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ベーダ時代 ベーダじだいVedic Age

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベーダ時代
ベーダじだい
Vedic Age

インド古代,アーリア人の侵入から十六大国併立以前までをいう。前 1500~600年頃で,前期リグ・ベーダ時代で前 1000年頃まで,後期は他のベーダ成立から『ウパニシャッド』の成立までのいわゆるインド文化の原型の完成期。前期は先住民を征服,インダス川上・中流域で半農半牧生活に入るが,政治的には部族長支配が続き,さらにガンジス川とジャムナ川の中間地帯への発展とともに王制小国家の群立時代に入る。この間にインドラ神をはじめ諸神への賛歌ができ,神々の祭祀による除災招福とその司祭者たるバラモン階級の優位が次第に固まる。後期には,ガンジス川中流域への発展につれて農耕社会が完成し,小国家の併合によるクルパンチャーラなどのような国の覇権が強まり,次の十六大国の対立時代を準備する。この間に『サーマ・ベーダ』『ヤジュル・ベーダ』『アタルバ・ベーダ』の3ベーダから『ブラーフマナ』『ウパニシャッド』が成立し,四バルナ (種姓) 制度 (→カースト ) も確立して次の時代に仏教,ジャイナ教が生れる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ベーダじだい【ベーダ時代】

インド,ベーダ聖典の成立した時代で,前期,後期の2期に分かれる。(1)前期(前1500ころ‐前1000ころ) 前1500年ころインドに入ったアーリヤ人は,ダーサダスユと呼ばれる黒色,低鼻の先住民を征服しつつ,パンジャーブ地方で牧畜を主とし農業を副とする生活を始めた。彼らは自然を神格化した多数の神々を崇拝し,祭火をたき,賛歌と供物をそれらの神々にささげた。やがて祭式を専門にとり行う司祭者も現れ,彼らの手で賛歌集《リグ・ベーダ》が編まれた(前1100から前1000ころ)。

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世界大百科事典内のベーダ時代の言及

【インド】より


[アーリヤ人の来住]
 インド・ヨーロッパ系の言語を話すアーリヤ人は,はじめ中央アジア方面で遊牧生活を営んでいたが,その一分派がインダス文明のすでに衰退した前1500年ころから徐々にパンジャーブ地方に移住した。そして部族の首長(ラージャン)に率いられ,ダーサと呼ばれる先住民を征服しつつ,牧畜を主とし農耕を従とする半定着の生活を始めた(前期ベーダ時代,前1500‐前1000ころ)。当時の生活では牛が最も重要な財産であり,農作物としては大麦の栽培が中心であった。…

【カースト】より

…カースト制度は諸要因の複雑な結合によって成立したものであるが,それらの要因を統合して一つの制度へ導く力となったのは,バラモンと彼らの指導下に成立したバルナ制度である。 バルナ制度は,アーリヤ人が農耕社会を完成させた後期ベーダ時代(前1000‐前600ころ)に,ガンガー(ガンジス)川の上流域で成立した。この制度は,バラモンを最清浄,不可触民を最不浄とし,その間に職能を異にする排他的な内婚集団を配列したものであり,その性格にはカースト制度と共通する部分が大きく,カースト制度成立の基本になった制度と言える。…

※「ベーダ時代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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