ボッシュ(英語表記)Carl Bosch

デジタル大辞泉 「ボッシュ」の意味・読み・例文・類語

ボッシュ(Hieronymus Bosch)

[1450ころ~1516]オランダフランドル派画家。奇怪な空想と鋭い写実とが結びついた特異な画風で知られる。ボス

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精選版 日本国語大辞典 「ボッシュ」の意味・読み・例文・類語

ボッシュ

  1. [ 一 ] ( Hieronymus Bosch ヒエロニムス━ ) フランドルの画家。悪の諸相や怪奇な幻想妖怪、あるいは地獄情景を描出。代表作は「快楽の園」「聖アントニウスの誘惑」など。(一四五〇頃‐一五一六
  2. [ 二 ] ( Carl Bosch カール━ ) ドイツ工業化学者。ハーバーとともに、高圧下でアンモニアを合成する方法を発見。高圧化学反応の研究と開発により一九三一年ノーベル化学賞受賞。(一八七四‐一九四〇

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改訂新版 世界大百科事典 「ボッシュ」の意味・わかりやすい解説

ボッシュ
Carl Bosch
生没年:1874-1940

ドイツの工業化学者。ケルンの生れ。シャルロッテンブルク,ライプチヒの各大学に学び,1899年バーディシェ・アニリン・ソーダ会社(BASF(バスフ))に入社。1908年アンモニア合成についてのハーバー法が実験室的に成功するや,BASF社は直ちにF.ハーバーと共同研究の契約を結び,09年,ボッシュがハーバー法工業化研究の責任者となった。彼は多数の化学者や装置技術者を組織して,触媒と高温高圧の技術を開発し,アンモニアの接触合成法〈ハーバー=ボッシュ法〉を確立し,13年,オッパウの工場で年間3万6000tの硫安を生産することに成功した。この合成法は,第1次世界大戦中にはアンモニアの酸化により火薬用硝酸の製造に,さらに尿素肥料の製造に利用された。19年,ベルサイユ平和交渉ではドイツの技術代表をつとめた。その後25年にイーゲー・ファルベン社設立とともに社長になる。31年,高圧化学の研究と開発,とくにアンモニア合成の触媒に関する研究に対して,F.ベルギウスとともにノーベル化学賞を授与された。
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百科事典マイペディア 「ボッシュ」の意味・わかりやすい解説

ボッシュ

ドイツの工業化学者。ライプチヒ大学で学び,1899年バーディシェ・アニリン・ソーダ会社(バスフ)に入り,アンモニア合成(ハーバー=ボッシュ法)の工業化に成功。1925年イーゲー・ファルベン創立とともに社長。1937年カイザー・ウィルヘルム協会総裁。高圧化学技術への貢献に対し1931年ベルギウスとともにノーベル化学賞。

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化学辞典 第2版 「ボッシュ」の解説

ボッシュ
ボッシュ
Bosch, Carl

ドイツの工業化学者.冶金職人の修行を積んだ後,ベルリン工科大学で冶金学と機械学を学び,1898年ライプチヒ大学で有機化学の分野で学位を取得.こうしたユニークな背景が,のちに化学装置の研究に役立った.大学卒業後,BASF社に入社し,合成染料部門に勤務後,F. Haber(ハーバー)によるアンモニア合成の工業化研究を行い,二重筒構造の高圧反応装置を設計し,工業生産の成功に導いた.Haberとともに確立したアンモニア合成法はハーバー-ボッシュ法とよばれる.1919年IGファルベン社社長となり,1935年カイザー・ウィルヘルム協会の会長に選ばれた.高圧化学的方法の開発の業績に対して,1931年F.K.R. Bergius(ベルギウス)とともにノーベル化学賞を受賞した.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本の企業がわかる事典2014-2015 「ボッシュ」の解説

ボッシュ

正式社名「ボッシュ株式会社」。英文社名「Bosch Corporation」。輸送用機器製造業。昭和14年(1939)「ヂーゼル機器株式会社」設立。平成2年(1990)「株式会社ゼクセル」に改称。同12年(2000)「株式会社ボッシュ オートモーティブ システム」に改称。同17年(2005)現在の社名に変更。本社は東京都渋谷区渋谷。独ボッシュ社日本法人。自動車部品メーカー。ディーゼルエンジン用燃料噴射装置が主力。ほかにブレーキシステムなど。東京証券取引所第1部旧上場。平成20年(2008)完全子会社にともない、上場廃止。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

世界大百科事典(旧版)内のボッシュの言及

【イーゲー・ファルベン[会社]】より

…ドイツの化学工業を支配していたこの六大会社は,利益共同体契約を結んで,1916年以降共同で各種製品を製造していた。IGは,カール・ボッシュの指導下に世界市場に発展を図り,第1次大戦によって失った市場をしだいに回復していった。薬品,染料,窒素肥料の分野で世界的に有名だったが,その後スタンダード・オイル社と提携し,水素添加法による人造石油のほか,チタン,合成ゴムなどの新製品を開発し,ヒトラーのナチ政府の自給政策を可能にする基盤を与えた。…

※「ボッシュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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