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ベータトロン ベータトロン betatron

翻訳|betatron

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベータトロン
ベータトロン
betatron

電子加速器の1種。磁極の間にドーナツ形の真空容器を入れ,磁場の強さを増すと誘導電場を生じ,それによって電子を加速する。小型の加速器で,電子のエネルギーは数十 MeV である。得られた電子ビームと,電子の制動放射によるγ線およびX線は工業用,医療用に用いられる。

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デジタル大辞泉の解説

ベータトロン(betatron)

電子電磁誘導によって加速する装置。円形の交流電磁石磁束を変化させ、その周りに生じる電界によって、ドーナツ状の管内の電子を加速する。高エネルギーのX線の発生源として利用される。

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百科事典マイペディアの解説

ベータトロン

電磁誘導を利用した電子(β粒子)の加速器。上下にある電磁石の両極の間にドーナツ形の真空容器をおき,この中に電子を走らせながら,電磁石を交流で励磁すると,磁場の変化に伴い電磁誘導により電子の軌道に沿って電場が生じ電子を加速する。
→関連項目シンクロトロン

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世界大百科事典 第2版の解説

ベータトロン【betatron】

アメリカのD.W.カーストによって1940年に実用化された電子(β粒子)の加速器。原理上電子以外の粒子の加速には適さない。電子を一定半径の円軌道上に拘束する磁場と,この軌道に囲まれた面を貫く加速用磁場をもつ。二つの磁場を一定の関係(ベータトロン条件)に保ちつつ増加させ,軌道内磁束の時間変化によって生ずる誘導電場で電子を加速する。加速エネルギーはシンクロトロン放射の効果で制限され,過去最大のものは3億eVである。

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大辞林 第三版の解説

ベータトロン【betatron】

加速器の一。向かい合わせた磁極の周縁部にドーナツ形の真空管を置き、その中で電子を一定の円軌道上を周回させながら磁場の強さを変え、誘導起電力によって加速する装置。数億電子ボルトまで加速することができる。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベータトロン
べーたとろん
betatron

交流電磁石の磁極間の磁束の変化によって発生する電場を用いて、電子を加速する装置。交流電磁石の磁極の間に入れられたドーナツ形の加速管の中で、電子は、磁場の強さと電子のエネルギーによって決まる半径rの円周上を回る。交流電流によって磁石が励磁されると、電子の円運動の軌道の内側の全磁束が変化し、電磁誘導によって電子の軌道沿いに電場が発生する。電子はこの電場によって加速されるが、加速による電子のエネルギー上昇と磁場の強くなる割合がつり合って、磁場の変化にもかかわらず、電子が一定の半径の円周上を運動し続けるようにすることが必要である。これはベータトロン条件とよばれる。ベータトロンは、磁極の中央部の磁極間隙(かんげき)を周辺部の間隙より狭めて中央部の磁場を外周部より強め、この条件を満たすように設計されている。この形の加速器は1928年ドイツのビデレーRolf Widere(1902―1996)によって提案されたが、加速の安定性などに問題があり、本格的なベータトロンは1940年にアメリカのカーストDonald William Kerst(1911―1993)によって初めて実現された。電子は質量が小さく、比較的低いエネルギーでほとんど光速に達してしまう。光速を超えることはできないので、加速によるエネルギー増加は電子の質量の増加として表れることになる。サイクロトロン加速では、電子の円運動の周期がエネルギー増加とともに遅くなるので同期がとれなくなり、加速できない。電子の加速にはベータトロンが適している。比較的簡単な構造で小型に設計できるので、医療用、工業用などのX線源として多く使用されている。[西村奎吾]

医療としての利用

ベータトロンから発生する放射線はX線と電子線であるが、X線は線量率(単位時間当り照射される放射線量)が低くあまり利用されない。電子線は皮膚腫瘍(しゅよう)などの表在腫瘍に対して治療の目的で照射される。主として使われるのは6メガ~40メガ電子ボルトの電子線である。十数回に分けて総量50グレイほどを照射する場合が多い(グレイとは吸収線量の単位)。電子線はエネルギーに応じて一定の深さまでしか到達しないため、病巣より深い正常の部位は照射されずにすむという利点をもっている。なお、1980年代からは、電子線を利用した治療装置リニア・アクセレレーター(線形加速器)のほうが線量率が高い利点があり、利用が進んでいる。[赤沼篤夫]

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世界大百科事典内のベータトロンの言及

【加速器】より

…コッククロフト=ウォルトンの装置ともいう)が実用化され,1932年にはこの装置で加速した陽子を用い,初めての人工的に加速した粒子による原子核破壊の実験に成功した(コッククロフト=ウォルトンの実験と呼ばれる)。45年ごろまでにはこのほか,バン・デ・グラーフ型加速器(1931),サイクロトロン(1930),線形加速器(1931ころ),ベータトロン(1940),シンクロトロン(1945)などの各種の加速器が考案され,これらが今日の加速器の基礎となったが,著しい進歩をもたらしたのは第2次世界大戦後急速に発達した電波工学,エレクトロニクス,真空技術,材料工学などである。加速器のエネルギーは6~7年に約10倍の割合で大きくなっており,シンクロサイクロトロンによってπ中間子が実験室で人工的に創生(1948)されて以来,大加速器を用いての新しい素粒子の発見が相次いでいる。…

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