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マテバシイ

百科事典マイペディアの解説

マテバシイ

ブナ科の常緑高木。九州,沖縄の沿海地にはえる。樹皮は暗褐青色。葉は厚く革質で倒卵状楕円形となる。雌雄同株。6月,新枝の葉腋黄褐色の雄花穂を立て,その上方の葉腋に雌花穂をつける。

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世界大百科事典 第2版の解説

マテバシイ【Pasania edulis (Makino) Makino】

日本南部の山野に自生し,公園などにも広く植栽されるブナ科の常緑樹(イラスト)。サツマジイともいう。枝葉が放射状に密生し,丸い樹冠を形成する。若枝は淡緑色で,浅い5溝がある。葉は倒披針状長楕円形で全縁,表は深緑色,裏は淡緑褐色。花は6月ころ,新葉がのびきるころに開く。雌雄同株で,雄花は黄緑色,新枝の中部の葉腋(ようえき)に,直立する穂状の花序をなす。6裂する花被に囲まれ,12本のおしべと中心部に毛の密生したみつ腺があり,強いにおいがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マテバシイ
まてばしい
[学]Pasania edulis Makino

ブナ科の常緑高木。高さ10~15メートル、直径1メートルに達する。萌芽(ほうが)性が強く、株立ちになることが多い。樹皮はほぼ平滑で暗褐青灰色。葉は枝先に集中してつき、革質で長さ10~20センチメートル、鋸歯(きょし)はない。雌花序、雄花序とも穂状で、初夏新芽の腋(えき)から斜め上に出す。花は虫媒花。堅果は翌年の秋熟し、殻斗(かくと)に浅く包まれ、長さ2~3センチメートル。褐色で白粉を帯び、不明瞭(ふめいりょう)な横輪が入り、底の着点はややへこむ。渋味がなく生食できる。和名マテバシイの語源には諸説があり、シイより味が落ちるが「待てばシイの実のようにうまい実がなる」という意味であるともいわれるが、はっきりしない。九州から沖縄の海岸近くに自生し、潮風に耐え、防風林とする。また公害にも強く、都市の緑化樹としてよく用いられる。小枝は細く分枝し、ノリのひびにも使われる。マテバシイ属はアジアの暖帯から熱帯に100種以上あり、とくに中国に多く、柯の字をあて、よく似ているシイ属(栲の字をあてる)と区別している。[萩原信介]

文化史

果実はあく抜きせずに食べられるので、縄文時代人の重宝な食糧であったとみられ、千葉県加茂の縄文前期の貝塚からは、歯形のついた果実が出土している。房総などでは種子をひいて粉にし、ゆでて食べた。『本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう)』(1803~06)では薩摩椎(さつましい)として記述されているが、『紀伊続風土記(きいぞくふどき)』(1806編纂(へんさん)開始)には薩摩椎とともに末天葉椎(まてはしい)の名があがっているが、『熊野物産初志』(1848)では「マテバシヒ」の名のみとなる。マテバシイはその葉がマテガイの形に似るからとされるが、九州や千葉県ではマテジイの名も広く、これはシイよりも細長い果実がマテガイに類似するからといわれる。葉も果実もマテガイを思わせるのでつけられた名といえよう。[湯浅浩史]

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世界大百科事典内のマテバシイの言及

【団栗】より

…殻斗は果実の基部の1/3~1/2を包んでいて,完熟した果実は落下時または後に殻斗と離れる。殻斗の表面の模様は種類の特徴をよくあらわしていて,大きく分けると鱗片が配列するもの(コナラ属コナラ亜属やマテバシイ)と,同心円状の輪があるもの(コナラ属アカガシ亜属)とがある。果実の内部には1室があり,普通,1個の種子で満たされる。…

※「マテバシイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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