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ボッカッチョ(英語表記)Giovanni Boccaccio

大辞林 第三版の解説

ボッカッチョ【Giovanni Boccaccio】

1313~1375) イタリアの作家・人文学者。近代リアリズム小説の先駆とされる百話の短編物語「デカメロン」の作者として知られる。「カンタベリー物語」「エプタメロン」など英仏の物語にも大きな影響を与えた。ボッカチオ。

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百科事典マイペディアの解説

ボッカッチョ

イタリアの作家。父はフィレンツェ近郊出身の商人。ナポリへ商業の見習に行き文学に熱中,ナポリ王の庶子マリア(?)との恋をうかがわせる寓意的な恋物語を韻文,散文で書く。これは帰郷後にも《アメート》《フィアンメッタの悲歌》などと続くが,やがてペストで荒廃したフィレンツェを背景とした《デカメロン》を著し,イタリア散文文学の代表的作家となる。ほかに人文主義的研究の著作《名士列伝》や《ダンテ伝》,フィレンツェ市の招きで《神曲》講義などの仕事を残した。
→関連項目戸川秋骨ペトラルカラ・フォンテーヌ

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世界大百科事典 第2版の解説

ボッカッチョ【Giovanni Boccaccio】

1313‐75
イタリアの文学者。トスカナ出身の商人ボッカッチョ・ディ・ケルリーノがパリ滞在中フランス貴族出のジャンヌという未亡人に生ませた私生児。母の死後父とともにフィレンツェに戻る。1328年ごろ父は少年の彼を商人にするためバルディ商会(バルディ家)ナポリ支店に勤めさせたが,商売よりも華やかなナポリ宮廷に出入りして,古典文学に熱中し,擬古的な叙事詩を作っただけでなく,ナポリ王の庶子で高官の夫人だったマリア・ダッキーノと熱烈な恋をして,小説《フィアンメッタ》を書く。

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世界大百科事典内のボッカッチョの言及

【イタリア語】より

…ダンテは前にも触れた《俗語論》のなかで,詩文学に用いられる理想的な〈俗語〉はいかなるものであるかを論じたが,自らの詩作にあたって彫琢を加えた言葉は生れ故郷フィレンツェの方言であった。《神曲》の成功に続き,ペトラルカ(1304‐74)とボッカッチョ(1313‐75)がフィレンツェ方言の文学的威信を高めるのに貢献する。だが一方,ラテン語は書き言葉として依然大きな勢力を保ち,ラテン語のイタリア語に対する優位を主張する人文主義者も少なからずいた。…

【イタリア文学】より

…俗語で書かれた壮大なこの叙事詩は,中世神学の確固たる世界観と宇宙観を示すことによって,もはや卑しい俗語による詩的な試みの域をはるかに超え,むしろ古代ギリシアからラテン,そして中世文学における数多の登場人物と,同時代の史実とを網羅し,キリスト教の愛の哲学に則してそれらの事件を秩序だてることにより,中世文学を締めくくったのである。
[近代の誕生]
 このように,ダンテの文学が本質的に過去への展望をはらんでいたのに対して,ほとんど同時代に生きながら,F.ペトラルカとG.ボッカッチョとは,彼らの文芸思想と文学作品の両面において,イタリア文学を大きく近代へ向かって用意した。ペトラルカは俗事詩抄《カンツォニエーレ》において,ラウラへの〈愛〉を軸に,まさに完璧な抒情詩の世界をつくりあげ,〈ペトラルキズモ〉はその後数百年間にわたって詩史に君臨し,現代詩にいたるまで強い影響を与えている。…

【デカメロン】より

…ジョバンニ・ボッカッチョ作の短編小説集。《十日物語》と訳される。…

【トスカナ[州]】より

…14世紀の初頭,ギベリン党の有力者であるウグッチョーネ・デラ・ファッジョーラとカストルッチョ・カストラカーニがフィレンツェ軍を破ったが,その勢力拡大を阻止するにはいたらなかった。フィレンツェは国際的金融業や毛織物工業によって繁栄し,さらにダンテ,ボッカッチョ,ジョットなどの出現によって文化的にも優位に立つようになった。その他の都市が文化的に衰退してしまったわけではなく,ルッカ,ピサ,シエナなどはその後も高い水準の文化的伝統を維持していた。…

【ペトラルカ】より

…翌48年ヨーロッパ全土を襲った黒死病のためにラウラが天に召された。なおこのときのフィレンツェの惨状を背景に語られるのが《デカメロン》であるが,その作者ボッカッチョとは50年に初めて祖国の土を踏んだ際出会って深い友情を結び,以後たびたび訪問を受けた。53年新教皇との不和を機にプロバンスを去ってイタリアに帰る決意をし,ボッカッチョらの反対にもかかわらず,ミラノの専制君主ビスコンティ家の招きを受け入れた。…

【笑い】より

…〈笑わない人=病人〉だからであって,笑いに精神的な治療の力をみていたからだろう。ボッカッチョの《デカメロン》(1353)には,笑いに対するこのような考え方が生かされている。100の笑話の語り手はペストを逃れて田舎にやってきた人々である。…

※「ボッカッチョ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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