ホルン(英語表記)〈ドイツ〉Horn

百科事典マイペディアの解説

ホルン

金管楽器一種。その名は〈角(つの)〉の意で,角笛を起源とし,狩猟ホルンなどを経て発達。自然倍音のみしか出なかったが,19世紀中ごろにバルブ装置と迂回(うかい)管を付け半音階の演奏が可能になった。フレンチ・ホルンともいう。約3.7mの管を丸く巻いた移調楽器移調)で,朝顔(開口部)は大きい。3オクターブ半の音域をもつヘ管のほか変ロ管もあり,現在はバルブ操作でヘ管・変ロ管の双方に使えるダブル・ホルンが一般的。左手でバルブを操作し,右手は朝顔にさしこみ,開孔量を調節して音色の変化を得る。他の金管楽器を圧倒する豊かな響きと弱音でのデリケートな表情を兼ね備え,管弦楽に欠かせない楽器。ヘンデルの《水上の音楽》をはじめ,18世紀には管弦楽での狩猟ホルンの使用が珍しくなくなった。その柔らかい音色は弦楽器や木管楽器ともよく調和するため,小編成のアンサンブルにもしばしば用いられる。木管五重奏曲などのタイトルが付く作品でも,ホルンが含まれる場合が多い。独奏楽器として用いられた例としてはモーツァルトやR.シュトラウスの協奏曲が有名で,ブラームスの《ホルン三重奏曲》(1865年。ホルン,バイオリン,ピアノ)のような編成による室内楽の名曲もある。→サクソルンブレーン
→関連項目管弦楽ヘンデル

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音楽用語ダスの解説

ホルン

狩猟用ラッパのうち、肩にかけられるように大きく円環状に巻かれたものが今日のホルンの原型である。ベルは手がすっぽり入るほど大きいのに対して、管は非常に細く長い。自然倍音しか出せない無弁の時代からオーケストラに組み入れられ、しばしば管長の異なる楽器を組み合わせることでこの欠点を補った。バルブがつけられるようになってからはF管が一般的となり、今日では高音が奏出しやすいように改良されたF/Bb管のダブル・ホルンも用いられる。ホルンは金管楽器であるにもかかわらず弦の音色とよく溶け合い、木管五重奏を含めてあらゆる種類のアンサンブルに重用される。オーケストラにおいては、和音の充実や音力の強調に有用であり、柔和な音色と適度な輝きは合奏の色彩感を豊かにする。後期ロマン派に至っては、幽玄な弱奏からブラッシーな強奏に至るまでの幅広い表現が駆使される。ソロ楽器としての表現にもすぐれ、ラベルの「亡き王女のためのパバーヌ」では美しいソロを聴かせる。

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デジタル大辞泉プラスの解説

ホルン

株式会社明治が販売するチョコレート菓子の商品名。細長いラングドシャクッキーでホイップしたチョコレートを挟んでいる。「ミルク&ホイップショコラ」「カカオ&ホイップホワイト」「黒ホルン」がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ホルン【Horn[ドイツ]】

〈角(つの)〉の意から出た楽器名。広義には動物の角をそっくり用いた吹奏楽器のこと,またそれをとする楽器のことで,いわゆる角笛(つのぶえ)である。末広がりの〈円錐管〉を,呼気流と唇の振動とで鳴らす楽器がほとんどである。狭義には,狩猟用の角笛から生まれた金管楽器の一つを指す。優美で温和な音色をもち,目につく特徴には,管径が細く管長が長いこと,その途中を円環状に巻いて形を整えていること,管末のアサガオ状開口が大きいこと,いわゆる漏斗(ろうと)状の歌口を用いること,アサガオを後ろに向ける独特の構え方などがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ホルン
Horn, Arvid Bernhard, Greve av

[生]1664.4.6. フィンランド,ブオレンタカ
[没]1742.4.17. エケビュハルム
スウェーデンの軍人,政治家。伯爵。カルル 12世の皇太子時代の軍事上の師で,北方戦争において軍事・外交面で活躍。絶対王政に反対し,カルル 12世後,スウェーデンの議会主義 (身分制議会) 確立に大きな役割を果した。みずからはキャップ党 (→キャップ党・ハット党 ) を率い「自由の時代」の初期 (1720~38) 国政を掌握した。

ホルン
horn

金管楽器の一種。「フレンチ・ホルン」ともいう。角笛から発達し,長い管を円形に巻いた中音域用の楽器で,朝顔形に開いた長いチューブの全長は約 3.7m。現在交響楽用に使われているものは,1650年頃のフランスの狩猟用ラッパに由来する。基音を変化させて半音階的な演奏を可能にするように,3個のバルブがついている。

ホルン

ホールネ」のページをご覧ください。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ホルン

〘名〙 (Horn)
① 角笛。ラッパ。
② 金管楽器の一つ。真鍮製で、先端が朝顔状に開いた円錐形の管と歌口からなり、その中間はまるく巻いて、三つのバルブ(弁)がとりつけられ、バルブの操作で半音階を演奏することができる。管弦楽中重要な役割を果たす。フレンチホルン。〔洋楽手引(1910)〕

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世界大百科事典内のホルンの言及

【浸食作用】より

…二つの圏谷に挟まれた岩稜は,鋭い岩塔や針状峰が並ぶ鋸歯状の氷食山稜arêteとなる。三つ以上の圏谷の切り合う所には,マッターホルンのような角錐状の尖峰(ホルンHorn)を生ずる。流域の降水量が同じとした場合は,氷食は河食に比べて強く働くので,氷食谷は深く幅広くU字形にうがたれる。…

【氷河地形】より

…カール底はほぼ雪線の高さに形成されるので,氷期に形成された圏谷底高度から当時の雪線高度を推定することができる。急なカール壁を両側にもつ稜線は瘦せ尾根(アレートarête(フランス語)あるいはグラートGrat(ドイツ語))となり,三方からカール壁に囲まれるところには,マッターホルンで有名なホルンHorn(ドイツ語)あるいはエギーユaiguille(フランス語)と呼ばれる鋭峰が形成される。 カール底から下流部へは横断面形がU字形をした氷食谷(U字谷)が続く。…

【角笛】より

…中国で軍楽等に用いられた角(かく)や,ユダヤ教のショファル等がそれで,前者は仏画の奏楽場面にも登場し,日本の阿弥陀来迎図にまで及んでいる。洋楽のホルンコルネット等も金属製になってはいるが,角から来た名であり,ビューグルは〈牛飼いの角笛〉という意味のフランス古語に由来している。これらの多くは放牧,狩猟,警備,軍事等に関連して信号用などに,あるいは宗教や呪術に関連して用いられてきた。…

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