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ヘル ヘルHel

翻訳|Hel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヘル
Hel

北欧神話の冥界の女王,ロキと女巨人アングルボザを父母として生れた,恐ろしい怪物で,生れつき身体の半分が黒く,半分は白い。オーディンによってニフルヘイムに追放され,そこでニフルヘルともまた単にヘルとも呼ばれる,病気や老齢によって死んだ死者たちの行かねばならない暗黒の冥府を支配することになった。彼女の住む広大な館はエリュズニルと呼ばれ,その入口を守る番犬はガルムである。

ヘル
Hell, Stefan

[生]1962.12.23. アラド
ルーマニア生まれのドイツの化学者。フルネーム Stefan Walter Hell。ハイデルベルク大学で 1987年に学士号を,1990年に博士号を取得。ヨーロッパ分子生物学研究所の博士研究員,1993~96年フィンランドのトゥルク大学主任研究員を経て,1997年にドイツのマックス・プランク生物物理化学研究所に移り,2002年に同研究所ナノバイオフォトニクス部門の所長に就任した。光の波長の半分より小さいものは見分けられない光学顕微鏡(→顕微鏡),生きたままの細胞を見られない電子顕微鏡の限界を破ろうと超高解像度の顕微鏡の開発に着手し,ケイ光物質をレーザー光で励起させ,発する光を観察するケイ光顕微鏡の原理を利用して研究を進めた。1994年に,目的物周辺部分のケイ光を抑える光(誘導放出抑制光〈STED光〉)をドーナツ型にしてあて,中心部分のケイ光のみを検出できるようにする誘導放出抑制顕微鏡を提唱した。この原理によって,これまでの光学顕微鏡の限界をはるかにこえて 10nmという超高解像度の像を得られるケイ光顕微鏡を開発,細胞の微小構造や蛋白質の移動などを生きたままで観察できるようになった。2014年,この功績によりエリック・ベッツィヒ,W.E.モーナーとともにノーベル化学賞を受賞した。

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百科事典マイペディアの解説

ヘル

北欧神話で死者の国を治める女神。ロキと女巨人の間に生まれたが,恐ろしい怪物だったので,オーディンによって地底に投げ込まれ,冥界の女王となったという。冥界そのものもヘルと呼ばれる。
→関連項目地獄

ヘル

毛織物の一種。ローサージとも。ヘルは経(たて)にあらい梳毛(そもう)糸を,緯(よこ)に紡毛糸を用いて織った綾織物。堅牢(けんろう)で実用的なため学童服,作業服などにする。

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世界大百科事典 第2版の解説

ヘル【Hel】

北欧神話の冥府の女王。また彼女の支配する死者の国も同じくヘルと呼ばれる。ヘルはエッダによると,ロキと女巨人アングルボザの3番目の子で,オーディンにより冥府に投げ込まれ,病気や老齢で死んだ者たちにその住居を割り当てることになった。ヘルは体の半分が青色で半分は人肌色をして,けわしく恐ろしい顔をしている。ヘルという語はゲルマン語で〈隠す〉の意で,元来は死者の国を表した。冥府ヘルは霧におおわれた暗い地下の寒冷の地にあり,そばにギョル川が流れ,橋がかかり,橋のたもとに橋の番人がいる。

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大辞林 第三版の解説

ヘル

〔モヘル(ドイツ Mohär)の略という〕
たて糸に梳毛そもう糸、緯よこ糸に紡毛糸を用いて織ったサージ。

ヘル【hell】

地獄。

ヘル【Herr】

ドイツ語で、男性の姓または官職名の前につける敬称。

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世界大百科事典内のヘルの言及

【葬制】より

…〈冥府の靴〉というものをはかせたり,貨幣を一個もたせるという例もある。霧におおわれた暗い地下の寒冷の地にあるとされる冥府ヘルのイメージは土葬の風習から由来していることは明らかである。このヘルは後にキリスト教が入ってきてから〈地獄〉というイメージが強くなっただけで,本来は贖罪(しよくざい)や報復の場所と考えられたわけではない。…

※「ヘル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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