大きなプールが海岸に設置されるようになった。人工の,大掛かりな流水プールや波打ちプールが登場。

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デジタル大辞泉プラス 「プール」の解説

プール

桜沢エリカによる漫画作品。タイのチェンマイで働く母のもとにずっと離れて暮らしてきた娘がやって来る。映画化を前提に描きおろした作品。2009年、幻冬舎より全1巻で刊行された。2009年、大森美香監督による映画が公開された。

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世界大百科事典(旧版)内のプールの言及

【アカマタ・クロマタ】より

…八重山群島西表(いりおもて)島の古見を中心とする村々で旧6月におこなわれる豊年祭〈プール〉に登場する仮面仮装の神。野生の草木におおわれた全身を微細なリズムに揺らしつつ森の奥深くから村の中に立ち現れるこの仮面神の祭祀には,一定の通過儀礼をへた成人男子の構成する秘密結社の成員だけが直接参与できる。…

※「プール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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